プロのトリマーさんにお願いするのもひとつですが、愛犬の美しさと健康を保つためには、飼い主さんの日々のケアが何よりも大事です。
病気はなってからでは遅いので、予防も兼ねてお手入れをしましょう!
1.毎日しよう!『ブラッシング』
(1)どうしてブラッシングが必要なの?
- スキンシップ
- 異変の早期発見
- 毛玉・もつれの予防
- 血行促進
- 皮膚病予防
毎日ブラッシングを習慣化してあげるといいですね。
ブラッシングにはメリットがたくさんあります。
ヨーキーは甘えん坊な特性があるので、飼い主さんと触れ合うことでストレスが緩和されます。
ブラッシングで愛犬気に愛情が伝われば絆にもつながりますね。
また、毎日触れることで「爪が伸びてきたな」「ここに小さな傷ができている!」と様々な異変に気付くことができます。
皮膚の程よいマッサージにもなり、血行がよくなるので毛並みもよくなっていきます。
(2)準備する道具
スリッカーブラシとコームを用意しましょう。
スリッカーブラシは、先端に小さい丸がついたものもありますが、それだと表明の毛並みしか整えることができず、抜け毛を回収することができないため、おすすめしません。
スリッカーブラシはソフトタイプとハードタイプがあります。
普段のお手入れはソフトタイプで、絡まっている時はハードタイプを使いわけると、なお良いでしょう。
コームも様々なタイプがありますが、上の図の様に目が細かい部分と、荒い方の両方がついている「両目櫛」というタイプがおすすめです。
他にも様々な道具があり、部位別に道具を使い分けるやり方もありますが、この2つがあれば、日々のブラッシングはOKです!
(3)手順
ブラッシングの手順としては、愛犬が触れられたときに抵抗感の少ない場所から行うのがポイントです。敏感な頭部や手足は最後にブラッシングします。
以下の順で行うとスムーズです。
- 背中から腰
- 後足
- 体のサイド(両脇腹)
- 前足
- 胸・お腹
- 顔
- しっぽ
まずはびっくりして嫌がってしまわないように、手で体を撫でながら、スリッカーブラシを使い背中からとかしていきます。
ブラシの強さは、自分の手の甲をとかしてみて、跡がついたりしない痛くないくらいの強さがいいです。
よく「えんぴつを持つように握りましょう」とトリマーさんは言います。
軽くスリッカーブラシを持ったら、毛の表面のほうからポンポンと細かくたたくようにとかしていきます。
毛をかきわけ、毛先→根本のほうまでやりましょう。
一度に広範囲をやるのではなく、細かい範囲を決めてブラッシングしていきます。
毛玉やもつれが見つかったら、無理に引っ張らずに、指でさいて、ブラシを小刻み動かし、少しずつ解いていきます。
ひどい毛玉のとり方はこちらの記事をご覧ください。
ひどくなる前にブラッシングを!トイプードルにできてしまった毛玉のほぐし方
スリッカーブラシで大きな毛玉がとれたら、今度はコームでとかし、さらに小さい毛玉やもつれをなくします。
コームの細かい目の方がなめらかに通るようになるまでブラッシングします。
これを各部分ごとに繰り返していきます。
顔まわりはコームだけで大丈夫です。
(4)ブラッシングのポイント
上の図のの3つのポイントは重点的にブラッシングしましょう。
動くときすれて摩擦が発生しやすい場所に毛玉はよくできます。
- 耳裏の付け根
- わきの下
- 内股
その他では、服を着た後や、トリミングサロンに行ってから1ヶ月以上たった状態の時も毛が絡まりやすいので注意が必要です。
2.3日に1回の『歯磨き』
(1)犬にも歯磨きが必要なの?
