■犬にもお風呂は必要なの?
昔から人間と共存関係を築いてきた犬ですが、元をたどれば野生の動物。たまにシャンプーで体を洗ってあげることはあっても、お風呂にまで入れる必要があるのか?と疑問に思う飼い主さんも少なくないでしょう。結論からいうと、犬の入浴はしてもしなくてもOKです。体を清潔に保つには、1か月から2か月に一度の専用シャンプーで十分ですので、どんな犬でも必ず頻繁に入浴をさせなければならないというものではありません。やんちゃで外に遊びに連れ出すたびに体を汚す犬や手足を舐める癖のある犬ならお風呂に入れてあげたほうがより衛生面としては安心ですが、水が苦手な犬を無理やりお風呂に入れる必要はありません。犬の生活パターンや好みに合わせてお風呂に入れるかどうかを決めることをおすすめします。
■犬もお風呂は気持ちいいの?
犬にとってお風呂が気持ちいいかどうかを知るすべはありませんが、お風呂に入るのを好む犬も少なからず存在します。水やお湯に対して恐怖心や不快感を抱かない犬なら、飼い主と一緒にいられる場所として認識し、好んでお風呂に入ることもあります。しかし、やはりお風呂どころか2か月に1度のシャンプーすらも苦戦してしまうほどの水嫌いの犬が多いというのも事実です。こうした水嫌いの犬を無理やりお風呂に入れるのはやめましょう。犬が嫌がることを無理やりさせようとすると、犬と飼い主の間の信頼関係がくずれてしまう可能性があります。
どうしても犬と一緒にお風呂に入りたいという方や、衛生面が気になるのでお風呂が平気な犬になってほしい方は、子犬のころから水やお湯に慣らしておくことが必要になります。ワクチンの接種が済んだ頃から水やお湯に少しずつ触れさせることで水に対する恐怖心や不快感をつけさせずに育てることができます。あくまで犬の反応を見つつ、嫌がるようならすぐにやめてあげましょう。
■犬のお風呂の入れ方
犬をお風呂に入れる際は、頻度やお湯の温度などに十分注意する必要があります。犬のお風呂の上手な入れ方について解説します。
① 標準頻度
犬をお風呂に入れる頻度は、月に1回から2回ほどがよいでしょう。犬には毛が生えているので、皮膚の清潔は自然と保たれています。そのため、週に何度もお風呂に入れる必要はありません。あまり頻繁に犬を入浴させると、お湯で体に必要な脂分が失われ、皮膚のトラブルが起こりやすくなってしまいます。皮膚のトラブルによって乾燥やかゆみが引き起こされると犬がかきむしってしまい、できた傷口から雑菌が入ってしまう可能性もあるので、入浴させすぎには注意が必要です。
② 温度の目安
犬をお風呂に入れる際は、人間以上に使うお湯の温度に気を使う必要があります。犬の入浴では、平熱よりも1度から2度高い温度のお湯を用意しましょう。犬の平熱は人間の平熱よりやや高く、子犬で38度~39度台、成犬で37度~38度台であることが多いので、人間が入るお湯よりも少しぬるめの温度のお湯がおすすめです。犬の体は人間ほど体温調節の機能が充実していないので、お湯の温度の調整は非常に大切です。お湯がぬるすぎれば体を十分芯まで温めることができないので入浴後に体が冷えやすく、反対に熱すぎれば温まりすぎてしまうので体に負担がかかります。温度計などでお湯の温度を測りながら微調整し、ちょうどよい温かさのお湯に入れてあげるようにしましょう。
③ 上手な入れ方とは
●お風呂に入れる前にあらかじめ汚れを落とす
犬の体には毛やほこりなどさまざまな汚れがついているので、入浴前に念入りにブラッシングなどを行ってあらかた汚れを落としておくのがおすすめです。ほこりなどを落として毛並みを整えておくことで体を洗ったり、シャンプーをしたりしやすくなります。
●犬の恐怖心をあおらない
初めてお風呂に入る犬は、急に大量のお湯をかけられるとびっくりしてしまいます。犬をお風呂に入れる際は、手足を少しずつ濡らし、徐々にお湯をゆっくりとかけていくようにしましょう。また、人間用の深いバスタブに恐怖心を抱く犬もいますので、浅い桶や犬用のバスタブなどを用意してあげるのがおすすめです。■シャンプーは使いすぎないようにしよう
犬をお風呂に入れるタイミングで一緒にシャンプーも行う方も多いでしょう。お湯の温度の項目でも触れましたが、犬の皮膚は洗いすぎると思わぬ皮膚のトラブルにつながる場合があります。たとえ犬用のシャンプーでも、使い過ぎは禁物です。1か月から2か月に1度くらいの頻度を保ち、洗いすぎないよう十分注意しましょう。犬をお風呂に入れることは清潔を保つ上で有効ではありますが、入浴させるお湯の温度や入浴の頻度、犬を怖がらせないなど、注意するべきポイントをしっかりと守ることが大切です。犬の健康を損なわないように配慮し、安全な入浴を心がけましょう。