1.暑い夏は犬の大敵
犬は元々北方の生き物のため全身毛で覆われており、人間よりも寒さには強いですが、その反面暑さは苦手です。
犬の毛はダウンジャケットのようなものなので、人間と犬とでは体感温度が全く違います。
人間が暖かいと感じるとき、犬は暑いと感じているので、人間が暑いと感じる夏場は犬にとってはサウナに入っているような感覚と同じなのです。
シベリアンハスキーやサモエドなどの寒冷地原産の犬種、シェトランドシープドッグやグレートピレニーズといった被毛が厚い犬種、パグやシーズー、フレンチブルドッグなど鼻腔が狭く短く外気温を直に吸ってしまう短頭犬種は特に注意が必要です。
また、体力のない幼犬や老犬、体調がすぐれない犬、肥満体型の犬も暑さに弱いことがあるので要注意です。
2.汗(汗腺)の種類について
犬も人間と同じように汗をかきますが、二種類の汗があります。
一つ目はエクリン腺という汗腺でかく汗です。
エクリン腺は体温調節をする汗腺として知られていますが、犬にはこのエクリン腺が足の裏や鼻先などの一部にしかありません。
二つ目はアポクリン腺です。人間でいうところの脇からかく汗に相当します。
犬はこれが全身にありますが、体温調節よりもフェロモン的要素の方が強く、自立神経によるものが大きいとされています。
3.犬の汗の考え方って?
従来、犬の汗腺は肉球と鼻先の一部にしかないということで、口からハアハアと息をだして体温調節をすると考えられてきました。
そのため「犬は汗をかかない」と言われてきました。
しかし最近では犬は全身にあるアポクリン腺から汗をかくと言われています。
個体差はあるようですが、暑いときに全身がしっとりとする犬もいます。
汗をかくといっても人間ほどの発汗はできず、
冷却効率もあまりよくないので適切な体温管理が必要です。
まずは十分な水分補給が大事です。
また、衛生面でも注意が必要です。
犬の皮膚や被毛は弱酸性と言われていますが、暑い夏場ではアルカリ性になっていまうことがあります。
アポクリン腺からの汗には皮脂も含まれているので、菌の増殖につながり皮膚病の原因にもなりかねません。
体臭の原因にもなります。
愛犬が汗をかいていると感じたらシャンプーなどで汗や汚れを落としてあげたり、こまめにブラッシングをかけて不要な毛を取り除き、被毛を清潔に保つことも大切です。
最後に
犬は人間よりも暑さに弱く敏感で、自由に環境を選んで住むことができません。
人間と犬の体感温度の違いを理解し、できるだけ快適な環境で愛犬を過ごさせてあげましょう。
獣医師さんによると、梅雨から夏にかけては週に1度のシャンプーでもよいそうです。