トイプードルは犬の中で2番目に賢い犬種と言われるほどお利口な犬です。
たっぷり愛情を注ぎ、上手に教えてあげれば、あなたのことを信頼し、きちんとルールを守って生活してくれるでしょう。
今回はトイプードルの特性を踏まえた上での、しつけ方のコツやポイントをご紹介します。
是非愛犬との楽しい生活に役立ててみてください。
1.しつけの基本は「褒める」
・犬を暴力で従わせると、優秀な番犬にはなるが、人を怖がるようになる。
・飼い主さんが喜ぶから、犬も嬉しくてルールを覚える。
昔は犬のしつけは叩いたり、暴力をふるうフリをしたりして物事を体で教えていました。
そうすると当然、犬は人を怖がるようになります。
知らない人が来ると、不安で、吠えたり噛みついたりするようになってします。
昔の日本の犬の役割は番犬だったので、暴力で恐怖を植え付け、優秀な番犬をつくることはある意味では理にかなっていたのかもしれません。
しかし、現代は犬を家族として共に生活させ、社会にも適応できるようにする必要があります。
無駄吠えを止めさせたり、興奮して危険な時は「まて」や「おすわり」などで行動を制御する必要があります。
その他にも人間との共同生活では覚えておきたいことがたくさんあります。
それには恐怖で従わせるよりも、人間を信頼し、従った方が身の安全が確保されると犬に思わせることが重要なのです。
犬はみな飼い主さんのことが大好きです。
何故ならば、飼い主さんは同じ家族という「群れ」として暮らしている犬にとって、自分の身を守ってくれる一番のリーダーだからです。
自分の信頼するリーダーから認められ、褒められることは、愛犬にとっては何事にも代えがたい喜びなのです。
時には叱る必要も出てくるとは思いますが、基本は褒めて教えるのが有効です。
2.上手な褒め方
・愛犬の触られて嬉しい場所を知る。
・飼い主さんが形だけではなく心から喜ぶ。
しつけの本を読むと、それぞれに「大げさに喜んだ方がいい」「しずかに一言だけ褒めた方がいい」など、まちまちなことが書いてありますよね。
これはどちらが正解というのは、あなたの愛犬の個性によります。
同じトイプードルでも大げさにヨシヨシしてもらいたい子もいれば、しっとりと優しく触って褒めてもらうのが好きな子もいます。
なでる場所もおでこが嬉しい子もいれば、首筋や好きな子もいます。
愛犬と触れ合う中で、どんな声のトーンや触り方が好きなのか、よく観察してしつけに取り入れていきましょう。
そして、褒める時はおやつや形式に頼らず、飼い主さんが心の底から喜ぶことが重要です。
犬は飼い主さんが喜んでいるのを何で判断しているかというと、声のトーンや表情もそうですが、一番は「におい」という説があります。
飼い主さんが心から喜んだ時に出る「におい」を犬は嗅ぎわけることができるのです。
しつけをするときには、飼い主さんが心から褒めることが、何よりの愛犬の上達になるのを覚えておきましょう。
3.主従関係をつくろう「ルックアップ法」
・飼い主さんが愛犬のリーダーだと認識させるトレーニングをしよう。
褒める重要性は分かっていただけたと思いますが、ではどうやって主従関係をつくるのでしょうか。
犬は主従関係のもとで行動する動物です。
自分よりも下だと位置づけている人の言うことは何も聞きません。ブラッシングもさせてくれないようになります。
しかし一方で、犬にはコンプレックスや上位欲求がないので、家族の中で最下位になることを嫌がりません。
何故ならば、犬の群れの世界では、下の方がよりたくさんの犬に守られるからです。
犬とって重要なのは、誰かの上に立つことではなく、自分の安全を守ってもらえるかどうかです。
したがって、犬に飼い主さんが上なんだと認識させるようなトレーニングをすると有効です。
①愛犬を仰向けにして、前足をしっかり持ち、おさえて叱る
・まずは愛犬を仰向けにして膝の上に載せます。
・激しく抵抗したり、噛みにきたら家族に押さえるのを手伝ってもらいましょう。
