1.マルチーズはお留守番が苦手?
マルチーズはの性格は遊び好き、聡明、愛情深い、おおらかという特性があり、比較的飼いやすい家庭犬として親しまれています。
昔から上流貴族たちに抱き犬として愛されていた背景もあり、飼い主にだっこされたり、べったり甘えるのも大好きな特性があります。
しかし、四六時中一緒に居たり、甘やかしすぎると、今度は一人でいられなくなる『分離不安』という状態になってしまい、留守番ができなくなってしまうので注意が必要です。
もともと犬は、単独で生活する習性を持つ猫と異なり、昔から群れ単位で行動をしていたので、孤独な状況に慣れていません。
そのため、留守番をさせるのは大きなチャレンジとなります。
習性をよく把握し、訓練をさせて、愛犬と良い関係を築きましょう。
2.留守番をさせる前に見直すべきこと
愛犬に留守番をさせると、物を壊す、そこらじゅうに排泄をする、脚を噛むなどの自傷行為をする、過剰に吠えるなどの問題行動を起こしてしまうといったお悩みをよく聞きます。
そうすると「しつけ方」ばかりを気にされる方がいますが、そもそも飼い方に原因がある場合があります。
今一度見直してみましょう。
犬の3大欲求行動をご存知でしょうか。
①常に動き回ることのできる自由的空間
②探索行動の欲求(咬む・嗅ぐなどの犬本来のしぐさ)
③社会的な刺激
この3大欲求を満たしていない場合、もしくは過干渉でおこる『分離不安』から、問題行動がおこるといわれています。
(1)運動はたりている?
マルチーズは遺伝的に足の関節が弱いので、あまり長く歩かせるのも負担になります。
しかし、好奇心が旺盛で活発な一面もあるので、運動量が少なすぎてもストレスが溜まります。
一日に15~20分ほどだけでもお散歩に連れて行ってあげましょう。
散歩に行くことで、行動にニーズも一気に満たすことができます。
また、散歩は信頼関係を構築するための大事な時間でもあります。
携帯を見ながらや、音楽を聞きながら・・・という『ながら散歩』は、愛犬に無関心が伝わってしまうのでやめましょう。
どうしても散歩に行けない時は、室内でもしっかり遊ばせて運動させてあげましょう。
(2)スキンシップのとり方は大丈夫?
甘えん坊なマルチーズ。ついつい可愛がりすぎてしまいますが、過度なスキンシップは『分離不安』の原因になります。
飼い主の姿が見えないと吠え続けたり、留守番で一人になるとパニックになったりと、飼い主の行動範囲にも影響がでてしまいます。
家族みんなでいても、一人でそっしておく時間をつくったり、小さい時から短めの留守番をさせることで、放っておかれても飼い主は戻ってきてくれるという事を学習させてあげましょう。
3.留守番の準備
犬が留守番できるようになるためには、幾つかのポイントを教える必要があります。
まず、留守中に使うスペースのサークルやケージに抵抗なくいられるよう、その場所にいる面白さを理解させることが重要となります。
また、留守番を示すサインで犬を動揺させるのではなく、おやつのご褒美などでメリットをアピールしたり、飼い主が後で帰宅するということをきちんと理解させたりするのも大事な点です。
マルチーズのしつけにおいては、甘やかしすぎず、たくさん褒めることがポイント!
褒める時と叱るときはメリハリをつけましょう。
問題行動を起こそうとしている時やその最中に、はっきりと制止の声をかけてストップさせることが効果的で、犬の方でも自分のどのような行動が飼い主に叱られる原因となったのかを知ることができます。
問題を起こした後で叱っても犬に伝わらないため、外出から帰宅して犬が起こしたトラブルを発見したとしても罰するのは避け、犬の気持ちを考えて適切に対処するように心がけましょう。
3.上手に留守番させるための具体的な訓練
最初から留守番をさせるのは大変なので、最初はその状況に慣れさせるしつけからスタートしましょう。留守中に過ごすケージの中で行儀良くできるかどうかが重要なポイントになります。
犬にケージを快適な場所と感じてもらうためには、ケージ内でエサをあげたり、お気に入りのおもちゃや毛布を一緒に入れたりするのも良い方法と言えます。
また、飼い主が不在の状況でも不安を感じないよう練習する必要があります。
そのための訓練としては、まず、ドアから出て即座に戻るという動作を短時間のうちに幾度も行います。
この体験を通し、犬は主人がドアから出て行っても必ず帰ってくることを理解することができます。
次に、不在の時間を少しずつ延長していき、犬を徐々に慣れさせていくことで、ある程度の時間主人がいなくなる実際のお留守番にも対応できるようになります。
さらに、留守番が始まるということを犬に知らせてしまうような合図を作らないのも大切な点です。
出かける時にはつい「良い子でね」などと声をかける人も多いかもしれませんが、犬はこの言葉を聞くことにより主人がこれからいなくなるのを察知してしまうので、飼い主の不在を嫌がる犬の場合は、動作が落ち着かなくなったり鳴き声を上げたりすることがあります。
犬に留守番を連想させてしまうような行動は取らないように注意しましょう。