はたしてマルチーズはどのくらいの睡眠時間が適量となるのでしょうか。
1.マルチーズに必要な睡眠時間
人間の大人に必要な睡眠時間は6時間から8時間だといわれています。
しかし忙しい現代人の平均睡眠時間は6時間前後ということろでしょうか。
実はマルチーズに必要な睡眠時間は12時間~15時間だといわれています。
健康な成犬のマルチーズであれば最低でも12時間は睡眠が必要です。
超大型犬のセントバーナードやマフティフは、多くのエネルギーを消費するので、もう少し睡眠は長くなり15時間の睡眠が必須となります。
人間の大人の平均睡眠時間を6時間だとすると犬は二倍以上の睡眠時間が必要だということになりますね。
2.睡眠のメカニズムは人間と似ている
犬の長い睡眠時間を分析すると2つの睡眠パターンがあることがわかります。
体は休まっているが脳が起きている状態であるレム睡眠と、体も脳も休んでいるノンレム睡眠です。
レム睡眠は浅い眠りともいわれ、夢を見ているときはこの状態です。
脳は起きているので、少しの物音でも起きることができます。
人の睡眠では睡眠の80%がノンレム睡眠で、残りの20%がレム睡眠であると分析されています。
これに対して犬の睡眠は、80%がレム睡眠で、ノンレム睡眠は残りの20%となっています。
そのため犬は人に比べて些細な物音や刺激で目覚めやすくなっています。
また、時間の長さは異なりますが、マルチーズの睡眠方法は人間と似ているところがあります。
ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しており、このうちのレム睡眠時に脳の中の整理をしたりしているそうです。
愛犬が寝ているときに寝ぼけながらワンワンと吠えたり、瞼がぴくぴくとしているのを見たことがあるかもしれません。
これは頭の中でいろいろな情報の整理をしたり、夢をみているからなのです。
3.犬の睡眠はどうして長いのか
このような長く浅い睡眠のとり方は犬が狩りをする動物であったことが基になっています。
野生のオオカミを祖先とする犬は、狩りをする動物です。
他の動物を走って捕まえるためには多くのエネルギーを消費します。
そのため犬は消費した体力を回復するために長い睡眠時間を確保する必要性か産まれ、活動の合間にどこでも眠るようになりました。
また、自らが襲撃される場合があるため、いち早く危険を察知できる能力が野生の犬には必要です。
微小な刺激でもすぐに気づいて行動ができるように、睡眠は浅いレム睡眠が多くなることが求められました。こうして犬の睡眠は長く、レム睡眠が主体となったと考えられています。
また、睡眠の内容には犬が夜行性の動物であったことも影響していると考えられています。
効率的に狩りをするには明るい日中よりも、身を隠しやすい夜間の方が犬には都合がよく、そのため夜行性の動物として進化してきました。
ですが、犬が人と暮らすようになることで、人の生活時間帯に合わせて行動をするようになり、従来活動をしていなかった昼間に加えて、人が眠る夜にも睡眠をとるようになりました。
そのため睡眠時間が長くなったともいわれています。
4.犬にとってよりよい睡眠環境とは?
(1)寝床をつくってあげる
快適な寝床の条件は以下のとおりです。
- 専用のスペースを用意し、サークルやケージなどで囲う。
- 寝床は適切な温度と温度が保てる場所にする。
- エアコンなどが近くにある場合には、直接当たらないように屋根を作る。
- 敷物はまめに洗濯するなどして、常に清潔な状態を保つ。
愛犬が可愛くて一緒にペッドで眠る飼い主も多いでしょうが、犬の睡眠には良い影響を与えません。
人と出会いパートナーとなる以前の野生の犬は、地面に掘った穴倉を巣とし、そこで寝ていました。
その性質はペット化した現在でも変わることなく受け継がれており、広い室内のベッドの上よりも、囲いがあって狭く薄暗い場所を犬は好みます。
このような場所を寝床として用意してあげることで、犬は安心して眠れるようになります。
(2)スキンシップをとってストレスを軽減する
- 毎日のブラッシングでスキンシップをとる
- 散歩を充分にさせて、運動不足にならないようにする。
- 環境の変化があった場合は見守ってあげる
また、寝床の問題以外にも犬は生活環境によって睡眠のバランスを崩しやすい動物です。
犬はストレスを感じやすく、環境の変化に非常に敏感です。
そのため引っ越しなどで住環境が大きく変化したときなどに不眠症状を起こしやすいです。
加えて運動不足のような場合にも、ストレスからしっかりとした睡眠をとることが出来なくなります。
起きている時間には散歩に連れていき沢山遊んであげることで、しっかりとした睡眠をとることができるようになります。
特に家に迎えいれたばかりの子犬には環境に馴染ませることが大切です。
子犬にストレスのない良い睡眠をとらせるためには、寝床の確保も大事ですが、あまり構いすぎずに放っておいてあげることが大切です。
飼い始めて1週間ほどはあまり触れないようにし、睡眠をとっているときはしっかりと眠らせてあげるようにしなければなりません。
子犬から遊びを仕掛けてきたときには、疲れさせない程度に遊び、甘えたそうな様子があるときには声をかけながら撫でてあげましょう。
犬にとって安心して眠ることのできる場所にし適切な飼い方をすることで犬は良質な睡眠がとれるようになります。
快適な睡眠をとることは躾にも関係しており、睡眠時間を確保して良質の眠りを取らせることで、ストレスの少ない躾のしやすい犬に育ちやすいです。
睡眠不足で集中力が続かない状態で躾やとレーニングを行ってもうまくいかず、犬も飼い主も更にストレスをためる悪循環に陥ってしまいます。
眠る時間が長いのに、起きている時間に元気がない場合には、このような寝床の環境を整えてみることをお勧めします。
それでも改善しない場合には、病気や寄生虫などの問題が考えられますので獣医師に相談してみるようにしましょう。
5.まとめ
私たち人間にとって睡眠が大切だというのは皆さんよく知っていることです。
しかし、現代社会の中で生きていると忙しさから睡眠時間を削ってしまうことも多々あることでしょう。
でも、気を付けていないとこのような生活スタイルから愛犬に悪影響を与えてしまうことがあるのです。
犬の睡眠には長時間の睡眠とともに、安心して眠れる環境が必要になります。
人間と同じように睡眠不足になると、イライラしたり怒りっぽくなる危険性があります。
たとえ夜に寝ているとしても、聴覚の敏感な犬たちは私たち人間のたてる雑音に囲まれて、質の良くない睡眠になってしまうこともあります。
なので、どうしても夜遅くまで仕事をしたり作業をしたりしなければいけない時は、マルチーズ用に睡眠場所を確保してあげることが大切です。
飼い主と少しでも一緒にいたがるのが愛犬マルチーズの可愛いところです。
それでも人間の都合で愛犬の睡眠時間を削ってしまってはかわいそうです。
大切な愛犬のためにきちんとした環境を確保してあげたいものです。
なんと20時間寝ている犬のストレス値はかなり低いという研究結果もあるほどです。
それほどマルチーズにとっては睡眠が大切なのです。
質のいい睡眠と十分な睡眠時間を愛犬に与えてあげられているでしょうか。
いまいちど愛犬のために確認してみましょう。