1.犬アレルギーとその原因とは?
喘息や犬アレルギーの人であれば、室内で犬を飼うのに躊躇しますが、マルチーズは比較的アレルギー体質の人でも飼いやすいという見解をアメリカの犬種協会が発表しています。しかしその犬アレルギーとはそもそもどのような理由で症状を起こすのでしょうか。
アレルギーを引き起こす原因として、抜け毛と考えられがちですが単に毛だけが原因とは言えず、犬の毛に付いた垢や古い皮膚であるフケなど。そしてこれらの成分である犬独特のタンパク質が大きな原因となります。また、このタンパク質は「Can f1」と言われていて、皮膚や毛に付着しているだけでなく、尿や唾液にも含まれるもの。この物質が粒子状となって空気中に浮遊してしまうため、それを人間が吸い込むことによってアレルギー症状が引き起こされてしまいます。
このたんぱく質が放出される量が多い犬種であれば、アレルギー症状を引き起こす可能性が高くなる犬種。しかしCan f1を放出しやすい犬種は毛の量や毛の長さが基準となるものではなく、抜け毛の多い犬種であることが分かっています。
つまり抜け毛の多い犬種は、比較的短毛種のものが多いため、マルチーズのような長毛種はアレルギー症状を起こしにくい犬種と言えるのです。
2.マルチーズ以外で犬アレルギーや喘息の人が飼いやすい犬種
マルチーズ以外にも犬アレルギーの人でも飼いやすい犬種としてまず、シュナウザーが挙げられます。シュナウザーにはスタンダードとミニチュアの種類がありますが、どちらの種類であっても毛が抜けにくい上に皮脂の分泌が少ないため、アレルゲンの少ない犬種。
また、従順で利口な性格からもとても人気のある犬種です。
そしてプードルもおすすめ。プードルはスタンダードとトイ、どちらの種類であっても抜け毛が少なくアレルゲンの放出の少ない犬種です。また、トリミングが必要な犬種ではありますが、このトリミングをまめに行うことによってアレルゲンの放出をさらに抑えることができるので、犬のためにもアレルギー対策のためにもトリミングをこまめに行うことを心がけると良いでしょう。
ポーチュギーズ・ウォータードッグもおすすめの犬種。この犬種はオバマ大統領の愛犬の種類ですが、オバマ大統領自身もアレルギーが少ない犬であるということを一つの基準として選んだ犬種でもあります。人懐っこく運動が好きな犬種になるので、アレルゲンを気にする方はもちろん外遊びを一緒に楽しみたい人にはおすすめの犬種となります。ヨークシャテリアはヨーキーとも呼ばれていますが、とても小さい犬種。まっすぐで美しい毛は抜け毛が少なく、その小ささもあって自宅でもシャンプーしやすいことが特徴です。まめにシャンプーをしてあげたいけど、なかなかトリミングに連れて行けないような人にもおすすめできる犬種となります。
3.喘息や犬アレルギーの人が犬を飼う場合のポイント
犬は毛の生え方によってシングルコートとダブルコートというタイプに分けられますが、このうちのシングルコートは毛の抜けにくい犬種と言われているもので、例として挙げた犬種もこのシングルコートの犬種。シングルコートの犬種は毛が伸び続けるタイプが多いため、ブラッシングやまめなシャンプーやトリミングが必要となります。
また、シングルコートの犬であっても全くアレルゲンが出ないかというとそうとは言えないもの。そのためにもアレルゲンを意識した犬の手入れをしっかりと行う必要があるでしょう。犬を飼うことはそれ相応の責任が長期間発生するもの。自分のアレルギー症状がどのような程度のものかをしっかりと踏まえた上で、自分の生活スタイルも加味しながら犬種を選ぶ必要があるでしょう。