1.基礎知識
(1)性格
・活発・遊び好き
・勇敢で冒険好き
・負けん気が強い
・頑固
ヨークシャーテリアは賢く勇敢で、負けず嫌いな典型的「テリア気質」を持っています。 元々ねずみをとる狩猟犬だったので、少々気が強い部分がありますが、しつけしだいで直すことができます。 ただし、頑固な面があるのでしつけには忍耐力が必要となるでしょう。 慣れてくると甘えてじゃれてきますので、一緒に遊ぶ時間を作ってあげることでストレス発散になります。 お子さんがいる家庭は良き遊び相手となるでしょう。詳細は以下記事をご参照ください。 ヨークシャーテリアはどんな性格なの?! |
(2)毛色
JKC公認カラーは「ダーク・スチール・ブルー&タン」の1色だけですが、それ以外にも様々なカラーがあります。- ブラック×タン
- ブラック×ゴールド
- スチールブルー×タン
- スチールブルー×ゴールド
以下の記事も併せてご覧ください。 「動く宝石」の名前の由来、ヨークシャーテリアの色(カラー)とは |
(3)大きさ
・体高:18~23㎝前後
・体重:2~3Kg以内
JKC(一般社団法人ジャパンケネルクラブ)が公認する犬種でチワワに次ぐ小型犬種とされているだけあり、とても小さい犬種です。 しかしこのサイズはあくまでも平均的な大きさを数値化しただけで、全てのヨークシャーテリアがこれくらいの大きさや体重の成犬に成長するとは限りません。 ヨークシャーテリアは犬の中でも、成犬になった際の個体差が非常に大きい犬種なのです。 成犬になっても体重が2㎏に満たない子もいれば、逆に7㎏を超えるようなかなり大きめの子もいます。 小型犬というのは一般的に5~10㎏程度の犬を指しますので、7㎏といえば小型犬の中ではかなり大きい部類になります。 ヨークシャーテリアは成犬でも小さな個体と大きな個体とで体格の差がある犬種なのです。以下の記事も併せてご覧ください。 ヨークシャーテリアを迎えるためにできることとは この子!ヨークシャーテリアを選ぶ時の大事なポイント ヨークシャーテリアを飼うにあたり、向いている人ってどんな人? この子!ヨークシャーテリアを選ぶ時の大事なポイント |
(4)寿命
・13~16歳
ヨークシャーテリアの平均的な寿命は13歳~16歳と言われています。 人間の年齢に換算すると65歳~80歳くらいです。 しかしこの寿命はあくまでも平均的なものであって、個体差があることは覚えておきましょう。 17歳を超えても元気という子もたくさんいます。 一日でも長生きできるために、日頃から健康管理をしてあげましょう。(5)歴史
・19世紀中ごろに、イギリスで工場のねずみを取るために作られる。
・スカイ・テリア、ブロークンヘアード・テリア、マルチーズなどの血を受け継いでいる。
・19世紀の上流階級の貴族の「抱き犬」として人気になり、さらに小型に改良される。
ヨークシャ―テリアといえば、日本ではマルチーズと並ぶお金持ちの家の犬というイメージが強いですが、歴史を紐解くと労働に従事するために作られた犬でした。 19世紀中ごろ、産業革命によってイギリスでは紡績工場が瞬く間に増えました。 工場には大量のねずみが住み着き、その悩みを解消すべく、賢く活発な狩猟犬の配合に励みます。 スコットランドの移民が持ち込んだウォーターサイド・テリアという犬と、元々工場があったヨークシャー地方にいたテリア犬などを交配させて作出されたのがヨークシャーテリアです。 当時は6~7Kgほどの中型犬だったといいます。 のちに、その被毛の美しさからビクトリア朝後期の貴族や富裕層の婦人たちの目に留まり、愛玩犬としてブームとなりました。 貴族女性がアクセサリー感覚で抱けるよう、より小型化が進み、より美しく優雅な被毛が追求され、現在にも残るヨークシャーテリアの姿が出来上がっていったといいます。 その後、世界中に輸出され、長きにわたり愛犬家たちを魅了しつづけています。2.家族になる方法
(1)値段の相場
・相場は15~20万円
