ペットは人間と違って言葉を話せないので、飼い主さんが気付くまで体調不良があっても対応してあげられません。飼い主さんが普段から観察をして病気のサインを見逃さないことが大切です。
そこで、病気ごとの猫のサインについてご紹介します。
★体のサイン
・目
眼やにが普段よりも出る場合には、角膜炎や白内障・網膜はく離などの眼の病気の他に、全身的な免疫力の低下などが考えられます。角膜炎はホコリなどの異物や外傷などで角膜に傷がついたり、細菌やウイルスに感染したりすることで起きます。角膜炎は角膜のむくみで白っぽく見えることもあります。そのままにしておくと潰瘍化したり、失明してしまうケースがあります。よくテーブルやソファーなど普段ならぶつからないはずのところにぶつかる場合には、緑内障や関節などの病気が考えられます。緑内障は、眼球の眼圧が高まることによって視神経や網膜に悪影響を及ぼして視野が悪くなる病気です。内臓の病気や神経の病気でも眼やにが多くなったり、輝きを失ったり、瞳孔の大きさが左右で変わったりします。いつもと眼の様子が違ったら病院に連れていきましょう。
・耳
しきりに耳をかく状態が続く場合には、外耳炎・耳介血腫などの可能性があります。外耳炎の原因には酵母菌、耳ダニ、細菌の繁殖などがあります。外耳炎を起こすとかゆみにより顔を洗う仕草やこすりつけるような仕草を見せるほか、耳の後ろを搔き壊したり、強い異臭を放ったりします。炎症がひどくなり、感染が進むと鼓膜が破れることもあります。
耳介血腫は見てすぐにわかりますが耳介部分に体液が溜まり、膨らみます。サインはわかりやすいので気が付いたら早めにかかりつけの動物病院で処置をしてもらいましょう。
・鼻
鼻水やくしゃみが頻繁に出る場合は、気管支炎・結膜炎・肺炎・副鼻腔炎、鼻にできる腫瘍などがあります。
気管支炎は、気管に炎症が起こるため、激しい咳が起こる病気です。ネコにのみ感染するウイルスやマイコプラズマや細菌の複合感染が原因とされています。
結膜炎になると涙が増えるので鼻水やくしゃみが増えます。掻き壊すとやはり潰瘍化することもあり、顔を洗う仕草を頻繁に見せたりきちんと眼が開かない時はすぐに病院へ行きましょう。
肺炎の場合はウイルスや細菌の感染にストレスや加齢など様々な要因が重なって発症します。猫の肺炎は予後が悪いことも多く、長引く呼吸器症状があれば、早めに病院へ行きましょう。
副鼻腔炎は、鼻の奥にある空洞部分に炎症が起こる病気のことで、鼻水やくしゃみが最初に現れます。悪化すると、膿のような鼻水が出たり、血も混じったりする場合があります。また鼻が詰まることでうまく呼吸が出来ず、口をあけて呼吸をするようになったり、顔を触られると痛がって嫌がったりするといった行動も見られます。通常の治療ではこれらの症状がいつまでも治らない場合は腫瘍の可能性もあります。たかがくしゃみされどくしゃみ、増えてきたかなと思ったら病院で様子を見ていいか診察を受けましょう。
・口
いつもよりも口臭が気になるという場合には、歯周病や腎臓の病気などが考えられます。
歯周病は、初期の場合歯茎に炎症が起こります。症状が進むと歯茎全体だけでなく歯を支える部分の骨にまで炎症が及ぶので、歯が抜けてしまうといったケースに繋がります。毎日の歯磨きが習慣化できたら理想的ですが、猫ちゃんへの歯磨きはとても双方ストレスになることも多いので、ケアについてはかかりつけの獣医さんに相談して見ましょう。また定期的に動物病院検診や歯石除去の処置を受けることもオススメです。
腎臓の病気になると、毒素が血液中に出てきて、口臭の原因になることもあり、またそのほかの内臓の病気でも歯周病菌が増えて臭くなるので異常な悪臭があればやはり病院で診察を受けると安心ですね。
・皮膚
皮膚にブツブツとした発疹が出来る場合には、アレルギー性皮膚炎・アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などが考えられます。
