仔犬を迎える時は幸せいっぱいですよね。
しかし、仔犬の時期は、この先のその子の性格や癖を決定づけるとても大事な時期。
正しい知識をつけて上手に育ててあげましょう!
1.ヨークシャテリアを飼う前に知っておきたいこと
・負けん気が強いので、仔犬の時からしっかりとしつけをする
・歯周病になりやすいので、歯磨きは3日1回こまめに行う
・体温調節が苦手なので、室内で飼う
・毛玉やもつれの予防に、毎日ブラッシングをする
・オイリーになりやすいので、1ヶ月半に1回はシャンプーをしましょう
上品な容姿を持つヨークシャテリアですが、もともと工場のねずみを捕る作業犬だったため、好奇心と負けん気が強いです。
しつけを一歩間違えるとわがままな子になってしまうので、仔犬の時から主従関係はしっかりとしておきましょう。
ヨークシャテリアは、シャンプーやブラッシング、歯磨きなど、お手入れが多い犬種なのです。
仔犬のうちから体の色々なところを触られるのを慣れさせておくようにしましょう。
また、ヨークシャテリアは季節の寒暖差に合わせて、体温調節するのが苦手です。
一年を通して室内で温度管理してあげる必要があります。
2.仔犬が来た!最初の1週間の過ごし方は?
(1)仔犬が環境に慣れるまで、静かに見守ってあげる
・環境に慣れさせるために、ゲージの中に寝床(ハウス)をつくり、ゆっくりさせてあげる。・水、ごはん、トイレの時以外は、なるべく触らないようにする。
・夜泣きをしても、一緒に寝ない。無視をする。
ヨークシャテリアの赤ちゃんが家にやってくると嬉しさばかりが大きくなってしまいますが、この最初の1週間が非常に大切です。
それまで自分の母親と兄弟と一緒に生活していた中で急に見知らぬ人の集まりの中で過ごすことになるため、戸惑ってしまいます。
特に最初の1週間は環境に慣れさせるため、あまり構いすぎないようにしましょう。
仔犬は自分の限度がわからないので、長時間遊びすぎると、疲労が蓄積して病気になってしまうこともあります。
生後4か月以下の仔犬は17時間眠ることもめずらしくありません。
抱っこしたいという気持ちをグッと押さえて、静かに見守ってあげましょう。
また、この時期に「クゥーン、クゥーン」と夜鳴きをする子が多いですが、そこで抱っこをしたり、寝室まで連れて行って一緒に寝たりしてはいけません。
鳴くとかまってもらえると思い、吠え癖がついてしまいますし、将来的に一人でいることができない分離不安症になってしまう可能性があります。
(2)初日からトイレトレーニングをしよう
飼い始め初日の、不安で信頼関係のできていない状態からしつけをあれこれ教えようとしても上手くいきません。最初はトイレトレーニングだけ行いましょう。
本来犬には清潔なスペースを保ちたい習性があり、ゲージ一面にトイレシートを敷き詰めると、次第に自分でトイレの場所を決める傾向があります。
決めた場所以外のペットシートを片づけます。
そして、ペットシートで排出できたらすぐに褒めます。
もちろん最初からうまくいくとは限りません。
うまくいったときは褒めてあげる(お菓子をあげると、トイレを小出しにする子が出てくるので注意が必要です)ことのが大切です。
ここで気をつけてほしいのは、失敗したからと叱ってしまうのは禁物です。
トイレが怖いものだと思い、隠れて粗相をしてしまうようになります。
失敗してしまったら、すぐに片づけて臭いもとり、何もなかったかのように振るまいましょう。
3.食事の与え方
仔犬の頃は体を作っていくために成犬よりカロリーも栄養素も多くとる必要がありますが、消化器官も未発達ですし歯もまだ乳歯なので硬いエサを食べさせることができません。
エサの与え方は、月例や年齢よって違ってきます。
もちろん個体差があり、必ずしも全ての犬にあてはまるわけではありませんが、一般的にいわれている月例や年齢にあわせたエサの与え方は次のとおりになります。
(1)2~3ヶ月
・食事の回数は4回が目安になります。
このころに仔犬を引き取った場合は、急な変化による胃腸障害を起こさないために、量や回数、食べ物の硬さなど基本的に引き取った時と同じようにして与えます。
