最近では、暑さ対策として、ワンちゃんの毛をバリカンで刈り、丸刈りにする『サマーカット』が夏のスタイルとして定着されつつあります。
しかしサマーカットは、日焼けや熱中症のリスクを高める可能性もあることをご存知でしょうか。
きちんとメリットとデメリットを知ったうえで、安全に愛犬の熱中症対をしてあげましょう。
1.ワンちゃんも日焼けをするの?
- 犬種によって差があるが、ワンちゃんも日焼けをする。
- 鼻の頭はどのワンちゃんも焼けやすいので注意。
- 皮膚の炎症につながることもある。
日焼けとは、太陽の紫外線によって皮膚が炎症を起こすことです。
犬も犬種によって、焼けやすさの差はありますが、日焼けはします。
人間の様に全身真っ黒になるような焼け方はしませんが、皮膚が硬くなったり、繰り返すことでシミができることがあります。
特に被毛が薄かったり、色素が薄い白っぽいワンちゃんは焼けやすい傾向があるので、こまめに気にかけてあげましょう。
日焼けをしても軽い炎症を起こすだけで、すぐに収まればよいのですが、日光に敏感なワンちゃんの場合は重度の皮膚炎を起こすことがあります。
これは、「光線過敏症」や「日光性皮膚炎」と呼ばれ、適切な治療が必要となるので、注意が必要です。
2.日焼けが原因で起こる厄介な皮膚炎
・日光性皮膚炎
日光を過剰に浴びることで起こる皮膚炎で、時に非常に重度の皮膚炎となります。特にコリーやシェットランドシープドッグは遺伝的にかかりやすいので注意が必要です。
症状は、最初は皮膚が赤くなる程度ですが、やがて脱毛、フケ、かゆみが起こります。
さらに症状が進むと、色素沈着や潰瘍を起こすこともあります。
一度かかってしまうと再発をしやすく、生涯付き合っていかなくてはいけません。
また、重度になると、癌を発症する可能性があります。
3.サマーカットは危険?
- ワンちゃんの被毛は日光から皮膚を守る役割があるため、短すぎる全身丸刈りは危険
- お腹やワキの下のみなど、一部分を短くする分にはOK
ワンちゃんのサマーカットとは、夏の暑い時期に被毛を短くカットすることです。
短めに被毛をカットしたり、部分的に短くしたりすることで、体に熱がこもらないようにする意図があります。
特に人気なのは、全身の毛をバリカンで短く刈り込み、顔のまわりだけ残すスタイル。
ビフォーアフターのインパクトが強く、「まるで別犬!?」と思うくらいの鮮烈さから、SNSでも大人気ですね。
ネットの影響もあり、すでに夏の定番となりつつあります。
しかし皮膚から紫外線を守るという点では、短すぎるサマーカットは日焼けを助長することになるため、危険です。
たしかにサマーカットにはお手入れにしやすさや、湿気がこもらないようにする衛生面のメリットはあります。
しかしワンちゃんにとって、直射日光を浴びさせられることになるので、逆に暑い思いをさせてしまうことになります。
もしサマーカットにするのであれば、一部分のみがいいでしょう。
4.日焼け対策
ワンちゃんの日焼けしやすい場所は画像のとおりです。
特に鼻の頭は全犬種焼けやすいので、気をつけましょう。
(1)UVの服を着せる
下腹部は意外ですが、地面のてりつけで直射日光を浴びなくても、皮膚の弱いお腹が焼けてしまうそうです。夏のお散歩は、通気性の良いUVの洋服を着せてあげることで、下腹部を紫外線から守ってあげましょう。
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(2)日焼け止めシート
鼻の頭や、耳の先の日焼けは洋服では防ぐことができないので、日焼け止めクリームか、シートを使いましょう。人間用のものだと舐めてしまったり、専用のクレンジングを必要としてしまうので、ペット用の日焼け止めをおすすめします。
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5.愛犬の日焼けチェック
- 皮膚の色が白っぽく、皮のような固い手触りだったら、日焼けをしています。
- 赤くなっていたり、水ぶくれがあったら動物病院へ
夏のレジャーの休憩中や、お散歩の後は、愛犬の皮膚の状態をしっかりと観察しましょう。
日焼けだけではなく、虫がついていないか、ケガをしていないかも確認できます。
いつものスキンシップの様になでなでしてあげたり、ブラッシングを兼ねて肌の状態を見ます。
この時、赤くなっていたり水ぶくれができている場合は、適切な治療が必要になるため、かかりつけの動物病院に行きましょう。
まとめ
ワンちゃんも日焼けをします。
「涼しいかな」と思って愛犬の毛をカットしすぎると、逆に直射日光を浴び、日焼けのリスクを高めることになります。
最低限の被毛は犬にとって必要なものです。
サマーカットをする場合は、適度な長さを残してあげましょう。