マルチーズの歯が抜けてしまった!生えかわり?虫歯?!

愛犬の歯が抜けてしまった・・・!
これは虫歯なのでしょうか。それとも生えかわりなのでしょうか?!
見極め方を解説します。

1.乳歯から生え変わっている場合

子犬のマルチーズが、乳歯から永久歯へと生え変わっている場合ならば何の問題もありません。
生まれたばかりの幼犬にはまだ歯が生えておらず、おおよそ生後3週間から少しづつ乳歯が生え始めます。
その後、生後2か月から3か月ほどで全ての乳歯が生え揃います。
全て生え揃った後に、3か月から7か月にかけて永久歯へと生え変わるので、この時期のマルチーズの子犬であれば順調に成長している証拠だといえます。

子犬の時の乳歯と、大人になる過程で生え変わる永久歯は本数が違います。
子犬の乳歯の本数は以下の通りです。
・上顎:切歯6本、犬歯2本、前臼歯6本
・下顎:切歯6本、犬歯2本、前臼歯6本
といったように、上顎で14本、下顎で14本の合計28本です。

一方、永久歯の場合は本数が増えて、
・上顎:切歯6本、犬歯2本、前臼歯8本、後臼歯4本
・下顎:切歯6本、犬歯2本、前臼歯8本、後臼歯6本
上顎20本、下顎22本の合計42本です。
乳歯から永久歯に生え変わると14本も歯が増えることになります。

順調に生え変わっているかどうかが心配の方には、どこの歯が抜けたかを確認することで、生え変わり度合いを確認することも可能です。
順番としては、下顎の切歯→上顎の切歯→下顎の前・後臼歯→上顎の前・後臼歯→下顎の犬歯→上顎の犬歯という風に抜ける順序が決まっています。
抜けた歯の場所を確認して生え変わり度合いを確認しつつ、抜けた本数を数えておけば、乳歯から永久歯への生え変わりが無事に進んでいるかを確かめることができます。

2.生え変わりの際に注意したい乳歯遺残

マルチーズをはじめとした小型犬に多い症状が「乳歯遺残」です。
言葉そのままの意味で、乳歯が抜けずに残ってしまっている状況を指します。
乳歯が抜けきらないまま永久歯が生えてきてしまうと、歯並びが悪くなる・乳歯と永久歯が2重に並んでしまうなどの良くない影響が生じてくる可能性があります。
具体的には、永久歯の生え方に悪影響を及ぼす可能性があるために、嚙み合わせが悪くなるといった状態になることもあります。
また、残った乳歯と生えてきた永久歯の間は食べかすが詰まりやすくなるため、歯垢や歯石が付きやすい環境を作る要因ともなります。
口内の衛生環境の悪化は虫歯や歯周病を誘発しやすいので、生後10か月を過ぎても乳歯が残っている状況であれば、早めの抜歯をお勧めします。

3.病気で抜けてしまっている場合

子犬でも起こり得ますが、既に永久歯が生え揃っている成犬で歯が抜けている場合は、病気である可能性があります。
原因として考えられるのは歯肉炎と歯周病です。
まず歯肉炎についてですが、歯と歯の間に歯石が溜まりそれが多く堆積すると、歯肉を圧迫していきます。
その圧迫によって歯茎が炎症を起こしてしまっている状態が歯肉炎です。
症状が進行すると、歯茎の腫れや口臭が顕著になります。
放置しておくと歯が抜け落ちてしまうので、早いうちに歯石を除去する必要があります。

歯周病については、歯肉炎と同じく歯石が原因です。
歯石で歯茎を傷めると、そこから細菌が侵入してきます。
歯茎内にある歯を支えている組織が侵されてしまうため、進行すると歯のぐらつきなどの症状が出てきます。
そのまま放置しておくと最終的に歯が抜けてしまうので、早めの治療が必要な病気です。
発症前の対策予防としては、人間と同じく歯磨きが効果的です。
食べかすの除去など、口内環境を常に清潔に保つという意味での歯磨きは勿論のこと、病気の早期発見という観点からも、歯磨きは必要であると言えます。
愛犬の歯や歯茎の状態を日常的にチェックする習慣をつけておくと、先ほど挙げた歯肉炎や歯周病の早期発見に繋がります。
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