喘息になる原因や症状・治療法・予防法をご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
1.犬の喘息って?
犬の喘息は、口から肺にかけての気管支が急に収縮し、呼吸困難や咳といった発作をおこしてしまうことです。
よく似た症状には気管支炎があります。
見分け方としては、継続的に続くものが気管支炎、一時的で大抵は30分ほどで収まるものが喘息の疑いがあります。
2.トイプードルが喘息になる原因とは?
喘息の原因は、様々ですが大きく分類するとアレルギー性のものと非アレルギー性の2つに分かれます。犬の喘息の原因は主にアレルギーで、中には感染症をキッカケに咳が酷くなるケースもあります。
アレルギー性喘息の原因
アレルギーの原因は人間同様個体によって違い、埃(ほこり)やタバコ・たき火の煙・植物・塗料などの化学薬品・ダニ・フケ・香水・肥料・殺虫剤等です。埃にはダニの死骸やフンが含まれ小まめに掃除をしていても、掃除機から出た粉塵によって症状が現れる可能性があります。
タバコの煙だけでなく匂いでも反応する事もあり、香水や洗剤・化学製品の匂いで気管支を刺激されれば咳が出る可能性大です。
植物でもスギ花粉や稲等様々あり、喘息発作が出やすい季節が春だけとは限りません。
つまり原因となるアレルゲンに刺激される事によって過剰に反応する事が誘因になります。
若い個体よりも年齢を重ねた個体の方が罹患しやすいので「今まで大丈夫だった」モノでも咳をしたら注意深く観察してみましょう。
非アレルギー性喘息の原因
ストレス、不安、運動、冷気、煙、感染症などが原因になります。また、間違えやすい病気として、小型犬に多い気管虚脱やフィラリア症の感染、僧帽弁閉鎖不全症なども挙げられます。
3.喘息になった場合、どのような症状が出るのか?
気管支の炎症が慢性化することにより- 咳が止まらない
- ゼーゼーと喘鳴(ぜんめい)する
- 喉の炎症によって呼吸困難に陥る
また、呼吸困難に陥ると体内の酸素が欠乏し口腔内が青紫色や白色に変化、しチアノーゼ症状が現れる可能性が大きいです。
犬よりも猫の方が喘息になりやすいですが、散歩等様々な刺激に触れる機会の多い犬の方が、症状が突然強くなることがあると言われています。
また症状が似ている気管支炎は発作的な症状が長期間続きますが、喘息の場合、発作は一時的で30分程で収まる傾向が強いです。
但し強い咳が出る発作は短時間でも呼吸困難に陥る可能性は高いので、急に息苦しそうにする・咳が続くと感じたら直ぐに受診した方が良いでしょう。
4.喘息になってしまったら、どのように治療すべき?
喘息発作で呼吸困難になっている救急の場合は、酸素吸入が行われることもあります。基本的な治療方針は3つで、アレルゲンの排除・薬剤の投与・ネプライザーによる吸入治療です。
アレルゲンの排除
刺激となるアレルゲンから遠ざけたり排除するにはアレルゲンの特定が肝になります。
但しアレルゲンの特定を行う血液検査費用は5~6万と非常に高く、犬の体調や年齢によってもアレルゲンが変化する事もあるので命に関わる症状が現れない限り獣医師側が勧める事は少ないです。
また、アレルギー検査の結果もあくまでも目安となり、検査結果に書かれていなくてもアレルゲンとなっているものの可能性もあるそうです。
咳症状が現れる前に何を食べたか・どんな行動をしたのか・周辺に何があったか等接触したモノを記録しておくと原因を予測出来ます。
また、小まめにお掃除をし、空気清浄機などを利用するのも効果的でしょう。
掃除機からでる汚染された空気がアレルゲンの場合もあります。
アレルゲンは見えるものに限らず、目に見えないものの可能性もあるので気を付けましょう。
薬剤の投与
薬剤の投与は咳止め薬や抗アレルギー薬・気管支拡張薬・ステロイド剤が主に使用され、人間の喘息と治療法はほぼ同じです。
気管支の炎症によって浮腫みやすく気管支が狭くなっているので去痰薬(きょたんやく)等風邪薬とほぼ同じ薬剤が処方される事も多いです。
ネブライザーによる吸入治療
ネブライザーは抗菌剤やステロイドの吸入タイプの霧状の薬剤です。
このネブライザーの吸入には2種類の方法があります。
1つ目は人間同様、口元にマスクをぱこっとはめて、霧状の薬剤を鼻から吸入・副鼻腔(ふくびこう)に送るタイプのもの、
2つ目は、小さな密封された空間に霧状の薬剤と酸素を充満させ、そこへワンちゃんを入れて吸入させるタイプのものです。
薬が少量で済み、副作用が起こりにくく全身への影響も少ないので予防薬として処方されるケースもあります。
ネブライザーは幼児や高齢者でも簡単に扱えるのが利点です。
5.喘息にならないための予防法とは?
基本はアレルゲンの除去です。
アレルゲンが特定されていれば除去する事は簡単かもしれませんが、体調や年齢によってアレルゲンは変化するので注意します。
埃など不衛生な環境が誘因になりやすいので、小まめに掃除やブラッシング・長い毛はカットした方が衛生的です。
新たなアレルゲンを生まないように原因になりそうなモノも除去しトイプードルの前でタバコを吸わない等工夫します。
体調の変化もアレルギーを誘うので無理をさせないで疲れた時は休ませましょう。
症状が強く出る場合は予防的に薬剤を服用するケースがあるので、処方された薬剤は症状が全くなくてもキチンと服用したり吸入します。