ヨークシャーテリアとの正しいお散歩

犬を飼う醍醐味の一つに、愛犬との散歩があります。
一人で歩くと何でもない道も、愛犬と一緒に歩くことで様々な発見がありますよね。
しかしそのお散歩、正しくできていますか?
ちょっと知っておくだけで毎日のお散歩がもっと安全に、楽しくなる方法をご紹介します。

1.お散歩をするメリット


(1)運動不足を防ぐ

・1日2回、5~10分のお散歩が目安

・歩きすぎも足腰に負担がかかるので、短い距離でOK

小型犬であるヨークシャーテリアはお散歩が必要ないと思っている方もいますが、結論から言うと毎日お散歩は必要です。
ヨークシャーテリアはもともと工場でネズミをとる狩猟犬でした。
そのため好奇心旺盛で活発な性格をしています。
膝の関節が弱く膝蓋骨脱臼になりやすいので長距離歩く必要はないのですが、室内だけの運動量だと筋力が減ってしまいます。

(2)家の中で問題行動を起こさなくなる

家の中で、物を壊したり、粗相を繰り返したり、無駄吠えしたりといった問題行動に悩んでいる飼い主さまは多いのではないでしょうか。
いたずらをしてしまう大きな要因として、犬の行動欲求を満たしてあげれていないからという理由があげられます。
散歩をすることで、犬が本来持ち得る「自由に動き回りたい」「外のにおいをかいで探検したい」「他の犬や人と触れ合いたい」といったニーズを満たすことができます。

先ほど毎日5~10分の散歩が朝夕2回必要と述べましたが、中には毎日30分のお散歩をして、ピタッと問題行動がなくなったというケースもあります。
その子にあった運動量を見極めてあげましょう。

(3)飼い主とのパートナーシップを深める

ただ歩いて、ただ排泄をされるだけの散歩にはなっていませんか?
スマホを片手に歩くような、おざなり散歩になっていたら見直しが必要です。
ヨークシャーテリアのお散歩は5~10分と先述しましたが、犬にとって大切なのは時間や歩いた距離よりも、飼い主さんと楽しい時間を過ごせたという心のつながりがです。
あなたはどこにでも自由に遊びに行けるかもしれませんが、犬は飼い主が全てです。
話しかけてあげたり、一緒に探検を楽しんであげたりと、愛犬と向き合ってあげましょう。
短い時間でもコミュケーションがしっかりととれるお散歩は愛犬の満足度を高めてくれます。

(4)社会性を身に着ける

散歩中に他の飼い主さんや犬と触れ合うことで、社交性が身につき、心の満足にもつながります。
特に子犬の頃から外に出て、より多くの犬と触れ合っておくことが大切です。
神経質で臆病な子に育ってしまうことを防ぐためにも、積極的に外の世界に連れ出してあげましょう。

2.子犬の散歩の知識

(1)お散歩デビューの時期

お散歩デビューは早い方がいい
・従来の考え方では感染のリスクを考慮し、ワクチン接種が終わる4か月目以降のお散歩デビューが良いとされていた
・生後1~3カ月の『社会化期』にお散歩デビューし、少しでも多くの外的刺激を得たほうが良いというのが近年のスタンダード


子犬のワクチンプログラムが生後4か月くらいで終わり、それから散歩デビューというのがこれまで一般的とされてきましたが、最近では考え方が変わりつつあります。
子犬が外からの色々な刺激を受け、外の環境に慣れるためには、1~3カ月の「社会化期(臨界期)」と呼ばれる時期に、散歩を通して外の世界を体験することが大切だと考えられるようになったのです。
社会化期は、犬たちが外も含めた身の回りの環境に慣れ、外の世界にあるものは怖くないものだと学ぶための期間です。
なかでも生後6〜8週は、社会化に最も適した時期だと言われています。
ワクチンプログラムが終わっていなければ、病気に感染するリスクはありますが、この社会化期を逃してしまう方が問題だという考え方に近年移行しつつあります。
野良犬がいる場所や、不特定多数の犬が一同に集まる場所は避け、感染に注意しながら外出することをおすすめします。
ワクチンが終わる前に散歩をさせるのは心配という方は、抱っこしたまま散歩をして、外の世界に段々と慣れさせていくのも方法のひとつです。

(2)成犬と同じ散歩に切り替える時期

・生後6ヶ月。
・リーダーウォークを教えよう。

生後6ヶ月を過ぎたら、成犬と同じようにリードを付けて、一緒に歩く散歩を開始します。
最初は数分間リードを付けて歩く練習をし、残りはそれまで通り遊ばせて、少しずつリードを付けて歩く時間を延ばしていくのが良いでしょう。
この時期に愛犬が引っ張り癖がついてしまうことが多いので、リーダーウォークを教えてあげましょう。

リーダーウォークとは飼い主がリーダーとなって、歩く速度、行き先を決め、飼い主が止まったら犬も止まったり、座る。
そうした一連の歩き方のことです。
ヨークシャテリアにリードの引っ張りグセがついてしまうと、器官虚脱などの病気のリスクを高めてしまうため、早めに習得させてあげるといいでしょう。

詳しい手順はこちらをご覧ください。
散歩で身に着けたい!リーダーウォークのやり方をご紹介

3.お散歩は変化をつけよう


(1)お散歩コースは変化をつけよう

散歩コースは毎日同じではなく、なるべく日ごとに変えるようにしましょう。
毎日同じ散歩コースを歩くと、犬も飼い主も飽きて、お互いに散歩を楽しめなくなってしまいます。
老犬の場合は認知症になりやすいとも言われています。

