1.犬の目
一般的に、犬は近視眼で、近くのものの方が良く見えると言われています。近くの小さなものを見るには、人間に必要な距離の10分の1くらいに近寄らないと見えません。
距離で言うと、2~3メートル以内の物しかはっきりと見ることができません 人の視力で表すと、0.2~0.3程度となります。10~100メートルほど離れると、飼い主の顔さえも判断できなくなります。
但し、遠くまで見える視覚獣猟犬と呼ばれる犬種があり、正視眼をもっているものもいて、犬の種類によってはある程度の差があります。視野も人間よりも広く見渡せますが、色の識別能力は低いです。
また、犬は暗がりでもよく見えます。犬の目は人よりも瞳孔を大きく広げて、多くの光を取り込む杆体(かんたい)という光を感知する眼の細胞が多く、人の7~8倍もあります。
弱い光でも、2倍にして反射するタペタム(輝膜)という反射板が眼底にあるので効率よく視神経を興奮させて、わずかな光でも見やすくなっています。暗闇で、目がキラリと光るのはこのためです。まつげは上にはありますが下にはないです。
2.マルチーズの目やに
目やにが出ているからといって、すべてが必ずしも何かしらの病気であるとは限りません。
白または茶色っぽい目やにが出ている場合、黄砂などのゴミが目に入ったりして、目のふちについた涙が固まっているような状態です。治療の必要はない場合が多いですが、放っておくと不衛生なのできれいにやさしく取ってあげましょう。多くの場合はこの症状です。
しかし、黄または緑色っぽい目やにが出ている場合は要注意です。感染症の可能性が高いので、すぐに獣医さんに診せましょう。目やにだけではなく、血走ったり、充血していたり、少し腫れ上がっているような状態になっているかもしれません。
痛みやかゆみがひどい場合、目をこすらないように首にカラーなどを装着させることもあります。日頃から愛犬の目や目やにの状態をしっかりチェックして下さい。
・目やにが出ている時の疑わしい病気
結膜炎:目の結膜が赤く充血して腫れ、目やにや涙を流すことなどの症状が見られます。また、目にかゆみや痛みが起こるため、顔を床にこすりつけたり、目を前足でこすったりします。
また、細菌、ウイルス、寄生虫の感染、アレルギーや、目をこすったり、まつ毛などが目に入るなどの物理的刺激などによって起こります。発症すると目が赤く充血し、まぶたにかゆみや痛みを感じます。
結膜炎の治療は、点眼薬などを投与します。
角膜炎:一般的な症状として、痛みがあるので目をこすったり、床に顔をこすりつけたりします。また、光をまぶしがったり、目をしょぼしょぼとさせたり、目やにが出たり、涙を流すといった症状も見られます。また、シャンプーが目に入る科学的刺激や、目をこすったり、まつ毛が目に入るなどの物理的刺激などによって起こります。角膜炎の治療は、抗炎症剤や抗生剤、点眼などが中心となります。
・目のケア
まず、涙や目やにをきれいにふき取って下さい。寝起きなどに涙や目やにが見られることがあるので、これらを放置しておくと涙やけや涙管の炎症などが起きてしまいます。不衛生なので、きれいに清潔に保ってあげましょう。
目やにを取る場合、濡らした綿棒やウェットティッシュなどを使って、そっとやさしく拭うように取りましょう。また、目の周りの毛をカットします。
テリアやプードルなどの長毛種の場合、毛が伸びてくると目に毛が入ることがあります。これは目を刺激してしまうので、涙や目やにが出やすくなります。伸びた毛が目に触れるようでしたら、その部分の毛をカットして下さい。日頃のチェックが大切となります。