1.フローリングは犬にどのような影響を与えるのか

- ツルツルとすべってしまい、体勢を崩す
- ジャンプしたり飛び降りた時、着地に失敗し転ぶ
- 余計な力が関節や肢に加わり、筋肉を傷めたり捻挫する
- 階段から落ちやすい
2.フローリングのすべりが原因となる代表的な疾患

(1)膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)
膝蓋骨脱臼とは、犬の後ろ脚にある膝蓋骨(膝のお皿)が、通常は滑車溝(かっしゃこう)という溝にはまっているのですが、何らかの理由で外れてしまうことを指します。 後足の膝の骨(膝蓋骨)が内側にずれ、進行すると歩行も困難になってしまいます。 肥満や高いところから飛び降りた際の衝撃も原因に挙げられますが、もっとも多いのは、室内飼育における床のすべりです。 かかりやすい犬種:トイプードル、ヨークシャテリア、プードルなど(2)椎間板ヘルニア
背骨の間にある椎間板が飛び出し、神経を圧迫する病気で、慢性的に進行する場合もありますが、ほとんどはジャンプや転倒での突発性で、進行すると脚がマヒし、立つことすらできません。 さらに、椎間板が神経細胞に刺さり、脊髄軟化症を発症してしまうと、一週間ほどで命を落としてしまうこともあります。 特に軟骨異栄養犬種と呼ばれる、椎間板内の水分が脱水しやすい下記の犬種は注意です。 かかりやすい犬種:ミニチュア・ダックスフンド、ウェルシュ・コーギー・ペンブローク、フレンチ・ブルドッグ、シー・ズー、ビーグルなど合わせてこちらもご覧ください トイプードルはヘルニアになりやすいの?ヘルニアの症状とは? |
(3)股関節形成不全
股関節が緩み、炎症による痛みなどで歩き方にも異常が表れます。 遺伝性の発症は大型犬には多く見られますが、中・小型犬の場合は、その多くがフローロングのすべりなどの、環境的な原因によるものです。 遺伝性の場合は関節を人工のものに置き換えるなどの手術をしなくてはいけない場合もあります。 足腰に負担のかからない環境を整えることが何よりの予防です。 かかりやすい犬種:ポメラニアン、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ボーダー・コリーなど(4)レッグ・ペルテス
骨盤と接する側の大腿骨の先端が壊死してしまう病気で、特に小型犬の成長期に多く表れます。 遺伝性のものとも考えられていますが、床のすべりが助長させてしまうケースもあります。 一度かかってしまうと、治療は手術以外に方法がなく、壊死した部分を切除したり、関節を人工のものに置き換えるなどの処置を施す必要があります。 かかりやすい犬種:トイ・プードル、ヨークシャー・テリア、成長期の犬など3.対策

(1)ペット用マット

(2)コルクマット

(3)ペット用ワックス

(4)滑り止めスプレー

(5)犬用すべりどめ靴下
