1.マルチーズの特徴
マルチーズってどんな犬?
マルチーズは愛玩犬の中でも古い歴史を持っています。穏やかで優しい表情や、地面に就くほど長くて白い毛が特徴となっています。マルチーズ(Maltese)は、「マルタの」という意味の英語であり、ビション・フリーゼやボロネーゼなど、ビション系の犬の血が入っていると言われています。
マルチーズの耳はどうなっているの?
耳が垂れている犬種は、耳の通気性が悪いため、耳が蒸れてしまいがちです。ひどい場合には、耳の中で細菌が繁殖し、ダニが住み着いてしまうこともあります。そうなってしまうと、耳が臭うようになってしまいます。
また、L字型に横に開く構造となっているマルチーズの耳は、乾燥しにくいという特徴があります。シャンプーをする時など、耳の中に水が入ってしまうと、水自体は頭を振ることで外に出て行きますが、外耳道水平部は湿ったままとなってしまいます。このような湿りやすい構造に耳垢が溜まってしまうことで、二次感染を引き起こしやすくなってしまうのです。
2.マルチーズの耳はどうやって掃除すればよい?
耳掃除をする前にセルフチェックをしましょう
いざ耳掃除をする前には、以下の点をチェックしておくことが大切です。
- 耳の入り口が腫れており、赤みがある
- 耳を痛そうにしている・触れると嫌がるそぶりを見せる
- 耳の毛が多く、汚れなどが絡みついてしまっている
- かゆがっている・掻いたりしていて傷がある
- 鼓膜に損傷がある、またそうした傷があると思われる
- 耳だれがひどい時
- アトピー・食物アレルギーがある
- 耳が腫れている
上記の項目が一つでも当てはまる時には、耳掃除をしてはいけません。すぐに動物病院を受診してください。該当項目が無ければ、耳掃除をしていきましょう。
耳掃除の仕方
耳掃除には、イヤークリーナーを使うことで、汚れが取りやすくなります。具体的には以下の手順です。
- 耳の中にイヤークリーナーを数滴たらします。
- 耳の付け根を軽くつかみ、くちゅくちゅとマッサージするように、液をなじませていきます。
- 2~3分ほど待ち、その後手を離してぶるぶるとさせます。(もしぶるぶるとしない場合には、犬の耳に息を吹きかけるとうまくいきやすいです。)
- 耳の中から汚れが出てくるので、液と一緒に柔らかいコットンで拭きとります。
なお、注意したいことがあります。それは、綿棒を用いて耳掃除を行うということです。その理由としては、犬の耳というのはとてもデリケートで、綿棒ではかた過ぎてしまうために、耳の鼓膜を傷つけてしまいかねないためです。かえって外耳道炎を引き起こしてしまう可能性が高く、また、綿棒によって汚れを奥に押し込んでしまうことが多いのです。
耳掃除、どのくらいの頻度ですればよい?
マルチーズなど、耳の汚れやすいたれ耳の犬種の場合、週に2回ほどは掃除をしてあげることが必要です。しかしここでも、やり過ぎは禁物です。耳に溜まった汚れは、通常自然にはがれて排出されていくので、あまりにも頻繁に耳掃除をしないように気を付けることが大切です。
3.マルチーズがかかりやすい耳の病気は?
耳の病気を疑う前のセルフチェック
まず動物病院を受診する前に、以下の項目をセルフチェックしてみましょう。
- 耳をよく掻いている
- 首をよく振っている
- 耳の中が汚れている
- 耳の中が臭う
- 耳を触られるのを嫌がる
上記の項目に当てはまる場合、耳の病気にかかってしまっている可能性があります。
外耳炎・中耳炎ってどんな病気?
外耳炎とは、その名の通り耳の外耳道でおきる炎症のことで、ダニやブドウ球菌などの細菌の繁殖が原因となっています。マルチーズなどのたれ耳の犬種は、立ち耳の犬種に比べると、耳の中が蒸れやすく、細菌が繁殖しやすいため、外耳炎を発症しやすいのです。
中耳炎は、外耳炎の炎症が悪化し、鼓膜の方にまで広がってしまった病気です。外耳炎が悪化したり、また慢性化してしまったりすると、炎症が鼓膜の内側の中耳にまで広がってしまい、何らかの原因で鼓膜が破れてしまうのです。
どうやって治療するの?
外耳炎も中耳炎も、基本的には耳の中を洗浄することで汚れを取り、炎症を抑えていきます。薬を投与した方がいいと判断された場合、抗生剤や消炎剤を用いることもあります。