【獣医師監修】愛犬の車酔いの原因とその対処方法について

ワンちゃんと一緒にドライブなどを楽しみたいと思っているけれど、「車酔いしないか心配」「車酔いしてしまうからドライブには行けない」という飼い主さんは多いのではないでしょうか? また、普段は車を利用していないけど、どうしても車に乗る必要がある場合など、「慣れていないから大丈夫かな?」という不安もありますよね。

ワンちゃんの車酔いには原因があります。原因を理解して対処することができればワンちゃんと一緒にドライブすることも可能になるかもしれません。 そこで、今回はワンちゃんの車酔いの原因と対処方法についてご紹介したいと思います。

1.ワンちゃんの車酔いの原因は?

車酔いの原因2つ

ワンちゃんが車酔いを起こしてしまう原因は人間の車酔いとさほど違いはありません。原因を大きく分けると物理的な原因心理的な原因の2つが考えられます。

(1)ワンちゃんの車酔い<物理的な原因>

車酔いの物理的な原因3つ

車内の匂い、車体の振動、エンジンの音などが挙げられます。特にワンちゃんは人と比べて嗅覚が発達しているため、飼い主が気づかないような匂いでも車酔いの原因となっている場合が多々あります。

(2)ワンちゃんの車酔い<心理的な原因>

心理的な原因「車=嫌なこと」

心理的な原因も大きく作用します。例えば今までに車酔いを経験したことがある子は、より酔いやすくなってしまいます。

病院に行くときに車に乗せるなどの習慣もワンちゃんの車に対する嫌な思い出を植え付けることがあります。病院が嫌いな子にとっては、車=病院=嫌なことになり、 車に対する苦手意識がストレッサーとなり、車酔いを起こす原因になることがあります。

2.ワンちゃんの車酔いの対処方法について

ポイント1:ワンちゃんの変化にすぐに気づいて

一番大事なのはワンちゃんが車酔いを起こしていることに気づいてあげることです。

【車酔いの際に見られる症状】
  • 震える
  • 頻繁にあくびをする
  • 落ち着きがない
  • よだれを垂らす
  • ふらつく
  • 嘔吐する

上記のような症状から車酔いを起こしていることにいち早く気づいてあげましょう。

ポイント2:車酔いかも?と感じたら休憩を

ワンちゃんの様子がいつもと異なるようであれば、自動車を止め、休憩時間を取ってあげましょう。少し外を歩くだけでもストレスが大きく軽減され、車酔いの解消ができます。

高速道路のパーキングエリアにドッグランの併設が増えているのも、ワンちゃんとドライブを楽しむ飼い主さんが増えていることもありますが、何よりワンちゃんのリフレッシュが目的となっているためです。

また車の窓を開けて空気を入れ替えるだけでもある程度症状の軽減につながります。

ポイント3:ストレスの軽減も大切

家族が声をかけてあげる、スキンシップをとるなどで不安を取り除いてあげましょう。物理的な環境が変わらなくても不安を和らげ、車酔いを軽減してあげることができます。

注意:このやり方は NGです

窓の外の景色を見せる

 外の景色を見せてあげるというのはありがちな間違いです。

人間にとっては外を見ることで車酔いを解消できる場合がありますが、ワンちゃんにとっては自分が座っているのに景色が動いているという感覚になれることができないため、車酔いを悪化させてしまいます。

また、車内の匂いが車酔いの原因になると前述しましたが、芳香剤などで匂いを消すのは止めてください。ワンちゃんにとって、人間が使う芳香剤はかなり刺激の強い匂いがするので、これも車酔いを悪化させる原因となりえます。

ワンちゃんが出しているサインにいち早く気づき、休憩をとってあげるなど犬のストレスを解消してあげることが車酔いからの快復につながります。

3.ワンちゃんの車酔いの予防方法について

ポイント1:大前提は車に慣れてもらうこと

根本的な車酔いの解決として、車に慣れてもらうことで、苦手意識を克服することが挙げられます。普段から短いドライブに連れていくなどして車内の環境に適応させることで、車に対してストレスを感じにくくなってくれます。最終的にワンちゃんがドライブを楽しんでくれるようになれば、車酔いを起こしにくくなるでしょう。