小型犬であるヨークシャテリアは、口が小さく歯石がつきやすいため、歯周病にかかりやすい犬種です。
人の歯石が25日でできるのに対して、犬は3~5日という短いスパンで歯垢から歯石に変わってしまいます。
そういった理由で少なくとも3日に1回は歯磨きをする必要があるのです。
歯石ができると、細菌が繁殖してしまい「歯周病」や「歯槽膿漏」、「歯肉炎」といった歯のトラブルを引き起こすケースがあるので、デンタルケアをしっかりとしてあげましょう。
(2)手順
歯磨きが大事!ということはご理解いただけたと思いますが、歯磨きのしつけに悩んでいらっしゃる飼い主さんも、多いのではないでしょうか。段階を踏んで徐々に慣れさせていきましょう。
【STEP. 1】いきなり口に手を入れず、口の周りを触ることに慣れさせる
・愛犬と遊びながら、口の中に手を入れられるのを慣れさせる
犬は口の中に指を入れられるのが苦手です。
口に触られることと、歯磨きの姿勢に徐々に慣れさせていきましょう。
上の画像のように愛犬を膝の上に仰向けに乗せて、まずは普段のスキンシップの延長で、鼻に触れたり、口の周りをマッサージして口の周りを触れます。
ちょっと我慢できたらおやつをあげて、また口を触ります。
次に唇をめくり、前歯の外側を触ります。
徐々に奥歯を触れるように指を入れます。
嫌がらず我慢できた時には、その度によく褒めてあげましょう。
ポイントは無理やり口に手を入れたり、叱ったりしないことです。
一度お口のケアで嫌な記憶をつくってしまうと、なかなか歯ブラシをさせてくれなくなってしまいます。
口の中に指を入れさせてくれるまで3カ月かかる子もいますが、それぞれのペースに合わせて、ゆっくり焦らず「今日はここまで」と時間をかけて慣れさせてあげましょう。
最初は短い時間から初めて、終わったらおやつをあげたり、散歩に連れて行ったりと、歯磨きの後に楽しいことがあると覚えさせましょう。
こちらの動画がとても分かりやすいので、褒めるタイミングなど参考にしてみてください。
引用:犬の保育園Presea
【STEP.2】まずはガーゼで歯磨きをしてみよう
愛犬が口を触られるのに慣れてきたら、いよいよ歯を磨いてみましょう。
いきなり棒状のものを口に入れるのは難しいため、最初はガーゼや指歯シートをおすすめします。
ブラシよりもガーゼの方が、飼い主さんの指の感触が感じられるため、犬も受け入れやすいです。
柔らかいガーゼや薄いものだと破けてしまい難しいので、不織布ガーセがおすすすめです。
①指に歯磨きシートやガーゼを巻きます。ぬるま湯か水をたくさんつけるのがポイントです。
愛犬に引っ張られても抜けないようにしっかり巻きましょう。
②片手で鼻口部をつかみながら、反対の手で歯と歯茎をマッサージするように前歯から奥歯を磨いていきます。
この時にシートやガーゼが緩むと口に違和感が出るので緩んだら巻き直すと良いでしょう。
※指が難しい場合は、ヨークシャテリアは口が小さいので、綿棒にガーゼを巻き付けて磨くのもいいでしょう。
【STEP3.】慣れてきたら歯ブラシで磨いてみよう
飼い主さんの指に密着していたシートやガーゼの時とは違い、硬い歯ブラシを口に入れると途端に嫌がる犬が多いです。
しかし棒状の歯ブラシが最も歯石が落ちやすいため、最終的には奥歯までブラシで磨けることを目指しましょう。
①歯ブラシに対する恐怖心を和らげるために、匂いを嗅いでもらったり、かじってもらったりと歯ブラシ本体に慣れさせていく事から始めましょう。
②いきなり磨かずに、歯ブラシを口に入れてみるところからはじめます。
我慢できたらその都度、おやつをあげて褒めます。
③歯ブラシを濡らすか、犬用の歯磨きジェルなどを付けて、磨きやすい前歯の外側から磨いていきます。
④前歯の歯磨きができたら、少しずつ奥の方へ範囲を広げていきます。
⑤奥歯まで磨けるようになったら、歯の裏側に挑戦しましょう。
歯ブラシに好きなおやつの匂いや、缶詰の汁をつけて、根気よく行っていきます。
磨いている最中にあまりにも嫌がるようでしたら無理に続けずに「今日は前歯だけ」とか「今日は奥歯だけ」など最初は部分磨きでも構いませんので少しずつ慣れさせていくのも方法のひとつです。
こちらの記事も併せてご覧ください 歯石ができやすいヨークシャテリアの歯を上手に磨くコツ |
3.カチカチ音がする前に『爪切り』を
(1)どれくらいの頻度で切ればいいの?
