ヨークシャーテリアと信頼関係を築く5つのステップ

小さくてかわいらしいヨークシャテリア。
毛も抜けずらく、散歩もごはんも少なく飼いやすい犬種として人気があります。
しかし実は負けん気が強く頑固な一面もあり、しつけを間違えると成犬になってからも無駄吠えや噛み癖に悩まされることもあります。
「こんなはずじゃなかった」という事態にならないために、愛犬といい関係を築くためのトレーニング『ルックアップ法』を紹介します。

1.ヨークシャテリアのしつけは難しいの?

笑顔のヨークシャテリア

  • ヨークシャテリアは負けん気が強いので、しつけには飼い主さんの根気強さがいる。
  • 好奇心が旺盛で、お利口さんなので、上手に褒めて教えれば、色々なことを覚えてくれる。

ヨークシャテリアの歴史をさかのぼると、工場でネズミをとるために配合された犬種です。
そのため活発で負けん気く、自己主張が激しい一面もあります。
気に入らないことがあれば、自分よりも大きな体の犬に向かっていくこともあります。

しかし主人として定めた人には、深い信頼を寄せます。
頭もいいので、たくさん褒めて学習させてあげれば、しつけがいのある犬と言えるでしょう。
しっかりと信頼関係を築くことができれば、しつけがしやすく、逆に下にみられてしまうと苦労することが多いようです。

2.犬とってのリーダーって?

ヨーキーと散歩

・犬にとってのリーダーとは『自分を守ってくれる強い存在』

犬は頼れるリーダーの下で生活することに安心を感じ、その命令に従い、そして褒められることに大きな喜びを感じる動物です。
飼い主さんは、愛犬から群れのリーダーだと認識されるように振る舞う必要があります。
たとえどんなに可愛くても、人間と同じような食事を与えたり、上下関係がはっきりしないうちから同じベッドで眠ったり、特定の場所の占有を許したりといったことはせずに、人間と犬との間の線引きを明確にしましょう。
常に飼い主さんが主導権を握ることも重要です。

遊ぶ時も犬にせがまれるままに遊ぶのではなく、始めるのも止めるのも飼い主さんの意思で行ってください。
また、部屋や車に入る時は必ず飼い主さんが先に入るようにしましょう。
善悪の区別については常にはっきりと、明確な基準を持って接するようにしてください。
同じことをしても飼い主さんの気分次第で怒られたり怒られなかったりすれば、犬も混乱しますし、何よりもリーダーとしての信頼を失います。
しつけについて、家族の間でしっかり話し合い、同じ基準を共有することも大切です。

3.信頼関係を築く『ルックアップ法』5つのステップ

犬と飼い主

犬のしつけの基本は褒めることですが、それもリーダーとして認めている人から褒められるからこそ意味があるのです。
まず飼い主としてのリーダーシップを確立するために『ルックアップ法』というトレーニングをすることをおすすめします。
しかし、このトレーニングは途中で中断すると、犬が飼い主よりも偉いと勘違いして逆効果になってしまいます。
必ず最後までやりきる根気と、充分な時間が必要です。

<step.1>愛犬を仰向きにする

お腹を見せる犬
  1. まずは愛犬を膝の上に仰向けにし、前足をしっかり持ちます。
  2. 激しく抵抗されると思いますが、そこは押さえこみます。
  3. 一人で抑えられない時は家族や友達に手伝ってもらいましょう。
【ワンポイントアドバイス】
・愛犬が噛みに来たら、口を下側から強く閉じ押さえます。
犬の鼻筋は強く押さえてはいけません。(呼吸をしているので危険です)
必ず下から押さえるようにしてください。

・叱るときは絶対に愛犬の名前を呼ばないように気をつけてください。

<step.2>前足をしっかりと持ち叱る

犬を叱る
  1. 前足をしっかりと持ち、暴れたら怖い顔と声でしっかりと叱ります。(この時に前足は横に大の字に開かないように)
  2. 暴れるている数分間は叱り続けます。
  3. 愛犬が「クーンクーン」と鳴いても、静かになるまで叱ります。

<step.3>抵抗がおさまったら褒める

  1. 抵抗がおさまったら、仰向けにしたまま優しく褒めます。
  2. 赤ちゃんを寝かしつけるように優しく静かに褒めます。
  3. 数分後にまた暴れ出すこともあるので油断がしないようにしましょう。
【ワンポイントアドバイス】
褒める時は愛犬の名前をたくさん呼びましょう。
また、大きな甲高い声で褒めると愛犬が興奮してしまうため、落ち着いた声と笑顔で接するといいです。

<step.4>犬の嫌がりそうなところを触ってみる

犬の嫌がる事をする
  1. 耳、口の中、爪、お尻など犬の嫌がりそうなところを触ります。
  2. 抵抗したら叱り、抵抗しなければ褒めます。
  3. 褒めた後、嫌がったところを再び触ります。
  4. 暴れたら叱り、暴れるのをやめたら褒めるを、また同じところを触ります。
  5. 嫌がっていたところを触っても抵抗しなければ、優しく褒めます。
  6. 愛犬が半目になり、寝息をたてるようになるまで褒め続けます。
【ワンポイントアドバイス】
犬が抵抗している間は、絶対に手を離してはいけません。

<step.5>声をかけて解放する

  1. 目を開いている間はまだ脱出の機会を狙っているので、解放せずに褒め続けます。
  2. 完全にリラックスして、どこを触っても嫌がらなくなったらOKです。
  3. 完全におとなしくなったら「ヨシ!」と言い解放する。
【ワンポイントアドバイス】
しっぽをお腹側に丸めている時は、怖さだけ伝わり優しさが伝わっていません。
優しい声と表情で愛情を伝えましょう。

ルックアップ法出典:『犬の頭がグングンよくなる育て方』著:三浦健太

最後に

ルックアップ法は、仰向けにした途端にリラックスするようになったら、もう一生やらなくていいトレーニングです。
ヨーキーは歯磨きやブラッシングなど体のお手入れを生涯通じて行っていくので、早い段階で飼い主に身をゆだねる信頼関係をつくっておくといいでしょう。

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