ノミ・ダニによる皮膚炎では、ノミやダニの唾液に含まれるたんぱく質に反応をして、アレルギー症状が皮膚に現れます。その場合、激しいかゆみや痛みが伴い、脱毛や皮膚のただれといった症状が出ます。
アトピー性皮膚炎は、アレルゲン物質が体内に入ったり皮膚に付着したりすることで、かゆみや湿疹が出ることがあります。
ブツブツができたら薬用シャンプーなどが効果的なのでかかりつけの先生に相談して見てください。
★体重増減のサイン
体重が急激に増えたり減ったりする場合にも、病気の可能性が考えられます。 急激な体重減少は、胃腸炎などによって消化不良になる、疾病による食欲の減少などが考えられます。
体重が急に増加した場合には、避妊・去勢によるホルモンバランスの乱れ、体内の水分量が調節できないことによるむくみなどがあります。それ以外に、ホルモンが過剰に分泌されることによって食欲が異常に増して体重が増加してしまうこともあります。
★猫の様子のサイン
・ぐったりしている
いつもは元気に遊んだりしているのに、急に元気がなくなったりすぐに息が上がってしまうような時は、消化器、呼吸器、循環器、内分泌、神経、あらゆる病気の可能性が考えられます。
特に猫に急性反応を起こす代表的な病気は膵炎と尿閉塞、心筋症です。このような病気の中には急性に死亡する病気もあるので急にぐったりしたらすぐに病院へ行きましょう。
特に猫に急性反応を起こす代表的な病気は膵炎と尿閉塞、心筋症です。このような病気の中には急性に死亡する病気もあるので急にぐったりしたらすぐに病院へ行きましょう。
・落ち着きがない
何もしていないのに、急に元気になる場合には甲状腺機能亢進症の場合があります。この病気は新陳代謝を促す働きを持つ甲状腺ホルモンの分泌が過剰になることが原因で、高齢のネコがなりやすいとされています。また、心臓の動きがおかしくなっても落ち着きがなくなりますし、それ以外の体の変調でも猫ちゃんは落ち着きがなくなります。明らかな症状がないと病院で相談しづらいかもしれませんが、「おかしいな」という直感は意外と当たっているのでかかりつけの先生に相談してみてください。
・歩き方がいつもと違う
歩き方が普段と違う場合には、関節炎、椎間板ヘルニア、糖尿病・中耳炎・中毒、脳炎、前庭疾患などの可能性があります。
歩き方がいつもと違うというのは、びっこをひいたり、いつもなら滑らない場所で転んだりすることです。いつも遊んでいる台にのぼれない、床を滑りながら歩くようになった、まっすぐ歩けないなどの変化があればすぐに病院に行きましょう。
・食欲がない
食欲がないといった症状は、「体が健康な状態ではない」時にほぼ起きる症状です。気をつけて欲しいのが、猫は基本的には症状を隠す生き物で食欲が人間が気付くほど減っているときは非常に病態は進行している可能性があるということです。また、人間で換算すると4〜6倍ほど早く時間が経っている猫ちゃんたちは、1週間食べなければ人間で言えば1ヶ月食べていないことになります。好き嫌いが多くてわかりにくい子もいるかもしれませんが、「食べなく」なったらすぐに病院に行くよう心がけてください。
・眠り方がいつもと違う
睡眠時間が長かったり、反対に不眠、うずくまるような寝姿といった場合にも病気が隠れていることも少なくありません。まず痛みがあると安眠ができません。睡眠を司るホルモンや神経も関係しています。
不眠に加えて食欲も減少している場合には、ストレスや認知症の可能性があります。あまり神経質になる必要はありませんが、あまりに寝ていなかったり長く寝すぎているときはまずは病院でみてもらいましょう。
★まとめ
普段の生活の中でペットの異変に気づいてあげられるのは飼い主さんしかいませんが、猫は症状を隠しやすく、わかりにくいこともあります。また、自覚症状のない病気は見ただけでは分からない場合があります。観察だけでは見つけることができない病気も早く見つけるために定期的な検診はとても有用です。元気で長生きしてもらうためにも、「EPARKペットライフ」でかかりつけの病院を見つけておくことをオススメします。