ワンちゃんの初めての車移動の注意点

ポイント2:ワンちゃんを乗せる準備も重要

また、車内の設備をしっかり整えておくことも大事な予防方法です。ワンちゃんを乗せるときはそのままシートの上に座らせるのではなく、キャリーやクレートを利用しましょう。落ち着ける空間に居られることで車酔いの予防が期待できます。

キャリーやクレートの利用は、車酔いの予防だけでなく、ワンちゃんの安全のためにも重要です。ついでに、キャリーやクレートにワンちゃんが普段、使用しているタオルや毛布を入れておきましょう。自分の匂いが付いているので安心できます。

ポイント3:車内の匂い対策

車内の匂いの対策としては車内を清潔にしておき、匂いの発生を抑えておきましょう。

消臭する場合には前述したとおり芳香剤は逆効果なので、匂いが出ないものを使いましょう。あるいは車内用の空気清浄機で匂いを根本的に絶つという方法も効果的です。

ポイント4:ドライブ前のご飯はタイミングが大切

おなかがいっぱいになると人と同じように嘔吐しやすくなります。ドライブ直前にしっかりとご飯を食べさせるというのは控えてください。

ドライブ前のご飯のタイミングは、出かける2~3時間前が理想的です。同様の理由でドライブ中のおやつも与えすぎには注意が必要です。

では、ドライブ前のご飯は止めておこうも NGです!!空腹の状態では嗅覚が敏感になり、匂いが原因となる車酔いを起こしやすくなるため、ほどほどに与えておくことが大事です。

ポイント5:普段以上の安全運転も大切

ドライブ中は急ブレーキや急カーブといった荒い運転はやめて安全運転を心がけましょう。そして長距離のドライブならばこまめに休憩をとってワンちゃんのストレスを解消してあげることが必要となります。

4.車酔いツボやアロマを使って対策する

ワンちゃんのマッサージやアロマも、最近では当たり前となっていますね。マッサージやアロマでも車酔いを予防することが出来ます。

とは言え、個体差がありますので絶対に車酔いしないということではありませんのでご了承ください。

(1)車酔い対策のツボ

内関

車に乗る前に内関を指圧してあげてください。片足のみ、両足、どちらでも OKです。

車酔いしちゃったかな?と感じた場合には、少し強めに指圧してあげましょう。

築賓

内関同様に、車に乗る前、乗った後、どちらの場合にも効果があります。内関よりも効果が高い傾向にあるため、内関でも車酔いがよくならない場合などは築賓を指圧してみてください。

耳のツボ

両方のお耳の付け根を軽くマッサージするという方法も車酔いの症状を緩和する効果があります。お顔の周りはマッサージすると気持ち良いと感じる部分がたくさんあります。

まとめ

ワンちゃんの車酔いは原因を見つけてあげることが大切です。ワンちゃんが車に慣れること、車の環境を整えることが犬の車酔いの予防につながります。あまりひどい場合には酔い止めの薬を使うという方法もあります。人が使う酔い止めと同じようなものが、犬にも用意されています。

ですが、人と同じ成分だからと人間用の酔い止めを与えるという行為は絶対にしないでください。

酔い止めが効くかどうかには個体差もありますが、どうしても車酔いを起こしてしまうワンちゃんの場合には頼ってみてもいいでしょう。薬を使用する場合には、事前に獣医師に相談して処方してもらいましょう。

[cta-hospital]

日本獣医生命科学大学卒業

現在は世田谷区にある箱崎動物病院にて勤務。ペットとご家族の疑問やトラブルをなんでも解決できるよう、じっくりとお話ができるような診療を心がけています。

 

▶監修医のプロフィールはこちら