1.相談内容:皮膚炎なの?
ラサ・アプソを飼っている飼い主さんからの相談
飼っているラサ・アプソ犬が9歳を迎えおじいちゃん犬なのかどうか不安になっています。
そんなときに、犬の背中がべたつくという異常を発見しました。背中がべたつくだけではなく、犬が寝転がった床を拭くと薄く黄色い色も付くということでこれは何かの病気なのではないかと不安です。
また、べたつきは素人目から見ても脂と認識できるようなもので背中を撫でてもべたつく状況でしたが、皮膚のただれやぼろぼろになっている様子もなくかゆそうな素振りも見せていないため、病院へ連れて行ったほうがいいのか自分では判断することができず相談しました。
獣医師の回答1
ラサ・アプソに限らず犬は9歳を迎えると老犬といわれます。
そのため、様々なトラブルを引き起こしやすくなるので生活環境や食事の面で注意が必要になってくる年齢でもあります。
皮膚のべたつきに関してですが、床を拭いて黄色くなるということは明らかに異常であり重度のべたつきであるため速やかに病院にいくことをおすすめします。
ただし、こういった症状の場合病気の特定が難しくはっきりとしないケースが多いため皮膚科の専門医を探してから行くようにしましょう。
おそらく脂漏症の可能性が疑われますが、犬種や年齢、かゆみのなさや脂の分泌量から皮膚だけではなく甲状腺機能低下症といった内分泌疾患まで検査する必要があります。
今の時点では、脂が出ているだけで皮膚に影響はないですが放っておくとマラセチアや細菌による感染を起こしたり取り返しのつかない状況に陥ることもあるので早急な対処が求められます。
一緒に過ごしている飼い主さんがもし「いつもと違う」と感じたときにはすでに症状が進行している場合が多く、病院へ連れて行こうか悩んでいる間に手遅れになってしまうケースもあります。
そういった事態を引き起こさないためにも、いつもと違う症状に気づいたときはすぐに病院へ行き診察をしてもらうことが何よりも重要です。
また、緊急時などに対応してくれる病院を事前に調べておくと何かあったときにすぐ対処できるのでおすすめです。
獣医師の回答2
体がべたべたする体質を脂漏症といいますが、その症状だけでは脂漏症と断定することはできません。
脂漏症は犬の皮脂分泌が盛んで起こる病気ですが、それだけではなく角化症を併発してしまう場合もあります。角化症とは、フケが異常に多かったり洗っても皮膚が脂っぽいなどの症状が特徴。
そのほかにも皮膚の乾燥などがあげられますが、一部が象の皮膚のように固く厚ぼったくなったら角化症である可能性が高くなります。
今のところ目に見えて皮膚に異常は見られていないとのことですが、角化症は皮膚病の中でもっとも多く発症する病気といわれているため放っておくと簡単に併発してしまう可能性もあります。
脂の原因が脂漏症だった場合、様々な皮膚感染を起こしやすくなるため注意が必要です。
また、黄色い脂ということはかなり症状が進行していることが考えられるためすぐに病院にいくことをおすすめします。
脂漏症を治療する場合、原因を引き起こしている基礎疾患が見つかればそちらを優先的に治療して脂漏症の症状を緩和させます。
もし、基礎疾患がない場合は、シャンプーや食事など体の内側と外側から治療して改善を試みます。
軽度であれば、それで治ることもありますが重度であれば投薬による治療を行わなければならず費用がかさんでしまうといったケースも。
どちらにしろ、早めに診察を受けることが大切です。
診察を受ける際には生活環境や食事などで注意しなければいけないことなどアドバイスをもらうのが良いでしょう。