・親がドッグショーのチャンピオンだと200万円することもある。
仔犬の価格に定価というものはありません。 それぞれのブリーダーやペットショップが、市場の相場や需要と供給、犬質によって価格を設定します。 10万円以下で購入できる子もいれば、親がドッグショーのチャンピオンの仔犬だと200万円する子もいます。 一般的な条件(実績のあるブリーダーから購入、健康診断済、生後6ヶ月以内での引き渡し)だと15~20万円ほどです。 ヨークシャー・テリアは、数多くいる犬種の中でも、特に価格の幅が広いといわれています。 何故ここまで差があるのかというと、その理由は被毛や毛並、毛色にあります。 ヨークシャー・テリアの評価は被毛によって大きく左右されており、親犬の被毛が良質だったり、成長とともに美しい被毛になる可能性がある仔犬は、それが価格にも反映されます。(2)ペットショップから買う
購入方法のひとつめは、まずペットショップです。 ヨークシャー・テリアは定番の犬種ともいえますし人気も高いので、比較的ほとんどのペットショップで販売されています。 ペットショップのメリットは、店舗数が多いため足を運びやすく、気兼ねなく見れることです。 ペットショップで購入する時は、ひとつのペットショップだけで決めるのではなく、いくつかのペットショップを回り、それぞれの仔犬との相性をチェックしたり、ペットショップの雰囲気を見ることも大切です。 信頼できるペットショップを見極めるため、いくつか確認すべきことがあります。- 登録業者の標識が店内にあるか
- 店内の清掃がきちんとされていて、仔犬の展示スペースも清潔感があるか
- 仔犬たちが遊べる場所があるのか
- 仔犬たちの体がきれいに保たれているか
(3)ブリーダーから買う
次に、ブリーダーから購入する方法もあります。 国内にもヨークシャー・テリアのブリーダーはたくさんいるので、飼いやすくて便利だと思われるかもしれませんが、ブリーダーが多いとそれだけ悪質な殖屋も存在するので注意しましょう。 下記にブリーダーを判断するうえで必要なポイントをまとめました。- 長期に渡り繁殖させている犬種がいるか
- 少数の犬種だけを取扱っているか
- デメリットまできちんと説明をしてくれるか
- 犬舎の清掃が行き届いていて、親犬の面倒も見ているのか
(4)里親になる
保護犬を家族に迎え入れるのも、近年は一般的な選択肢となってきました。 捨てられたり、何らかの理由で保護された犬や猫を、新しい「家族」へ引き渡すことで殺処分を少しでもなくそうという制度が、里親です。 成犬がほとんどですが、その方が性格や癖が分かるため、飼い主さんのライフスタイルや相性を踏まえて、本当に合った子をみつけることができるメリットがあります。 生体代は発生しませんが、保護していた間の医療費等が含まれる譲渡金を3~5万円支払うのが一般的です。 人気のある犬種は、飼われることが多い反面、保護されることも多いのが現状で、引き取られることがなかった犬や猫は、殺処分の対象になってしまいます。 ヨークシャー・テリアも人気の犬種なので、数多くの犬が保護されています。3.飼い方
(1)しつけ
ヨークシャーテリアは負けず嫌いで自己主張が強い一面があります。 そのため、しっかりと主従関係を築くことができないと、無駄吠えや噛み癖に悩まされることになります。 小さいうちから、愛情と厳しさをもってしつけてあげましょう。 その際に、以下のことを徹底しましょう。- 愛犬が指示を実行できたら、すばやく褒める
- 叱った時は、やめさせた後すぐに褒める。だらだら叱らない。
- 2種類の褒め方を使い分ける
(2)お手入れ
ヨークシャーテリアの美しさと件子を保つためには日々のお手入れが必要不可欠です。 それぞれのお手入れの頻度の目安は、以下のとおりです。 個人差があるので、歩くときに爪がカチカチという音がしたリ、お尻を気にしている様子があれば、その都度行ってあげましょう。シャンプー | 1ヵ月に1回、梅雨~夏場は2週間に1回 |
