身体の小さなチワワにとってお散歩は、ストレス発散や肥満防止に欠かせない運動です。今回は、チワワの散歩の重要性と躾の基本について紹介します。
(1)チワワだって散歩は必要です
チワワにとってお散歩は、健康維持と社会性を身に着ける為にとても重要です。身体が小さいからと言って、お家の中での遊びだけでは運動量も不十分です。いつも同じ景色だけを見て過ごしていると視野が狭くなり、見知らぬ人や物に対して過剰に恐怖心を抱くようになります。飼い主さん以外の人に懐きにくくなるので、その分躾も難しくなります。
また、室内にずっといる事でストレスがたまり、心と体のバランスを崩す原因にもなるので注意しましょう。
散歩で飼い主さん以外の人や他の犬との触れ合いの場が増えると、自然と触れ合い方やコミュニケーションの方法を学び、脳の働きが活発になります。飼い主さんと一緒に歩くことで信頼関係をより一層深め、主従関係の構築に繋がります。
広々とした場所で思いっきり走ったり、ボール遊び(有酸素運動)をさせることで、エンドルフィンという心地よさを感じる物質が分泌されます。定期的な運動は、心肺機能や免疫力を高め、筋肉を発達させるので怪我のしにくい体作りや肥満防止に効果的です。
(2)チワワの散歩の躾方
チワワは学習能力が非常に高いわんちゃんです。一度嫌な経験をすると、長く引きずりやすい傾向にあります。なので、お散歩デビューの際には無理をさせないよう、徐々に経験値を積ませてあげましょう。
まず始めに、お家の中でリードを装着して、一緒に歩き回ります。最初は慣れないリード自体を嫌がるかもしれませんが、毎日少しずつ装着し一緒に歩き回ることで、徐々に慣れてきます。
リードに慣れたら、お外に出てみましょう。最初のうちは、お家の周りやお庭からスタートします。チワワはとても臆病で警戒心が強いので、いきなり大きな道路や車の通りの多い道に連れ出すと、恐怖心を植え付けてしまう可能性があります。出来るだけリラックスした状態をキープさせつつ、お外の空気に慣れさせてあげましょう。
お外に慣れてきたら、本格的なお散歩デビューです。身体の小さなチワワは、車や自転車の運転手から認識されにくいので、飼い主さんが車道側を歩き、安全を確認しながら散歩してください。段差や障害物にも注意が必要です。骨の弱い犬種なので、高い段差を無理にジャンプさせたりすると、関節や骨を痛める可能性があります。また、チワワの目線より高い原っぱに入ると、目に葉っぱが当たるなどして怪我をするかもしれません。出来る限り視界の広がったフラットな道を選んで散歩するようにしましょう。
お散歩デビューで肝心なのが、チワワに好き勝手に歩かせないことです。主従関係の構築に必要な「リーダーウォーク」を意識しながら歩きます。「リーダーウォーク」は、飼い主さんが前を歩き、犬が飼い主さんのペースに合わせて歩くことを指します。始めのうちは、チワワの好奇心が勝り、前へ前へと進もうとします。特に人とすれ違う際に興奮して急に吠えたり、急発進する可能性があります。この時飼い主さんは、出来るだけリードを短く持ち、道路に飛び出さないようにしてください。吠えることをやめない時は一度立ち止まり、おとなしくなるまでじっと待ちましょう。落ち着いたら、もう一度チワワの前を歩くようにしてください。これを繰り返すことで散歩のルールを学習し、徐々に問題なく歩けるようになります。
恐怖心の強いチワワの場合、歩くこと自体を拒否することがあります。その場合も同様に立ち止まって下さい。体に異常がないのであれば、ただのワガママです。チワワが自分から歩き始めるまで待ちます。自分から歩き始めたら、その場で思いっきり褒めてあげて下さい。ちゃんと歩いたら褒められるという事を学習し、ワガママを言わなくなります。最初のうちは小さなお菓子やドックフードを数粒持って行き、飼い主さんの言う事が聞けたら、ご褒美をあげるというシステムも効果的です。いやいや期を過ぎれば自ら率先して歩くようになるので、始めのうちにリーダーウォークを覚えさせることが、とても重要です。
(3)チワワの散歩の適量ってどれくらい?
身体の小さなチワワですが、一日に必要な運動量は15分前後と言われています。距離に換算すると、約1キロメートルです。運動時間だけなら、室内遊びだけでも十分クリアできますが、しつけをする上では不十分と言えます。
社会性を身に着けつつ、リフレッシュの時間として15分程度のお散歩を1日1回~2回するのが妥当です。15分以上継続しての運動はチワワの身体に負担がかかるので、注意してください。また、真夏のアスファルトはとても熱く、肉球を火傷する危険性あるので、夏の暑い時期は朝方・夕方の涼しい時間に散歩をするようにしましょう。
チワワにとって散歩は、社会性と健康維持に欠かせません。散歩を通して人や他のわんちゃんとの触れ合い方を学ぶことが出来ます。適切な時間を守り、チワワのペースに合わせたしつけを心掛けて、信頼関係を深めましょう。