・前足は大の字に開きすぎないようにします。
・暴れたら前足をしっかり持ち、怖い顔と声でしっかり叱ります。
・数分間は暴れますが、叱りながら諦めるのを待ちます。
・叱るときは名前を呼ばないようにしましょう。
・噛みついてきたら、下あごからしっかり口を閉じておさえます。
・「クーン」と鳴いても叱ります。
②抵抗しなくなったら褒める
・静かになったら、そのままの姿勢で赤ちゃんを寝かしつけるように褒めます。
・穏やかな口調で、愛犬の名前をたくさん呼んで褒めましょう。
③愛犬の嫌がりそうなところを触る
・姿勢は仰向けまま、耳や口の中など、嫌がりそうなところを触ります。
・抵抗したら叱り、抵抗しなければ優しく褒めます。
・褒めた後に、また嫌がった場所を触ります。
・暴れたら叱り、暴れるのをやめたら褒めるを繰り返します。
・愛犬が半目になり、うとうとするまで続けます。
・抵抗する間は決して解放してはいけません。
④どこを触っても抵抗しなくなったら解放する
・どこを触っても抵抗しなくなり、うとうとしてきたら「よし」などと褒めて解放します。
・目が開いてる間は脱走を狙っているので解放してはいけません。
ルックアップ法のポイント
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4.しつけのポイント3つ
主従関係ができたら、様々なルールを教えていきます。
その前にしつけの基本3原則を心得ておきましょう。
- 愛犬が指示を実行できたら、すばやく褒める
- 叱った時は、やめさせた後すぐに褒める。だらだら叱らない。
- 2種類の褒め方を使い分ける
例えば「おすわり」と言って、愛犬が座ったら、すかさず褒めます。間を空けないことが重要です。
そして、叱って愛犬が言うことを聞いたら、すぐに褒めます。
2種類の叱り褒め方とは「愛犬のテンションを上げる褒め方」と「落ち着かせるための褒め方」です。
それぞれのしつけによって使い分けていきましょう。
5.おすわり
①愛犬に「おすわり」または「座って」と1回だけ声をかけます。
②すぐに座らせます。座らない場合は、お尻を押して座らせます。
③座ったらすかさず褒めます。
おすわりのポイント ・「おすわり」の声はできるだけ優しい声でかける。 ・言葉をかけてから褒めるまでの間を短くする。早いほど気持ちが伝わります。 ・褒める時は毛並みにそって優しく撫でおろし、大げさな声を出さないようにしましょう。 ・褒める時は愛犬の名前を何度も呼びます。 |
6.おいで
①リードをつけて、リードいっぱいの長さまで離れます。
②優しく「おいで」と声をかけます。
③素早くリードをたぐりよせます。
④すぐに愛犬を褒めます。
⑤どんどん離れる距離を長くして、同じことを繰り返していきます。
おいでのポイント ・手を叩いたり、おやつでつったりしないこと。 ・声をかけてから、呼びよせ、褒めるまでの時間が短いほど効果があります。 ・完全においでができるようにるまで、絶対にリードを離さないでください。 |
まとめ
いかがでしたか。しつけの基本的なことの解説でした。トイプードルは他の犬に比べて体のケアを多く必要とする種類です。
そのため、子犬の頃からしつけの一環としてコミュニケーションを取りながら体に触られることに慣れさせておくことで、ブラッシングや歯ブラシなどのケアを行う時も嫌がることがなくなります。
また、 トイプードルは非常に頭の良い犬といわれていますが、頭が良いことで逆に相手を良く観察して人によって態度を変えるといった特徴もみられます。
そのため、しつけを行った際にこちらの支持にちゃんと従うことができたらしっかりと褒めてあげることが大切です。
褒めてあげることで飼い主に褒められたいという気持ちでより一層頑張って覚えようとしてくれます。
そんな健気な姿をみたら可愛さが増してしまいますね。
しつけを通して、トイプードルとの絆を深めていきましょう。