症状が深刻なときは命に関わることもありますが、正しい知識があれば予防することができます。
熱中症を知り、愛犬の熱中症対策を心がけ、安全にお留守番させてあげましょう。
もくじ
1.犬は人よりも暑がり!
・犬は暑さに弱い!
・犬の適温は18~22度、湿度40%~60%
夏の暑さは人間にとっても辛いものですが、全身毛を纏っている犬にとってはもっと辛いものとなってしまいます。
人間は汗をかいて体温調節をすることができますが、犬はそれができないので体の中に熱が溜まってしまうのです。
夏の室内は40度まで上がることもあります。
暑いままで放置していると、熱中症などの危険がありますから、愛犬が安全に過ごせるようにするために、室内の環境を整えていきましょう。
2.家の中の方が熱中症になりやすい
上の図は、ペット保険会社が行った「あなたの犬が熱中症になってしまったのはどんな状況でしたか?」というアンケートです。
お散歩中よりも、家の中で普通に過ごしている時が最も多いのは驚きですね。
「家の中のお留守番中」も14%と、3位にランクインをしているので、気をひきしめて対策をとっていきましょう。
3.夏のお留守番に気をつけたいこと
(1)直射日光は避け、風通しをよくしておく
愛犬のケージやサークルの場所は日なたではありませんか?
出かける時は日陰でも、太陽が傾いてきたら直射日光になってしまった・・・ということがないように気をつけましょう。
念のため窓とケージの場所は離しておくといいですね。
(2)エアコンを利用する時は過ごしやすい温度に
夏場にペットをお留守番させる時は、エアコンの除湿が弱冷房をつけていきましょう。
湿度が下がるだけでも体感温度は楽になります。
部屋の日当たりにもよりますが、最も暑い12~15時はタイマーをセットしておくのもありです。
しかし設定には十分注意しましょう。
最新のエアコンはエコのための人感センサーがついているものがあり、人の動きがないと自動で止まるという仕様です。
実際に、犬の大きさに人感センサーが反応せずに、留守番中に熱中症になってしまい亡くなるという痛ましい事故がありました。
最悪の事態にならないように注意しましょう。
(3)水をたっぷり用意しておく
犬も人同様、暑いと水をたくさん飲みます。
たっぷり用意しておきましょう。
誤って床にこぼしてしまい飲めない!ということにならないために、滑り止めの水入れを使ったり、2か所に分けて置いておくのもよいでしょう。
4.ひんやりペットグッズを使ってみる
環境を整えるといっても、部屋や庭を大改造するわけにもいかないですよね。
凍らせたペットボトルを置いておく家庭も多いですが、おもちゃが好きな子は噛みついて破壊してしまい、破片が誤飲の元になってしまうので、あまりおすすめはしません。
そこで、涼しさをプラスするためのグッズを取り入れていきましょう。
犬が熱い体を冷やせるようなグッズを常に備えておいてあげると、必要なときに利用してくれます。
そういった温度調節に使えるおすすめグッズを紹介していきます。
(1)ひんやりマット
ホームセンターやネット通販で『ひんやりマット』と呼ばれるものが多く販売されています。
マットの中にジェル状の保冷剤が入っていた李、金属でできていたりしますが、どちらも体を付けることによって冷たさを感じることができるものです。
いつも過ごす場所の近くに置いておくだけで良いです。
無理に使わせようと勧めなくても、必要であれば犬が利用してくれます。
クールアルミプレート
薄いアルミのプレートで、金属の冷たさを利用したものです。
床の冷たいところを探して歩くような子には向いています。
特に冷やさなくても、気温との差があると冷たく感じます。
金属の自然な冷え方を利用したものなので、冷やし過ぎないで済むというメリットもあります。
置いておくだけで良く、汚れたらふき取るだけでもいいお手入れの手軽さも魅力です。
ジェルクールマット
ジェル状のものが中に入っていて、それを冷やすことによって、触れた時に冷たさを感じさせるものです。
専用のカバーなどがついているものもあり、それに入れることでソフトな冷え方も実現できます。
カバーやジェルマットを洗い、冷やすという事が必要なので、比較的衛生に保ちやすい室内犬に向いた形のものであるということができるでしょう。
(2)人間用のアイスノン
ジェルクールマットに似たようなものですが、ペット用のものではないので、外側がそれほど強く作られていない場合もあります。
カバーがついていないものなどは特に爪や歯で破ってしまわないように注意しましょう。
冷やす場合は冷蔵庫などを使うので、ちょっと抵抗を感じるご家庭もあるかもしれません。
(3)保冷剤
ペットのために買うというよりは、食品などを買った時にもらえる小さな保冷剤をいくつか用意しておくとよいでしょう。
人間も使うことができますが、犬が熱中症などになった時、わきなどの血流が多いところに当てることで全身を冷やしやすく、応急処置に利用できます。
保冷材は無料でもらうものですから、汚れても使い捨てにもできて便利です。
5.暖をとれるスペースも忘れずに
意外と忘れがちなアイテムが暖かグッズです。
体を冷やすのに暖かいものは必要ないと思う方が多いかもしれませんが、冷えすぎてしまう事もまた体調不良につながりやすくなってしまいます。
特に冷房をかけている場合などは必要以上に体が冷えてしまう事も多いものです。
犬が寒さを感じたらちょっと暖をとれるように、ゲージやサークルの中にハウスや毛布を用意しておいてあげましょう。
6.こんな症状がでたら動物病院へ!
初期症状
犬の体温が40~41℃以上に上昇し、呼吸数と心拍数が増加します。
暑いところに連れだしたり、暑い日に閉め切った部屋などでお留守番させた後、パンディング(ハァハァという口呼吸)がおさまらなければ熱中症にかかっている可能性があります。
熱中症ではなく、ただはしゃいでハァハァ言っている状態の場合は、自分でお水を飲みに行ったり、冷たい床におなかをくっつけたりして、ちょっと体を休めてからまた遊ぶ、等の調整ができます。
犬がぼーっとしていて、ひたすらハァハァと荒い呼吸をしているようでしたら、熱中症にかかっている可能性が高いです。
すぐに体を冷やし、早めに動物病院に連れて行って下さい。
初期症状で対処ができれば助けられる可能性は非常に高いので、「熱中症かも?」と思ったら、躊躇しないで動物病院へ連絡しましょう。
熱中症が重症化すると、以下のような症状がでます。
- 下痢
- 嘔吐
- ふるえ
- 発作
- 意識不明
一般的に、熱中症の症状が現れてから30~60分以内に適切な処置を施せば予後は良好です。
しかし2~3時間経過し、体温が一端41度まで上昇して血便など重篤な症状が現れてしまった場合、完全な回復は見込めません。
飼い主さんの機転と行動力が犬の運命を左右する形となります。
すぐに動物病院につれていきましょう。
ペットライフから近所の動物病院を探すと便利です。
まとめ
いかがでしたか。
ちょっとした工夫やグッズで、熱中症は予防できることがお分かりいただけたでしょうか。
夏の愛犬のお留守番は万全の対策をして臨みましょう!