【獣医師監修】猫へのしつけで知っておきたいコツ

成猫になればある程度落ち着くと言われていますが、中にはいつまで経ってもいたずらっ子な猫もいます。柱や壁で爪研ぎしてしまったり、特定の場所で粗相をしてしまったり、噛み癖があったり、カーテンによじ登ったり…。今回は、そんな困った猫のイタズラをやめさせる、しつけのコツを学んでいきましょう。

★しつけをする前に飼育環境を見直しましょう

いたずらをさせないようにする

まずしつけをする前に問題行動を起こさせないように環境を整えましょう。(イタズラする物があるなら、物を片付ける。粗相をするならトイレ環境の改善など)

ストレスを減らしてあげる環境を作りましょう

また問題行動の原因がストレスの場合も多いため、ストレス発散をさせるキャットタワーやキャットウォーク、爪とぎの場所を作る、などなど猫にとって安全で快適な環境を作ることが重要です。

★しつけは「正しい行動が猫にとっても嬉しいこと」と覚えてもらうのが基本

しつけは「正しい行動が猫にとっても嬉しいこと」と覚えてもらうのが基本です。猫は物事を関連付けて覚えていきます。例えば、噛み癖のある猫が、噛まずにおもちゃで遊んでいられた場合、飼い主も一緒に遊んでくれるので「楽しい!」と経験させます。ですが、飼い主を噛んでしまった場合、静かに動作を止め、すぐに遊びを中断します。これを何度か繰り返すことで、猫も理解していきます。正しい行動をとったとき、猫が喜ぶ事をしましょう。(ポイントは必ずその時すぐに行うことと家族全員が統一するようにしましょう。)

★怒鳴ったり体罰は逆効果

猫の弱点であるしっぽを引っぱったり、叩いたりするのはNG。猫は状況と降り掛かった環境がリンクする生物。たとえば膝に乗った瞬間に雷鳴が響いたら膝に乗ることを怖がったりします。しつけの一環で叩くと、撫でようと手を伸ばしただけで叩かれると思って引っかいてきたり、攻撃的な性格になります。

「天罰」という方法

逆に「悪い行動」(指定の場所以外での粗相や爪とぎなどをしてしまった場合など)を行った場合は、人が罰を与えたとわからないよう「天罰」という形をとります。ただし「天罰」は他の方法だけでは上手くいかない場合など補助的にやることをお勧めします。天罰には、水を使う方法、猫の嫌いな音を流す方法などがあります。ただし「天罰」を行う際には注意が必要です。「天罰」が人が行っていると悟られないようにすること、すぐに行うことが重要です。また、猫によっては「天罰」を行うことでパニックになってしまったり、問題行動が悪化してしまうこともあるため注意して下さい。

まとめ

犬とは違い、猫はご褒美・罰という認識が薄い動物です。ですが、物事を関連付けて覚えるのは上手です。しつけとしての練習は猫のペースに合わせて行いましょう。猫が尻尾をパタパタと振るようなしぐさを見せたら一時中止しましょう。決して押さえつけたり、無理やりやらず、少しずつ行いましょう。猫のしつけは行動学に基づいた正しい知識も必要です。もし問題行動が改善されず困ったときは専門家や動物病院へ相談又は受診しましょう。せっかくの愛する家族ですから、上手に関係を築き上げていきましょう。
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