そうは言っても、毎日散歩コースを変えられるほどの選択肢がない場合は、逆まわりで歩いてみたり、歩くスピードを変えてメリハリをつけたり、散歩中にしつけのトレーニングをさせると良いでしょう。
飼い主さんが楽しい気持ちは愛犬にも伝わるので、自分が楽しめるお散歩をするといいですね。

(2)散歩に行く時間を変えてもOK

犬の散歩をする時間はきっちりと決めず、ランダムにするのが良いでしょう。
時間固定に慣れている犬は、飼い主の都合で時間に散歩に行けなくなると、強いストレスを感じてしまいます。
それに加え、犬がその時間を覚え、「7時だ!散歩に行かせて!!」という要求吠えなどの問題行動に繋がることもあります。

散歩は朝と夕方に行くのが良いですが、時間はできるだけ一定にしないようにしましょう。

4.注意すること

(1)犬が食べたら危ない草花を知る

犬が食べると中毒症状を起こす植物は、意外と公園に咲いていることが多いです。
危険な植物を食べてしまうと、舌や唇、口の周りに炎症が起きたり、くしゃみや咳などのアレルギー反応が出たりします。
嘔吐やめまい、痙攣、麻痺、下痢、血便、吐血、食欲不振、多臓器障害や呼吸不全などの症状も現れ、最悪の場合は死に至ることもあります。
事前にそのような植物がないか確認しておくと安心ですね。
代表的なものを紹介します。

・球根類


チューリップ・ヒヤシンス・アマリリス・スイセン・シクラメンなど。
ついつい一緒に写真を撮りたくなりますが、球根類は球根にも毒があると言われているので、食べないように注意が必要です。

・ユリ科

スズラン・アスパラガス・タマネギ・アサツキ(浅葱)・イヌサフランなど
球根類としてご紹介したチューリップとヒヤシンスは、ユリ科の植物でもあります。
スズランはよくご家庭の庭先にも植えられているので気をつけましょう。

・ツツジ科

アセビ・アザレア・レンゲツツジ・シャクナゲなど

・その他の植物


キクやアジサイ、ヒガンバナ、イチイ、アロエ、ジャスミン、アサガオ、ポトス、桜、マリーゴールドなども犬には危険です。
あまりにも多いので、近づかないようにするのは難しいですね。
拾い食いをしないようにしつけをするのが得策といえるでしょう。

・誤って食べてしまった時はどうする?

食べてはいけない草花を食べてしまった場合には、応急処置として少量の塩を舐めさせ、水をたくさん飲ませることで、吐き出しやすくし、すぐに動物病院で診察を受けるようにしてください。
ただし、胃腸や肝機能に問題がある犬の場合は、塩を与えると別の病気を誘発してしまうので、絶対に与えないようにしましょう。

近くの動物病院を探すにはペットライフが便利です。

(2)雨の日の散歩は危険がいっぱい


・水たまりは感染症の危険がある

・肉球が傷つく

・しっかりと毛を乾かさないと皮膚環境に悪い

雨の日の散歩には、3つの注意点があります。
まず一つ目は、雨の日に水たまりができると、他の犬の排泄物が水たまりに溶け出しているかもしれないという点です。
排泄物には病原菌やウイルスがいる危険性が高いので、そのような水たまりの水を舐めてしまうことで、伝染病の原因となる場合があります。

次に、雨の日は犬の肉球が傷つきやすいという点です。
犬の肉球も水に触れる時間が長いとふやけてしまいます。
ふやけた肉球は、地面にこすれて擦り傷になったり、出血したりしてしまいます。
勢い良く走る犬や子犬は肉球が傷つきやすいので注意しましょう。

3つ目に、雨の日の散歩の後は、毛をしっかり拭いてケアをしないと臭くなったり、皮膚の状態が悪くなったりすることもあるので注意が必要です。
生乾きは毛玉やもつれの原因にもなります。
犬の皮膚は人間の3分の1程度の厚さしかなく、抵抗力が弱いので、皮膚炎などの病気にならないように、雨の日の散歩後のケアは徹底しましょう。

これらの危険を考えると、家の中でできる遊びをしてあげることで運動不足を解消してあげた方が安全かもしれませんね。
こちらの記事も参考にしてみてください。
外出できない日が続く梅雨の季節、室内でできる愛犬のストレス発散法って何?

(3)ハーネスと首をを上手に使い分ける


・健康上の問題や、しつけに問題のない場合にはハーネスを使い、

・しつけ中の場合には首輪を使うのがおすすめです。

散歩に欠かせないのがハーネスor首輪です。
ヨークシャ―テリアは呼吸器官が弱いので、体の事を考えるとハーネスがいいです。
しかし、首輪の方が飼い主さんの意図を伝えやすいメリットもあります。

したがって、しつけを覚えるまでの子犬の頃は首輪を使い、ある程度しつけを覚えて大きくなったらハーネスに切り替えるのがいいでしょう。

上手に使い分けてみてくださいね!

もっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください
ヨークシャー・テリアのための首輪とハーネスの使い分けについて

まとめ

いかがでしたか。
ヨークシャーテリアの正しいお散歩について解説しました。
愛犬にとっても飼い主さんにとっても、お散歩が楽しく安全な時間になるといいですね。

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