ネットでブリーダーから子犬を購入する時の注意点

近年ネット通販が普及し、ペットも通販で買えるようになりました。
ペットの購入の仕方も多様化してきた現代で、まだ売り手と買い手が手探りの部分もあり、購入を検討している方も不安なのではないでしょうか。
今回はネットで子犬を購入するメリットとデメリットについて解説していきます。

1.ワンちゃんはどうやって飼い主さんのところに来るの?


(1)犬の3大流通経路

犬の流通には代表的なルートが3つあります。
  1. ブリーダー→ペットオークション→ペットショップ→飼い主さん:70%
  2. ブリーダー→ペットショップ→飼い主さん:17%
  3. ブリーダー→飼い主さん:25%
この他にもブローカーと呼ばれる卸業者がペットショップに子犬を卸したり、大手ペットショップで売れなかった子犬を更に小さなペットショップが買い取ったりと、複雑なルートをたどることになります。
また、この流通の過程で3%の子犬が死んでしまうという報告もあるのです。

(2)ペットオークションとは何か


画像引用:プリペット

街中のペットショップで陳列している子犬の多くは、元をたどるとペットオークションを経由しています。
では、日本の子犬の半数以上が経由する『ペットオークション』とは何でしょうか。
出品された子犬を、複数のペットショップのバイヤーや、ブリーカーなどの業者が競り落とす場です。

国内では少なくとも15のペットオークションの主催会社があります。
ペットオークションののビジネスモデルは、会場を提供する代わりに、入札に参加するブリーダーやペットショップのバイヤーから入会金(2~10万)、年会費(2~5万)、落札金額の手数料(5~8%)をもらうというものです。
入札に参加する業者数は平均で300~400、大きいところでは1,000を超えるともいわれます。

何故ここまでの業者が参加するかというと、子犬を購入するのに効率的だからです。
ペットショップは人気の犬種の子犬を、たえず店頭に置いておかなければいけません。
オークションに参加することで、自ら全国に点在しているブリーダーを訪ねたり、出産時期を把握し、連絡をとりあうという手間をはぶくことができます。一度で自分の店の商品をそろえることができるのです。

人間のペットビジネスには好都合ですが、このペットオークションの仕組みは、子犬の性格に影を落とす要因にもなります。
若ければ若いほど売れる市場なので、ペットオークションに参加する犬の60%が月齢44日以下の子犬です。
本来ならば親や兄弟の触れ合いの中で過ごし、社会性を身につけなければいけない時期に売りに出されるため、成犬になってから問題行動を起こしやすくなるともいわれています。

ペットショップで売られている子犬を購入する際は、そのことを踏まえて購入した方がいいでしょう。

2.子犬をネットで購入するメリット・デメリット


ペットショップから買うならば、ブリーダーから直接買ったほうが子犬にとってもいいじゃないか!と思うかもしれません。
たしかに子犬にとっては、それが最も負担が少ないかもしれません。
しかしこの『ブリーダーからネットで直接買う』という購入経路はまだ歴史も浅く、悪徳業者との見分けがつきづらいのも事実です。
ネットはとても便利ですが、使ううえでメリットとデメリットについて把握し、賢く活用していきましょう。

(1)メリット:家にいながら子犬を探すことができる


  • とにかく楽!
  • 飼い主が移動することなく、家にいながら犬を選ぶことができる。
家にいながらにして犬を比較検討し、購入できるということは、店に足を運ぶという時間と労力を省略してくれるという点において 大きなメリットです。
ペットショップが家の近くになかったり、遠方のブリーダーのところへ何回も行き来することができない場合、通販で購入するのは便利ですよね。

以前は対面せずともネットのボタンひとつで購入し、郵送してくれましたが、現在は動物愛護法で対面が義務づけられています。
子犬を探すまでは家にいながらもできるという点が最大のメリットと言えるでしょう。

(2)デメリット:悪徳業者との見分けがつきづらい

  • 優良ブリーダーと、悪徳業者との見分けがつきづらい。
  • 詐欺にあう可能性がある
  • 子犬会ったら写真のイメージと違うことがある。
パソコンの画面から知ることのできる情報は限られています。 
子犬の動きや鳴き声、親犬の性格や健康状態など、その子の成長を予想する上で重要な情報まではわかりませんので、 理想通りの犬が届くかどうかは一種の賭けになるでしょう。

また、中には営利目的だけの店舗もあるため、価格が安いだけで犬を購入するには何かしらのリスクがあるので注意が必要です。

3.実際にあった犬のネット通販トラブル


  • インターネットを通じて子犬を購入したが、病気だった
  • インターネットで購入した子犬が空輸で送られてきたが、衰弱して死んでしまった
  • 写真の子犬と顔が違い、可愛くなかった
  • 犬を送る約束が守られず、連絡も取れず、お金だけとられた
  • 血統証明書が送付されてこなかった
最近では、販売者は購入者への対面販売が義務付けられているので比較的安心ですが、それでもトラブルは起こっています。
また、ネット仲介業者のサイトに登録されているブリーダーが良質なブリーダーだとは必ずしも言えません。
ブリーダー登録にあたっての条件はいろいろありますが、中にはブリーダーを最近始めたばかりの状態でも登録できるようなところもあるからです。
対象のブリーダーが良質なブリーダーなのかどうか、信頼できる人なのかどうか、購入者側からはパソコンの向こうにいる人たちを確認するすべがありません。

4.優良ブリーダーの見分け方


子犬を通販で購入しようとする場合、誰しもトラブルには巻き込まれたくないものです。
そんなトラブルに巻き込まれないために、本当に信頼できるブリーダーなのかどうかを自分の目で確認する必要があります。 
ブリーダーに不明な点があれば、それを確認することも大切です。
どうしても通信販売を利用したいという場合は、実際過去に販売者さんを利用した人からその情報や噂を聞いた上で、販売者さんと十分話しをしてから最善の方法を選んだ方が良いでしょう。
ここでは、悪徳業者と優良ブリーダーの特徴を解説しますので、実際にやり取りをするなかでの参考にしてみてください。

(1)こんなブリーダーはやめておこう

以下のような点が見受けられるブリーダーは信用できるブリーダーとはいえません。
  1. 生後45日経たない子犬を販売している
  2. 子犬と飼い主を対面させず、ネットのやり取りだけで売っている
  3. 親犬を見せてくれない

(2)優良ブリーダーの条件

反対に、以下の条件を満たしていれば、信頼できると言えるでしょう。

  1. すべての犬の鑑札登録をしている。
  2. ワクチン接種し、健康管理を行っている。
  3. 最後まで十分に世話をできる以上の頭数を飼育していない。
  4. 母犬のことを考え、1匹の母犬に1~2年に1度の交配しかさせない。
  5. 犬舎を清潔にしている。
  6. 繁殖を引退した老犬を手元に置いて大事にしている。
  7. 「動物取扱業標識」や「動物取扱業者登録証」の登録をしている
良いブリーダーかどうかを判断するために、積極的にコミュニケーションをとることが大切です。
どんな些細なこともでもいいので、ブリーダーに聞くなどしてコミュニケーションをとってみてください。
実際に合って目にしなければ分からないこともありますが、ホームページの情報や、メールのやりとりでもチェックするといいでしょう。

まとめ

子犬の幸せのためにも、動物愛護のためにも、ネットでブリーダーから直接購入するのは、良いことといえるかもしれません。
しかし便利なものにはリスクがつきものです。
メリット・デメリットを知り、賢くネットを活用していくことをおすすめします。
そして最終的には自分の目を信じて判断するようにしましょう。
よい子犬との出会いがあるといいですね。

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