吸血による皮膚炎や貧血をおこすだけではなく、多くの病原体を媒介するので注意が必要です。
今回はマダニの感染経路、大きさ、取り方、生息地や対策について解説します。
1.マダニって何?
・人や猫・犬など、哺乳類の血を吸う
・強い吸着力を持ち、一度噛みつかれると自力ではとれない
・森林や草むらに生息している
・比較的の大型3~4 mmで、肉眼で確認できる
・痒みはさほどないが、感染症を媒体することがある
・梅雨~秋に活動が活発になる。
ダニと聞くと、家の中のカーペットや布団にいるダニを想像する方が多いのではないでしょうか。
それはイエダニという種類の住宅に潜むダニで、刺された直後から強い痒みをもたらします。
噛む力は弱く、必ず服の下の肌(柔らかい部分)を刺します。
そしてマダニというのは、他のダニよりも大きく肉眼で確認できます。
山や川、草むらなどに潜んでいて、哺乳類の血液を狙っています。
吸着力が非常に強く、肌の露出している部分に噛みつきます。
一度噛みつかれると一週間以上吸血をし、自力でとることができないので注意が必要です。
無理に引っ張ると、口下片だけが皮内に残って炎症をおこしまいます。
また、噛まれることで感染症を引き起こしてしまう可能性があります。
2. マダニから感染する可能性のある病気
ペットにも人間にも感染する可能性のある感染症は、以下のものが考えられます。
ひとつずつみていきましょう。
(1)ライム病
症状:皮膚症状、神経症状、発熱、食欲不振などマダニからペットや人にも感染します。
人に感染した場合、皮膚症状、起立不能、歩行異常や神経過敏などの神経症状 、関節炎などがみられます。
(2)日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)
症状:発熱、全身の発疹マダニがリケッチアという病原体をうつすことで、日本紅斑熱を引き起こすことがあります。
発熱、全身の発疹などの症状だけでなく、死亡する場合もある大変危険な病気です。
(3)SFTS(重症熱性血小板減少症候群)
症状:犬や猫も完成するが、発症はしない。人間に感染すると、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)
頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状.
リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状。
最悪の場合死に至る。(致死率は12%)
潜伏期:マダニに噛まれてから6日~2週間
ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染すると言われています。
3.対策
基本的に茂みや草むらにいかなければ良いのですが、ペットの散歩や、キャンプ・登山などのアウトドアは楽しみたいですよね。
マダニのリスクを下げる心構えだけは持っておきましょう。
(1)人編
ペットを飼っていなくても、野生動物が生息する山や川に行く機会があれば、注意が必要です。
以下の事を知識として持っておきましょう。
・草むらでは、肌の露出をなるべくしない。
・虫よけスプレーを使用する。2時間おきにかけなおす。
・草木にむやみに近づかない。特に笹には注意。
・動物の痕跡がある場所は特に注意する。
・帰宅後は全身をチェックしてから家に入る。
山や川に行く際は、長袖の上着や、丈の長いパンツを履きましょう。
20cm以上の草であればマダニがいる可能性は十分にあります。
また、マダニは動物を吸血した後、ほとんど動きません。
つまり日常的に動物が通る場所は、マダニが待ち受けている可能性が高いといいます。
そしてマダニは唾液に麻酔効果が含まれているので、噛まれていても気づかない場合があります。
家の中に持ち込んでしまい、住宅に寄生されてしまうと大変なので、全身をくまなくチェックしましょう。
(2)ペット編
愛犬の身を守るのはもちろんですが。
他のペットや人にうつってしまう可能性もあります。
動物を飼うマナーとして、しっかりと防虫はしておきましょう。
また、猫の場合も同様に外出から帰ってきた際は、チェックしてあげましょう。
・動物病院であらかじめ、ノミ・ダニよけの薬を処方してもらう
・お出かけの後は、マダニに噛まれていないかチェックしましょう。
・犬猫の場合、目・鼻・耳・胸部・内股・お尻周り(肛門)を重点的にチェックします。
・もしも噛まれていた無理に引き抜かずに、動物病を受診しましょう。
4.噛まれたらどうすればいい?
・人についていても、ペットについていても、自力で取ろうとしない。
マダニは一度噛みつくと、1週間に渡って吸血をします。
あまり呼吸をしないため、水の中にいれても窒息することがありません。
お風呂で取ろうとしても無駄です。
ネットでは線香であぶる方法や、アルコールを付ける方法など様々な対象法が紹介されていますが、失敗して、口の部分だけが皮膚に残ってしまい炎症を起こす可能性もあります。
無理をせずに、すみやかに病院に行きましょう。
またもうすでに刺し終わっていて、何の虫かは分からない、マダニか判断しかねる時は、様子をみましょう。
38度以上の高熱、下痢・嘔吐、血尿などの症状がでたら、すみやかに病院を受診しましょう。
・人の場合→皮膚科をすぐに受診
人の場合も、マダニを無理にとってはいけません。
病院で安全にとってもらうのが一番です。
行院に行けば、噛みつかれている皮膚ごと削られるので多少の痛みはあるかもしれませんが、治療なので我慢しましょう。
・動物の場合→動物病院をすぐに受診
吸着してから最初の48時間が最も感染症のリスクが高いと言われてます。
いちはやく病院、もしくは動物病院を受診しましょう。
近くの動物病院を探すにはペットライフが便利です。
まとめ
いかがでしたか。マダニはペットを飼っている人たちだけの問題ではなく、誰しも身近に潜んでいるということがお分かりいただけたでしょうか。
夏のレジャーの際には、特に気をつけたいですね。
そしてもし刺されてしまっても、落ち着いて対処しましょう。