被毛のカット | 1ヵ月に1回 |
肛門腺絞り | 1ヵ月に1回 |
爪切り | のびたら切る(お散歩が多ければ1ヵ月に1回、少ないければ1週間に1回) |
歯磨き | 理想は毎日。少なくとも3日に1回 |
耳そうじ | 3日に1回 |
ブラッシング | 毎日 |
ヨークシャーテリアのケア方法について、詳細は以下をご参照ください。 |
(3)散歩
・10~15分の短い時間でも、お散歩をしましょう。
・理想は朝晩2回
・雨の日はお家の中で遊んであげましょう。
ヨークシャーテリアはもともと狩猟犬だっただけに、とても好奇心が強く活発ではありますが、散歩の時間や距離は他の犬種よりも短めでOKです。 一日に10分から15分ほどで十分です。 できるなら一日に二回散歩にいけると理想的です。 人間よりも低い位置にいるペット達はアスファルトの熱の影響を受けたり、足裏を火傷してしまうこともあるので夏場は熱い時間帯は避けるようにしましょう。 真夏は朝夕といった、人間にとっても気持ちいいと感じることのできる時間帯に散歩をするように心がけましょう。 また、雨が続いてなかなかお散歩に行けない時は、室内でボール遊びや引っ張り合いっこをすることで、運動不足とストレスを解消してあげるのがいいですね。(4)温度管理
・犬が快適に感じる環境は気温18~22度、湿度40%~60% ・ヨークシャテリアは暑いのも寒いのも苦手
ヨークシャテリアの被毛はシングルコートという季節による毛の生え代わりがない種類のため、温度調節が苦手な犬種です。 ですから飼い主さんが、一年を通して温度管理をしてあげる必要があります。 湿度が低すぎても高すぎても、犬にとってもあまり好ましい環境ではありません。 夏場はエアコンや除湿器で室内を涼しく、湿度を防ぎましょう。 湿度が高いとダニや耳の病気のリスクを高めてしまいます。詳しくはこちらの記事をご覧ください。 |
詳しくはこちらの記事をご覧ください。 |
4.かかりやすい病気
(1)膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)
多くの小型犬に共通しますが、後ろ足の膝のお皿がずれてしまう、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)には注意したいですね。 重度の場合は歩けなくなってしまいます。 先天性の場合が多いですが、関節に負担をかけない工夫をすることで予防をしてあげられます。対策についてはこちらの記事をご覧ください。 知らなきゃマズい!フローリングから愛犬の足腰を守るためにしてあげられること |
(2)門脈シャント
ヨークシャー・テリアに起こりやすい病気として、門脈シャントが知られています。 先天性の肝臓の病気です。 腸管から吸収されて肝臓に運ばれ、解毒されるはずの毒素が、シャント(余分な血管)により、肝臓で処理されないまま体内に回ってしまい、無治療の場合は死に至る病気です。 多くは2才くらいまでに発症します。 食欲不振、おう吐、下痢やふらつきなどが見られたら、早めに受診しましょう。(3)気管虚脱
何らかの理由で気管が本来の形を保てなくなり、途中でつぶれてしまう病気です。 詳細な原因はわかっていませんが、遺伝もひとつの要素とされています。 気管虚脱を起こすと気流がうまく通過できず、ガチョウ様咳と呼ばれる、ガーガーという咳をします。 興奮時や暑い時に悪化しやすく、呼吸困難で亡くなることもあります。 気管虚脱は根治の難しい病気で、生涯付き合っていかなくてはなりません。 急性の呼吸困難を起こしたら、酸素吸入などの緊急処置を行ないます。 その後は、内科治療で維持します。 体重管理を徹底し、首輪でなくハーネスを使って首に負担をかけないなどの日常のケアが大切ですこちらの記事も合わせてご覧ください。 首輪?ハーネス?ヨークシャテリアの散歩にはどっちがいいの? |