★1.新しい環境はペットにとって不安です
ペットにとってなぜ引っ越しがストレスになるかというと、予告なしに生活環境が変化したからというのが大きいです。言葉が通じないペットにとって、引っ越しというのは突然の変化になりますので心の準備ができていません。また、ワンちゃんのように縄張り意識の強い動物にとっては、自分のテリトリーからいきなり未知の場所に連れてこられた感覚になるため、負担が大きくなるのです。人間よりも臭いや音に敏感なこともあり、変化による負担は計り知れません。ストレスで無駄吠えなどをすると、引っ越し手続きで余裕のない飼い主に怒られることも多く、疎外感からさらにストレスがたまります。★2.ペットのストレスを軽減させる方法とは
1 前の家で使っていたグッズを持っていく
全く自分になじみのないものに囲まれていては、不安が募るばかりです。前の家で使っていたおもちゃや毛布などのグッズを新居に持ち込んでおくと、自分の臭いがそばにあることでかなり気持ちが落ち着いてきます。新しく買い替えたいときには、新居に慣れてからの方がよいでしょう。2 トイレなどの配置はできるだけ前と同じにする
家の中でワンちゃんが移動するエリアは、前の家のグッズを持ち込むだけでなく、配置も似せておくと慣れやすくなります。ケージやトイレの位置や距離など、できる範囲で間取りが近くなるように設置しましょう。こうすることでワンちゃんもトイレの場所や休む場所をすぐに覚えますし、体が覚えている動きで必要な作業ができるため、安心します。3 慣れるまではできるだけ一緒にいてあげる
環境が変わったうえ、不安を訴えた飼い主さんから怒られては、ワンちゃんのストレスはたまる一方です。引っ越し直後は、前の家にいた時よりもできるだけ一緒にいる時間を作りましょう。仕事や学校などで平日の日中は家を空けざるを得ないとしても、休日や帰宅後はできるだけそばにいて、遊んであげたりなでたりとスキンシップを充実させます。聞きなれない物音や知らない人が来た時も、吠えるのを怒って止めるのではなく、大丈夫だと声をかけて安心させましょう。住まいが変わっても飼い主さんが変わらずそばにいると理解すれば、ワンちゃんの負担は大幅に軽減されます。ただし、甘やかしすぎると環境に慣れてからも飼い主さんの言うことを聞かなくなります。しつけはきちんと進めながら、ワンちゃんが落ち着ける環境づくりを目指しましょう。
4 散歩を積極的にする
ワンちゃんが新居に慣れない理由の一つが、屋内だけでなく外の様子も全く異なるためです。ずっと家の中にいたとしても、ワンちゃんの鋭い嗅覚は外の音や臭いが全く異なっていることを敏感に察知しており、家の中だけで安らげるようにしても完全には気を許すことがありません。そこで、ワンちゃんのストレス解消にもなり、新しい居住エリアに慣れさせることもできる散歩を積極的に行います。ワンちゃんは毎日散歩をしなければ落ち着けませんし、早めに散歩を始めることで、だんだん外の環境が自分に馴染んできます。そうなると、家出の無駄吠え等のストレス発散も徐々に減っていきます。
新しい環境ではどのような害虫が発生しているか、どこの道が車の通行量が多いか、線路があるなどのワンちゃんにとって危険な道があるかがわかりません。飼い主さんにとっても、ワンちゃんが楽しく散歩できるような安全性の高いコースを探したり、いざというときにすぐに連れていくことのできる動物病院を探したりと、散歩をすることでメリットが得られることも多いです。
★3.犬は新しい環境に慣れるまで3か月かかる
引っ越し直後のワンちゃんが落ち着かないのはある程度仕方ありませんが、いつまでたってもそわそわしていて、不安に思う飼い主さんもいます。個人差はもちろんありますが、ワンちゃんは新しい環境に慣れるまでには最低でも1カ月、長ければ3カ月近くかかることも珍しくありません。根気よく面倒を見てやれば、徐々に無駄吠えや食欲減退などが戻っていきますので、気長に待つようにしましょう。このように、ストレスは避けられない引っ越しにおいても、飼い主がある程度サポートをして不安を和らげることは可能です。忙しくて普段以上に時間や余裕がない飼い主さんも多いでしょうが、新生活を快適にスタートする意味でも、ペットの精神面や体調面の健全化のためにも、できる範囲でストレス軽減してあげましょう。