その種類や予防できる病気についてまとめました。
1.どうして予防接種が必要なの?
・病気に感染する前に、予防接種を打つことで免疫をつける。
犬には感染力がとても強い病気、発症すると致死率が高い病気、後遺症が残る病気など恐ろしい病気があります。
感染経路は尿や便に含まれていたり、くしゃみや咳を通じて空気中をただよっていたり、ねずみを媒体としていたりと、身近に潜んでいます。
人や犬が沢山集まる大きな公園や、繁華街などに行くと感染リスクが高まります。
そのため、あらかじめこれらの怖い病原体に対して免疫をつけておく必要があるのです。
特に生まれたばかりの子犬は、病気に感染しやすいと言われています。
授乳によって母親から病気の抗体を子犬は受け継ぎますが、生後40日~150日でその抗体はなくなってしまいます。
このとき病気の抗体ができていない可能性があるため、子犬には予防接種が必要なのです。
2.どうやって感染してしまうの?
・犬同士の接触感染(鼻水・唾液・便・尿)
・飛沫感染(感染した犬のの咳、くしゃみで空気中に舞ったウイルスを吸い込んでしまう)
・感染したねずみの便や尿に触れる
また、感染症や伝染病の中には、人にも感染するものもあります。(レプトスピラ症)
愛犬と一緒に子供や高齢者が同居している場合などは注意が必要です。
3.予防接種のタイミング
生まれて間もない子犬と成犬では、予防接種を打つ回数が異なります。
新しく家族として犬を迎える際は、今までどのようなワクチン接種をしてきたのか、必ず確認するようにしましょう。
基本的に、犬の予防接種の時期は、以下の通りとなります。
・1回目の接種:生後8週間後
・2回目の接種:生後12週間後
・3回目の接種:生後16週間後
・4回目の接種:3回目の接種から1年後
※このワクチンを打つタイミングは、最新の獣医療情報を発信している‘世界小動物獣医師会’(WSAVA)の‘ワクチンガイドライン’を参考にしていますが、基本的にはかかりつけの獣医さんと相談しながら接種するようにしてください。
4.予防接種の副作用
・アナフィラキシーショック(呼吸困難などのアレルギー症状)
・皮膚症状(痒がる、赤くなる、腫れる)
・消化器症状(下痢や嘔吐)
接種するワクチンの種類が多い方が防げる病気は増えますが、一方で体にとっては刺激になるため、まれに副作用が出る場合があります。
副作用にも軽度から重度まで様々な症状があります。
特に接種してから3時間は呼吸困難や痙攣など、命に関わるアレルギー症状が出る可能性があるので、愛犬から目を離さないようにしましょう。
5.予防接種の種類
予防接種は一度にいくつかの病気を予防することができる混合ワクチン(伝染病や感染症を予防するためのもの)が主流となっています。病気の種類によってさまざまな組み合わせがあり、2種から11種まで選ぶことができます。
使用するワクチンが多くなるほど愛犬の体に負担となります。
室内だけで飼っているのか、散歩などで外に出る場合などによっても、感染するウィルスに違いがありますので、飼い主さんのライフスタイルや愛犬の体調に合わせたワクチンを選ぶことが大切です。
かかりつけの獣医師さんとしっかり相談して決めてください。
この中でも、上から1~3つのジステンバーウイルス、犬伝染性胆炎、パルボウイルスは感染すると命を落とす危険性が高い病気です。
そのため、WSAVAという国際組織のガイドラインで、「コアワクチン」として全ての犬にワクチンを接種することが推奨されています。
6.ワクチンの選び方
それでは、愛犬にとって最適なワクチンはどれでしょうか?
愛犬の年齢や生活スタイルに合わせて、獣医師さんと相談してみましょう。
一般的にいわれている選び方は、以下を参考にしてみてください。
・アレルギー体質・高齢・持病がある
→4種
一般的に、予防できる病気の種類が多いワクチンの方が、体に負担がかかります。
アナフィラキシーショックの危険性があるため、4種など、必要最低限の混合ワクチンを選ぶといいでしょう。
・暖かい地域に住んでいる、山や川などアウトドアによく出かける
→7種以上
混合ワクチンを選ぶ時のポイントの1つが、レプトスピラ症のワクチンが含まれているかどうか。
レプトスピラは西日本など温暖な地方を中心に発生が多いようです。
また、散歩やアウトドアなどで感染源となるネズミや、その糞尿と接触する可能性がある場合は、レプトスピラ症のワクチンが含まれている7種以上の混合ワクチンを検討してみましょう。
まとめ
予防接種は、愛犬を病気から守るためにも必要ですが、社会の中で生きていく以上、他の犬への感染を予防するという意味でもマナーとして必要です。愛犬が楽しく健康的に生活できるように、獣医師さんと相談しながらワクチンの予防接種を計画しましょう。
また、動物病院によっても予防接種の料金は違いますし、獣医師さんの考えによっても提案してくる予防接種は違ってきますので、事前に電話で問い合わせてみるのもいいでしょう。