1.どうしてマルチーズは寝てばかりなの?
飼っているマルチーズが寝てばかりで、心配に思う飼い主の方がいるようです。
遊んでほしいな、どうしているかな、と思って様子を見ると、いつも寝てばかり。
もしかしたら病気かも、病院に連れていこうかな、と過剰な心配をしてしまう場合もあります。
しかし人間達の感覚からして、マルチーズが昼間に眠り過ぎているからといって、心配する必要はありません。
人間と犬とでは、生活のリズムが全く違うということを、理解する必要があります。
そこで、マルチーズの眠りについて基本的なことを知っておきましょう。
(1)祖先が夜行性だった
マルチーズを含めて、犬は本能的に昼間には寝てばかりいる動物なのです。
小さくて可愛らしくても、マルチーズを含め、犬の祖先はオオカミです。
オオカミは夜行性ですから、暗くなってから獲物を探し始めます。
その夜の狩りに備えて、昼間の明るいうちに睡眠をとって、体力を温存しているのです。
人に飼われる犬となって久しい現在でも、オオカミだった頃の本能が残っているので、犬は夜行性です。
それで昼間は良く眠るのです。
(2)野生の本能から、浅くて長い眠りをする
野生動物は襲われないために、浅くて長い睡眠をとることで、身を守ってきました。
加えて狩りは一気に体力を消耗するので、体力を温存するために長く休息をとる必要があったのです。
その名残で犬はよく寝ます。
人間の睡眠にも、犬の睡眠時間にも浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)の2つのパターンがあります。
人間は80%が深い眠り(ノンレム睡眠)で、20%が浅い(レム睡眠)であるのに対し、
犬はその逆で20%が深い眠り(ノンレム睡眠)で、80%が浅い眠り(レム睡眠)だといいます。
2.犬に必要な睡眠時間
(1)成犬は12~15時間
最近までは、犬の平均睡眠は10時間と言われていました。
しかし、ドイツで行われた調査によると、睡眠時間が20時間の犬は、睡眠時間が10時間以内の犬よりも、ストレス値が低く、長生きするというデータが出ました。
人間と同様、睡眠不足は心身のストレスに繋がります。
(2)仔犬・老犬は少し長めの18~19時間
仔犬は好奇心旺盛であちこちを動き回ります。
生まれて間もなく、体も未熟なので、多くのエネルギーを消費し、回復のために睡眠時間を多く確保する必要があります。
子犬を迎えたとき、たくさん一緒に遊んであげたい気持ちもあると思いますが、たっぷり睡眠をとらせてあげましょう。
また、老犬も体力が衰えるので、多くの休息が必要になります。
(3)運動量や季節によっても睡眠時間は変動する
お散歩を沢山しているなど、日常で運動量の多い犬は良く眠ります。
また、気温が高いと体力を消耗するので、夏場も昼夜問わずよく寝ますが、心配はありません。
3.あまりにも長すぎる睡眠は危険?
犬の睡眠時間は長いといっても、普段よりも長いと危険な病気が潜んでいるかもしれません。
例えばストレスや関節の疾患、甲状腺機能低下症や感染などです。
痛みを抑える代わりに寝ている可能性もあります。
あまりにも長い場合は動物病院で相談することをおすすめします。
まとめ
犬が寝てばかりというのは、その犬が幸せに暮らしている証拠でもあります。
無防備な姿で眠っているのは、飼い主を信頼していて、その家全体が居心地の良い場所だということです。
マルチーズが昼間にグーグーと寝てばかりなのは、犬にとっても、飼い主にとっても幸せなことなのです。
もし平均以上に長い睡眠で、様子がおかしい場合は獣医さんに相談しましょう。