1.犬にもハーブやアロマは使って大丈夫?
アロマセラピーの効果は人、犬の心身にも働きます。適切に使用することで犬の問題行動や健康状態を改善することができるでしょう。
2.注意点9つ
① 100%純粋なエッセンシャルオイルを使用しましょう。
合成物質や化学物質を含んだオイルは安価ですが、効果は期待できません。むしろそれらが犬に害を及ぼす危険性もあります。
② 濃度に気を付けましょう。
エッセンシャルオイルは、いわば”植物の濃縮エキス”です。人間が使うときも希釈しますが、犬に使用するときは特に濃度に気をつけてください。小型犬や刺激に敏感な犬には、より刺激の少ないハイドロゾルの使用をお勧めします。これは濃縮されていないので、そのまま使用することができます。希釈だけを目的とするなら、オリーブオイルなどのキャリアオイルでエッセンシャルオイルを薄めるのも良いでしょう。
おおまかなガイドラインとしては、15mlのキャリアオイルに、10~15滴程度のエッセンシャルオイルを加えてください。小型犬やシニア犬、身体の弱っている犬にはこれよりも少量を使用しましょう。初めて使用する際も、より少量から試してみる方が賢明です。
③犬にとって有害なエッセンシャルオイルを知りましょう。
クローブやヨモギは、犬には強い皮膚刺激と毒性を発揮します。ペニーロイヤルはノミや害虫除けのガーデニングハーブとして知られていますが、腎臓や神経系に非常に有毒です。ジュニパーウッドも腎臓への毒性があります。よく似た名前で安全なジュニパーベリーと間違えないよう気を付けましょう。その他、使用前に必ず毒性の有無を確認してください。
④犬の健康状態に合わせて使用しましょう。
妊娠中の犬やてんかんを患っている犬には刺激は強すぎるので、使用は避けた方が良いでしょう。室内飼いの場合、人が使用するオイルの香りが害になることもありますので、どうしても使いたい場合は獣医師に相談してください。
⑤光毒性のあるオイルに注意しましょう。
オレンジスイートやベルガモットなどの柑橘系オイルは、消臭やノミ予防の効果があるのでブラッシングスプレーや寝床の消臭剤として使用したいオイルです。ですが光毒性といって、紫外線と反応すると有毒物質に変わる成分が含まれています。生の果実に含まれる量では問題ありませんが、精油を犬がなめると嘔吐や目まい、重篤な場合だと肝機能障害を引き起こす危険があります。また皮膚への炎症を起こすおそれもあるので、使用後の散歩は控えましょう。
⑥直接塗布する部位に注意しましょう。
ブラッシングスプレーやマッサージの際は、粘膜周辺に塗らないよう注意しましょう。また塗布する前に、傷がないかよく確認しましょう。肌トラブルに精油の配合された軟膏を使うこともありますが、外傷がある場合、塗布の刺激が苦痛になることもあります。獣医師の判断を仰ぎ、適切な治療を受けてください。
⑦使い過ぎに注意しましょう。
香りが犬の身体に作用するのは、成分が鼻の受容体と結合し脳内の神経制御物質の分泌を促すためです。安全性の高いものでも長期間の使用は身体に負担を与える危険性があります。
⑧妄信しないようにしましょう。
アロマやハーブは自然由来で身体に優しいですが、サプリメントと同じで効果はゆっくりです。急な病気や大きなけが、命にかかわるような病気には従来の医薬品が効果的な場合も多くあります。アロマセラピーと従来薬の両方をうまく利用し、犬の健康に役立ててください。
⑨犬の気持ちを優先しましょう。
良い効果があっても、犬自身が歓迎していなければストレスになるだけです。また動物は本能的に危険なものの匂いを察知する能力があります。安全と謳われているものでも、犬自身が嫌がる場合なんらかの問題がある可能性もありますので、無理強いしない方が良いでしょう。
3.日常的に使うために
犬への使用には人間にする以上の慎重さが必要ですが、上手く使っていけば良い効果が得られるだけでなく、犬と飼い主で同じ香りを共有できる楽しみも得られるでしょう。快適なペットライフのため、アロマやハーブを役に立てましょう。