1.健康診断の開始時期と受診間隔とは
新しく子犬を迎えた場合、新しく迎えてから1週間ほど過ぎて、子犬が新しい環境や飼い主に慣れてきたころに動物病院に連れていきます。そのとき、伝染病予防のワクチン接種を受けるので、同時に初回の健康診断を受診します。この初回の健康診断で、先天性の病気などがないかチェックすることが重要です。
この伝染病予防のワクチン接種は通常3回受けます。初回は生後6~8週目あたりに受け、その後1か月程度おいて2回目、3回目と受けますが、状況や地域性にもよりますので、ワクチン接種の証明書をもらい、回数や種類を獣医師に相談しましょう。
初めての健康診断を終えたら、健康診断を受ける頻度の目安は、基本的に健康な犬の場合は、5~6歳までは一年に1回、7歳以上は半年に1回という頻度が理想です。ただ、持病を持っていたり、健康に不安がある犬の場合は、7歳前でも半年に1回の健康診断を受けさせる場合もありますので、獣医師と相談しながら健康診断を受診しましょう。
健康診断の受診時期は、動物病院側から定期的にハガキ等のDMでの案内が届いたり、ワクチンの予防摂取をする際に獣医師から勧められる場合もあります。おすすめは『ワクチン接種ついでに健康診断も行ってもらう』ことです。一番タイミングが分かりやすく、一度の受診で受けれるので忙しい飼い主でも時間短縮して受診できます。
2.主なチェック項目を知ろう
動物病院や専門機関では、犬の健康状態や病気を診断するために様々な検査を行っています。
注意すべき点は、1つの検査では判明しない病気があることです。
とくに6歳~8歳になると老化の兆しが表れ始めるため、病気の早期発見、早期治療のために、かかりつけの獣医師と相談して検査内容を決めるとよいでしょう。
健康診断での主な検査項目として、簡単なものであれば、問診、検温、触診、聴診器などがありますが、さらに愛犬の健康チェックに役立つ検査として主に「血液検査」、「尿検査」、「便検査」があり、より詳しい症状を調べる検査として、「レントゲン検査」、「超音波検査」があります。
血液検査では、血液(赤血球や白血球)や臓器(腎臓や肝臓)の状態、寄生虫(フィラリア症)の有無がわかり、さらに免疫の状態や、アレルギーの有無がわかります。
尿検査では泌尿器系や消化器系の病気がわかります。
便検査は、便の形から健康状態を見れるほか、消化器系の病気や寄生虫の発見に役立ちます。
レントゲン検査は異物誤飲の検査には欠かせませんが、ほかにも骨格異常や怪我には欠かせない検査です。また、心臓、肺、消化器系の大きさや内部の状態がわかります。
超音波検査ではレントゲン検査では写りにくい細かい臓器の状態も映像化できるため、様々な臓器の状態を調べることが可能です。
レントゲン検査も超音波検査も落ち着いている犬であれば全身麻酔不要で受診することが可能です。
次に、内視鏡検査では全身麻酔が必要ですが、食道や胃、大腸などの消化器系の検査ができます。
また、その他にも主に高度医療を行う動物病院では「CT検査」と「MR検査」も行っています。それぞれ体内の状態を画像で見ることができますが、それぞれ確認しにくい部位があるため併用したほうがより正確な検査を行えます。どちらの検査も全身麻酔が必要ですが、体内の詳しい状況がわかるため、様々な病気の早期発見と治療に役立ちます。
まとめ
犬は人間の約5倍もの速さで年を取ると言われています。愛犬にいつまでも健康で長生きしてもらうためにも、定期的な健康診断はとても大切です。
とくに6歳~8歳になると老化の兆しが表れ始め、白内障や循環器疾患、腫瘍の発生が目立ち始めます。心臓病などの循環器トラブルな初期は見過ごされやすいため、獣医師と受診のタイミングや検査項目を相談しながら、健康診断を受診しましょう。
定期的な健康診断は、愛犬の病気の早期発見、早期治療につながります。受診を怠ったために、愛犬の病気に気づけず治療が遅れるなどというようなことがないように、必ず定期的に健康診断を受診しましょう。
また検査には時間がかかるので、受診する動物病院への予約は必須です。一週間前から最低でも3日前までにはかかりつけの動物病院に連絡を入れるようにしましょう。その際、検査内容によっては前日の餌を抜く必要があったり、入院が必要であったりするので、必ず獣医師に確認するようにしてください。
定期的な健康診断のほかにも、愛犬に異常があった場合にはすぐに動物病院に相談することが大切です。愛犬の異常にすぐに気づけるためにも、食欲や食事の仕方、量、排便や排尿、体温、脂肪の付き具合やしこりが無いかなど、愛犬との日々のスキンシップの中で健康状態をチェックするように心がけましょう。愛犬がいつまでも健康で長生きするためには、定期的な健康診断だけではなく、日々のお手入れや健康チェックも大切な事なのです。