自宅で出産した仔犬の場合は、市販の離乳食やパピー用の高カロリーのフードを与えます。
ドライフードの場合はお湯や犬用のミルクでふやかしてあげるようにしましょう。
(2)3~6ヶ月
・食事の回数は4回。量の差をつけて、だんだん2食に近づけていきます。ドライフードの場合は便の様子を見ながら少しずつ硬い状態で食べられるようにしていきましょう。
おやつもこの時期から開始します。
この時期に乳歯が永久歯に生え変わるので、柔らかいものばかり食べていると顎の骨が弱くなったり、歯並びが悪くなります。
(3)6~12ヶ月
・食事の回数は2食。朝食を多めにする。成犬として体ができてきて体重の増加がおさまってきます。
成犬用のフードに変えていく時期ですが、いきなり変えてしまうと胃腸障害につながってしまいます。
もともと食べているフードに少しずつ混ぜて慣らしていくとよいでしょう。
基本的には朝食をメインの食事とし、12ヶ月を過ぎるまでは成長期なので餌の量は多めにします。
12ヶ月を過ぎた犬は1日1回の食事でも構いませんが、急に量を減らすのではなく、 1~2週間かけて徐々に餌の量を減らすように工夫してください。
4.生後3カ月までに社会化を
(1)社会化とは
犬には社会化期(しゃかいかき)というものがあります。これは他の犬や、他の動物、 そして何より人間に対する警戒心をなくし、仲良く生活していくために必要な極めて重要な時期です。
およそ生後1~3か月の期間を言います。
『社会化期』の仔犬は好奇心旺盛で、初めて見るものや聞くものを興味津々で受け入れます。
しかし、生後4、5ヵ月になると自己防衛本能から警戒心が芽生え、みるみる好奇心を上回わります。
そのため見慣れないものや聞き慣れない音を怖がり、恐怖心からの吠えや攻撃などの問題行動が表れやすくなるのです。
仔犬をお家に迎えたら、この警戒心が芽生える前に、たくさんの人や犬に会わせ、様々な音や環境に慣れさせるなど『社会化』を行うことがとても大切です。
(2)具体的に何をすればいいの?
・他の犬と交流する
・飼い主以外の人に、なるべくたくさん触れさせる
・家以外の環境に慣れさせる
・ブラッシングや歯ブラシ、お留守番用のケージなど物になれさせる
様々な大きなの犬に慣れさせてあげましょう。
動物病院で行われている仔犬家庭が集まるパピーパーティーに参加したり、犬の幼稚園に預けるのもひとつの手です。
犬だけではなく、飼い主以外の多くの人に触ってもらいましょう。
男性・女性、子供から老人まで、一人でも多くの人に触ってもらい、愛犬に楽しい経験をさせてあげましょう。
そして、この時期にカフェや道路などの屋外の環境にも慣れさせることで、将来色々な場所に一緒にお出かけに行けるようになります。
5.噛み癖をつけない方法
・指に歯があったら無視することを繰り返す
犬は社会化期の前半に親犬や兄弟犬とじゃれたり、ケンカをしたりします。
それらを通じて「相手を強く咬むと、同じように強く咬み返されて痛い」という経験をすることで、咬む力を調節する事を学びます。
しかし、親元を離れ人と暮らすようになり、人を噛んでも楽しそうに遊んでくれるようになれば、「噛むことは良いことだ」誤解してしまう恐れがあります。
先述したように、社会化期にこのような認識をさせることは、将来攻撃行動という厄介な問題行動に結びつく可能性があり非常に危険です。
犬が今の時期に「咬みつく力の調整」を学ばなければいけないという事を意識して対応しましょう。
仔犬がじゃれ合っている時に、指を嚙んでくるようになっても、叩いたりしてはいけません。
指に歯があたったら、「痛い!」と大きな声を出し、遊びを中断します。
10分ほど無視します。
しばらくして遊びを再開します。
ここでまた指に歯が当たったら声を出し遊びを中断し、「指を噛んだら遊んでくれなくなる」ということを覚えさせます。
ここで大切なのは、噛み癖が治るまで、家族でやり方を統一することです。
まとめ
いかかでしたか。
仔犬の時期はあっという間のわりには、やっておいた方が良いことが沢山あって飼い主さんも大忙しですね。
たっぷり愛情をかけて、楽しいペットライフを送ってください。