一日でも愛犬と長く暮らしたいですよね。
かかりやすい疾患を十分理解したうえで、上手にケアし長生きさせてあげましょう。
1・ヨークシャーテリアの寿命はどのくらい?
・13~16歳
ヨークシャーテリアは、一般的な小型犬と同様、14~16年が平均的な寿命と言われています。
ただし個体によって差があり、20年近く生きる子もいます。
寿命の差は、遺伝的なものを除いては、毎日の程度な運動と、バランスのとれた食事、病気の予防が長生きの秘訣のようです。
2.ヨークシャーテリアがなりやすい病気と対策
(1)気管虚脱
「気管虚脱」は気管が押しつぶされ、正常な空気の流れが行われなくなる状態をいいます。
呼吸困難を起こす恐れがあるので注意が必要です。
症状:運動時にガッガッというアヒルのような潰れた声が出る。
落ち着きがなくなる。
よだれが多くなる。
原因:
遺伝・肥満・加齢・首輪による器官の圧迫
治療:
咳止めの薬や、気管を拡張する投薬治療。
重度の場合はステント(網目状の筒)を挿入する外科手術を行う。
対策:
- 肥満により気管が圧迫されるのを防ぐ為、適度な運動と食事管理をする。
- 散歩は首輪よりもハーネスを使用し、負担を軽減する。
- 暑いと症状がでやすいため、夏場は涼しい時間帯に散歩をする
- 室内の温度・湿度管理をする
(2)皮膚病
ヨークシャーテリアの様な長毛種は、皮膚病全般にかかりやすいので、日ごろからブラッシングで肌の状態を観察してあげましょう。
症状:ノミ・ダニが発生したり、発疹ができる、膿が出る等、皮膚のトラブル全般。
原因:
被毛が長い為、肌の通気性が悪く、皮膚に菌が溜まりやすい
対策:
痒がっている時は毛を掻き分けて皮膚をチェックする。
皮膚病を発見したら動物病院を早めに受診。
予防:
- 梅雨~夏は2週間に1回、それ以外の季節は月に1度シャンプーをする
- トリミングサロンで定期的に毛を短くカットする。
- 毎日のブラッシングを日課とし、異常に気づけるようにする。
(3)低血糖症
血液中の血糖が少なくなることで細胞への栄養補給がうまくできなくなる状態をいいます。
症状:常にぐったりし、散歩にも行きたがらなくなる。
ひどい場合には痙攣をおこしたり、意識がもうろうとした状態になる。
原因:
幼犬(生後3ヶ月まで)では肝臓に血糖を蓄積する能力が低いため、6時間程度の絶食でも低血糖を起こすことがよくある。
成犬の場合は、消化管内寄生虫、ストレス性腸障害、パルボウィルス感染、食事を長時間取れない、下痢や嘔吐の繰り返し、寒さによるエネルギー消耗などが挙げられる。
対策:
ヨークシャテリアは体質的に低血糖症を発症しやすい犬種なので、普段から血液検査を受けておきましょう。
症状がひどい意識を失っている場合の応急処置は、ガムシロップを頬の内側に塗り付けて、すぐに獣医師に相談しましょう。
予防:
- 子犬の場合は常に暖かくして授乳の回数を増やします。
- 成犬は、空腹時に激しい運動をさせないようにしましょう。
(5)膝蓋骨脱臼
膝蓋骨とは、ひざのお皿の骨です。
通常、膝蓋骨は大腿骨(ももの骨)にある滑車溝というくぼみの中にはまっていて、ひざの関節のなめらかな動きに役立っています。
これが何らかの理由でズレてしまうのが膝蓋骨脱臼です。
症状:歩くときに片脚でケンケンするような動きをする。
重度になると、足が曲がり歩行が困難になります。
原因:
先天性のものと後天性のものがある。
先天性のものでは、生まれつき膝関節のまわりの筋肉や骨・靭帯の形成異常などがあることが挙げられる。
ヨークシャ―テリアは遺伝のケースが多い。
また、後天性のものでは、打撲や高所からの落下などによる外傷などが原因となる。
対策:
少しでも愛犬の歩く様子がおかしいと思ったら、獣医師に相談する。
治療:
初期ならば投薬や安静でもとの生活に戻ることができるが、進行してくると自然治癒は無理なため外科手術する必要がでてくる、
予防:
- 室内のフローリングに、滑らないようマットなどをひく。
- 階段の昇り降りを避ける
- お気に入りのソファーに、スロープを設ける。高さがある場所から飛び降りをさせない。
膝蓋骨脱臼の詳しい内容はこちらの記事を参考にしてください。
歩けなくなることも…ヨークシャーテリアがかかりやすい『膝蓋骨脱臼』とは?
(5)その他
以上の他には、心疾患やガン等の病気が考えられます。人間と同じような病気に犬もなるのです。
犬の病気を予防する方法もまた、人間と同じ考え方で良いと思われます。
肥満予防の為の運動や年齢に合った食事、定期的な健康診断を心掛ける事が大切です。
ただし、人間と犬は体のつくりが違いますから、人間の食べ物をそのまま犬に与えたり、人間基準で犬の生活環境を考える事は危険です。
ヨークシャーテリアのような小型犬では尚更ですよね。
また、病気予防の観点から去勢・避妊をする飼い主さんもいらっしゃいますが、これも賛否両論あり、結果論としては”その子とどのような生活をしていきたいのか”という個人のライフスタイルに関わる問題となってきますので、検討される方は獣医師とよく相談して決めて下さい。
最後に
愛犬の変化に気を配る事が病気の早期発見と早期回復につながります。その為には愛犬とたくさん遊び、スキンシップする事が一番有効な方法なのです。