もくじ
1.ワンちゃんドックって?
犬にも人間と同様に健康診断があります。それがワンちゃんドックです。犬は身体の不調を訴えることができず、人間と比較して病気の発見が遅れがちです。犬の1年は人間の4~6年程度といわれており、短期間で体調が変化したり、老化に伴う病気や症状が出てくることもあります。定期的にワンちゃんドックを受けることが大切です。
2.ワンちゃんドックの種類と値段(参考価格)
ワンちゃんドックの費用は動物病院によって違いがあります。コースごとに含まれている検査内容や項目も違ってくるため、事前に確認して納得した上で受けさせてあげるようにしましょう。
ワンちゃんドックの費用として、獣医さんによる基本的な問診や観察、血液検査と尿・便検査をしてもらうと、7,000円程度かかります。
さらにレントゲン検査やエコー検査など機械を使用した検査が含まれると15,000円程度になります。眼科や歯科の検査など細かい検査も含めたフルコースで30,000円程度かかる病院もあります。
甲状腺ホルモンの検査や心臓エコー検査などの検査は、別途5,000円~7,000円程度必要になる病院も多いです。
3.ワンちゃんドックにかかる時間
ワンちゃんドックを受けると、検査の内容にもよりますが、2,3時間程度かかります。ワンちゃんドックを受けることにより、病気の早期発見ができ、早期に治療が始められることは大きなメリットです。検査結果の書類を保存しておくことで、前の検査結果との違いを確認することができます。
またワンちゃんドックの検査結果や獣医さんからのアドバイスを受けることで、えさの量や運動といった日々の生活を見直すきっかけとなり、より愛犬の健康を維持することにつながるでしょう。
4.検査項目
ワンちゃんドックの検査項目の代表的なものは以下となります。
- 血液検査
- 尿検査
- 便検、
- 胸部・腹部レントゲン検査
- 腹部・心臓エコー検査
- 心電図検査
- 歯科検査
ひとつの検査結果で身体の状態のすべてが分かるわけではなく、それぞれの検査に得意分野があり、総合して判断することが必要です。検査項目が多いほど、さまざまな角度から身体の状態を確認でき、異常がある場合に発見しやすくなります。検査項目が多くなるほど費用は高くなりますが、それにより検査の精度が高まるので必要な出費といえるでしょう。
血液検査では少量の血液を採取し、糖尿病や内臓の異常、栄養の状態、ミネラルのバランス、感染症の有無などが分かります。身体の炎症についても把握できるため、けがの有無も分かります。別途費用が必要なことが多い甲状腺ホルモン検査ですが、甲状腺機能低下症を発見する助けとなります。この病気は、犬によくある病気ですが、なかなか気づきにくい病気であるといわれています。
尿検査により腎臓の病気や結石、糖尿病などが分かります。便検査は、寄生虫の有無や腸内細菌の状態が分かり、胃腸の状態の指標となります。
レントゲン検査は表面から見ることのできない、身体の内部の写真を撮ることができ、陰影を読み取って判断します。レントゲン検査は骨折などの骨の異常や肺炎等の呼吸器系の病気の診断が可能です。心臓に異常がある場合には、心臓のサイズが大きくなることがあり、それもレントゲン検査で発見することができます。
エコー検査は、レントゲンでは確認できない腹部の腫瘍等の発見に役立ちます。検査器具を身体に押し付けるため、検査の精度を上げるために腹部の毛刈りをすることがあるので、気になる方は事前に確認してみましょう。また心臓の動きをリアルタイムで観察することができ、問題がないか評価することができます。心電図検査により不整脈など心臓のリズムが分かるため、それらを併用して心臓の検査をします。
犬の食生活の変化や高齢化に伴い、歯周病や虫歯にかかる犬も増えているそうです。歯科検査により早期発見し、自宅でのケアが必要であれば方法を教わるとよいでしょう。
5.ワンちゃんドックにいくタイミング
ワンちゃんドックを受けるタイミングは、動物病院によって多少の違いがありますが、年に1、2回程度受けることが推奨されています。ある程度年齢を重ね、7歳を過ぎた頃から年に2回受けることが望ましいようです。
飼い主さんの考え方にもよりますが、ワンちゃんドックも決して安価なものではなく、どのくらい検査を受けさせてあげたいか、という思い次第で頻度を決めることも必要でしょう。ワンちゃんドックを受けることは犬にとって決して楽しいことではない、ということも頭に入れておいてください。
愛犬がいつもと比べて元気がない、気になることがあるという時には早めに動物病院を受診し、まめに獣医さんに診察してもらうことも大切です。
6.ワンちゃんドックの事前の準備と受け方
多くの動物病院では、ワンちゃんドックを受ける時には事前に予約することが必要です。検査項目によって違ってきますが、絶食が必要な場合もあるので確認しておきましょう。尿や便を持参する必要があることもあります。
年齢や予防接種歴、避妊・去勢手術等の問診票を記入し、ワンちゃんドックは始まります。獣医さんや看護師さんの指示に従って検査を受けましょう。検査の時に暴れたりするとやむなく検査が中止になることもあり、何度も受診したことのある慣れた病院で受けることが望ましいです。検査はすべて動物病院に任せて、終了後に迎えに行くだけでよい動物病院もあります。
7.ワンちゃんドックを受けられる病院
ワンちゃんドックも普及し、多くの病院で受けられるようになっていますが、全ての病院で受けられるわけではありません。病院のサイトに実施の有無を書いてある場合が多いので、確認してみましょう。事前に予約が必要なことが多いので、病院に問い合わせをするのが無難です。
検査費用や内容も病院ごとに特徴があるので、確認してから受けるかどうか決めるのが望ましいです。
まとめ
ペットも家族の一員として考えるようになり、ワンちゃんドックも広がってきました。検査内容も人間と同様に多くの項目があり、病気の早期発見に役立ちます。対応が遅くなればそれだけ治療も難しいため、ワンちゃんドックを活用するようにしたいですね。