- 散歩の頻度や距離によってそれぞれ違う。
- 一般的には、2週間に1回が目安
たしかに野生の犬くらいの運動量であれば自然に地面に爪がすれて手入れの必要はありませんが、運動量が少ない家庭犬は飼い主が爪をメンテナンスしてあげる必要があります。
頻度は2週間に一度が目安ではありますが、それぞれの散歩の頻度や歩き方で、爪の伸び方は変わってきます。
愛犬がフローリングを歩くときに、爪があたるカチカチという音がしたら、それは伸びすぎのサインですので、その前に切ってあげましょう。
爪が伸びすぎてしまうと、抱っこをした時に飼い主も痛い思いをしてしまいますし、愛犬が毛づくろいをした時にケガをしてしまう可能性があります。
特に前足の爪は伸びるのが早いので、毎日のブラッシングの時にヤスリをかけてあげるのもいいですね。
(2)手順
ヨークシャテリアの爪は黒いので、どこまでが神経か分からず、少し切るのを躊躇するかもしれませんね。下記の二つのポイントをおさえて安全に切りましょう
- 少しずつ短くしていく
- 爪の真ん中に白い線がみえてきたら、切るのをやめてヤスリをかける
犬の爪切りは、どこまでが血管か見極めるのがポイントです。
ヨークシャテリアは黒い爪なので、どこまでが血管か分からずに難しいですよね。
上の図を参照してください。爪を少しずつ切っていくと、真ん中に白い血管の始まりが見えてきます。
これが見えてきたら、爪切りを置いてヤスリで角を削るように丸くしていきます。
いきなりガッツリ切ってしまうと出血してしまうので注意しましょう。
爪切りの道具やより詳しい手順は、こちらの記事をご覧ください。 自宅で愛犬の爪切りをしよう!黒い爪をもつ犬種の場合 |
4.入口だけでも清潔にしよう『耳掃除』
耳の中はとってもデリケートな部分なので、こまめに耳掃除をすることが必要です。
トリミングサロンに行けば奥の方まで綺麗にしてもらえますが、梅雨から夏にかけての時期は耳の中が蒸れて外耳炎などの病気になりやすいので、おうちでも簡単に耳掃除をしてあげましょう。
- イヤークリーナーを耳の中に数滴垂らします。
- 耳の付け根を親指と庇指で挟んでマッサージし、液をなじませます。
- 2~3分したら手を放して、犬をブルブルさせます。
- 耳の中から出てきた汚れを拭き取る。
たれ耳タイプは、耳の穴がふさがっている状態になっているので、すごく蒸れやすくなっています。
軟骨の間までしっかりとふき取ってあげましょう。
また、犬に耳垢は自然と耳の入口まで出てくるようになっているので、無理に奥まで掃除しないようにしましょう。
あまりにも耳垢が多い場合は病気の可能性があります。
動物病院に連れて行きましょう。
5.月に1度は行こう『トリミング』
(1)どうしてトリミングに行くの?
- 伸ばし続けるのには大変な労力がいるため、家庭犬のヨークシャテリアは短くカットする子がほとんど。
- 定期的にトリマーにカットしてもらうことで、肌の状態を健康に保つことができる。
本来は、ヨークシャテリアにはカットは必要ありません。
しかし、被毛を伸ばし続けることは非常に大変なことであり、毎日被毛を傷付けないように全身をブロック分けしてラッピングをしたり、ブラッシングをしなければいけません。
ドッグショーなどに出場する子は日々丁寧にケアをされているため、そのようなことが出来ますが、普通の家庭ではそんな手間のかかることはできません。
そのため、現在では生活しやすいように被毛を短くカットしている家庭が増えてきています。
放っておいたままにすると、あっという間に被毛が伸び、地面にするようになってしまいます。
それ以上伸びることはありませんが、それでは散歩や排泄の際にとても不便です。
被毛にゴミが絡んだり、毛玉が出来たりするので定期的にトリミングに行って、生活しやすいようにカットするのが良いでしょう。
また、トリミングサロンで定期的にシャンプーをすることで、もともと脂性の肌も清潔にたもつことができますし、肛門腺絞りや爪切りなどもついでにやってもらえるため、健康面にもプラスなことばかりです。
(2)トリミングサロンの探し方
- 自宅から通える範囲のトリミングサロンを調べる
- ネットでクチコミを見る
- お散歩仲間に評判を聞く
大切な愛犬を預けるのですから、やっぱり腕の確かな信頼出来るトリマーさんにお任せしたい気持ちは誰しもが思うところでしょう。
まずは失敗しないために、ネットで検索することから始めてみましょう。
ペットライフなら、自宅の近くのサロンを探すのに便利です。
サロンの説明や、クチコミを投稿されているので参考にしてみてください。
しかしネットの情報を鵜呑みにするのも危険なので、お散歩仲間に聞いてみるのも方法のひとつです。
(3)サロン選びのポイント
実際に一度サロンに行ってみたら、以下のところをチェックしましょう。- 料金
- カット後の持ちの良さ
- 店内の印象
- スタッフの対応
- 愛犬が怖がっていないか
また、上手なトリマーさんはカット後も持ちがよく形が崩れにくいです。
技術力のあるトリマーさんにカットしてもらうことで、節約にもなるのです。
そしてトリミングサロンは長く定期的に通う場所でもあるので、飼い主さんとトリマーさんの相性も大事です。
気持ちの良いことばかりを言うのではなく、ワンちゃんのことを考え、いいことも悪いことも含めてアドバイスしてくれる相談者のような存在がいいのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか。ヨークシャテリアのお手入れについて解説しました。
毎日3分~5分の短いお手入れが、結果的に病気の予防になり長寿につながります。
コツをおさえて、効果的に美容と健康をキープしましょう。