1.犬にも効き目がある!経絡マッサージ
経絡マッサージとは、全身にある経絡を刺激することで、体調不良などの症状を緩和させるマッサージのことです。経絡マッサージを継続的に行うことで、自然治癒能力が高まり、免疫力を向上させる効果が期待できます。経絡は人間だけでなく犬にも存在するので、犬に経絡マッサージを行うことも可能です。
運動不足や不摂生な生活により、経絡内を通るエネルギーの流れが滞ると、様々な悪影響を心身にもたらすと考えられています。そのため、経絡マッサージでエネルギーの流れをスムーズにすることで、健康を維持しやすくなるのです。犬は老化が進むと、運動不足や免疫力の低下によって、病気になりやすくなります。愛犬を少しでも長く健康に過ごさせるために、経絡マッサージを日常に取り入れてみましょう。
2.経絡ってそもそも何?
東洋医学でいう経絡とは、「気・血・水」という3大要素の通り道のことです。気は生命のエネルギーを指し、経絡の中枢である太い経脈を流れているとされています。血は、体調の微調整や、全身に栄養を運ぶ血液のことです。水は、免疫機能や代謝に関わっていると考えられている、血液以外の体液のことです。この3つの要素のバランスが整っていることで、健康が保たれているのです。
経絡は各内臓と体表を結んでいて、網目状になって全身に張り巡らされています。そのため、栄養などを全身に送ったり、不要物を排出させる役割を持っています。この経絡上に点在しているのが、足裏のマッサージでよく聞かれるツボです。気や血の流れが停滞してしまうと、その部分に関連した臓器に不調が生じます。それを改善させるために、経絡上のツボにアプローチして、変調を調整するのが経絡マッサージなのです。
経絡は12種類
経絡は12種類あり、それらをまとめて正経十二経といいます。正経十二経に含まれるのは、膀胱経・三焦経・小腸経・心経・心包経・肺経・大腸経・脾経・肝経・腎経・胃経・胆経という、12種類の経絡です。それぞれ、六臓六腑に繋がっています。
各経絡別の効果とは
経絡には、アプローチした際の効果が種類ごとにあり、得たい効果に合わせてマッサージを行うことが可能です。経絡マッサージを行う前に、それぞれの経絡が持つ効果について知っておきましょう。
膀胱経を刺激すると、生殖や老化に関与している膀胱が調整されます。三焦経は、内臓の活動に必要とされている気や水を運び、代謝の調整を行います。小腸経は、心経と協調して、小腸の働きを調整する経絡です。心経は、精神を調整し、心臓の拍動にも関与しています。心包経は、三焦経と協調して働きます。肺経は、肺の働きを整える経絡です。大腸経は、肺経と協調して、大腸の働きを調整します。脾経は、胃経と協調して、消化吸収の調整をします。肝経は、肝と血を調整する経絡です。腎経は、腎を調整し、生殖や老化に関与している経絡です。胃経は、胃を調整し、消化吸収に関与します。胆経は、肝経と協調し、胆と血を調整する経絡です。
3.経絡マッサージを実践しよう
実践する前に、可能であれば、獣医師の許可を得ておくことが好ましいです。その際には、行おうとしている経絡マッサージの方法についても、きちんと伝えておきましょう。シニア犬に経絡マッサージを行うのなら、万が一のことを考えて、備えておいた方が良いからです。
経絡マッサージは正しい方法で行えば、最大限の効果を得ることができます。まずは正しい方法を、確認しておきましょう。
ステップ1(膀胱経)
犬の体勢は、背骨のラインが見えるようなら、立った状態でも横になっている状態でも大丈夫です。背骨のラインに沿うようにして、約1分、頭から尻尾までを数回撫でます。撫でる時は、手の平を使って、優しくゆっくり行いましょう。このラインには膀胱経があるので、撫でることで体調を整えます。
ステップ2(三焦経,小腸経,心経,心包経,肺経,大腸経)
ステップ2は、横に寝かせた状態で行いましょう。約1分、手の平を使って、前肢の付け根から手先までをマッサージしていきます。この時、円を描くようにしてマッサージするのがポイントです。肉球と水かきは、親指と人差し指を使って、優しく挟むようにしてマッサージします。このラインには三焦経や小腸経などの、内臓に関わる経絡のツボがあるので、マッサージすることで内臓機能を調整することが可能です。
ステップ3(脾経,肝経,腎経,胃経,膀胱経,胆経)
ステップ3も、横に寝かせた状態で行います。ステップ2と同じ方法で、約1分、後肢の付け根から肢先までをマッサージします。肉球と水かきについても同じです。このラインには脾経や肝経などの、消化器系に関わる経絡のツボがあるので、消化器系の働きを調整できます。
マッサージの効果とコミュニケーションでより、愛犬が喜んでくれるはずです。かわいい愛犬を癒してあげてください。