【獣医師監修】【猫の抜け毛対策】多い?少ない?猫の抜け毛で病気を疑うレベルの判断基準

にゃんこは毛が抜ける動物だから、抜け毛くらいは心配ないと思っていませんか?にゃんこの抜け毛はストレスや病気によって起こることもあります。

からだに問題のない抜け毛と病気などの可能性がある抜け毛の判断基準についてご紹介します。

1.自然に抜ける猫の換毛期について

猫の換毛期の目安

にゃんこやわんこなど動物には換毛期があります。からだを覆っている被毛の衣替えのようなイメージです。

にゃんこの換毛期は 11月ごろと3月ごろと言われ、春のほうが抜け毛が多い特徴があります。

換毛期の場合、全身の被毛がまんべんなく抜けます。1つの毛穴から10本程度被毛が生えているため、抜ける量も相当です。

春や秋に抜け毛が増えている、全身の被毛がまんべなく抜けている状態であれば特に問題はありません。 

【室内飼いの場合には換毛期のサイクルが乱れやすい】

にゃんこの換毛期には気温や日照時間などの環境が関係しています。

完全室内飼いの場合には、室内の温度差があまりないなどの理由により、換毛期のサイクルが乱れやすくなります。

換毛期のサイクルが乱れると、 1年中毛が抜ける状態となってしまうため、日々のブラッシングなどこまめなケアが必要です。

2.ストレスが原因の抜け毛

(1)グルーミングのしすぎで抜け毛が増える

にゃんこは自分のからだを舐めて毛づくろいをします。これをグルーミングと言い、獲物を捕獲する際に自分のニオイを消すために行う本能的な行為です。

グルーミングする猫

このグルーミングは、何か嫌なことがあった時に自分の気持ちを落ち着かせる、ストレスの発散方法としても行われます。ストレスが強い場合、グルーミングの頻度が高くなり抜け毛の原因となります。

頻繁にからだを舐める仕草をしている場合にはストレスを感じている可能性があります。

(2)ハゲができる

ケガや病気などでハゲが出来てしまうこともありますが、ストレスによって毛細血管が収縮してしまい、血行の悪化をまねき、毛が抜けてしまうのです。根元をよく見て、擦り切れているのか、抜け落ちているのか見て見ましょう

(3)ストレスの対策方法

にゃんこは繊細な性格をしているため、ストレスを感じやすいという特徴があります。

完全室内飼いの場合、外にでることが出来ないなど行動が制限された状況に置かれるため、ストレスを感じやすくなります。また、ご飯の位置やトイレの位置が急に変わるなど、とちょっとした環境の変化もストレスと感じる場合があります。

ストレスの原因を除いてあげるようにしましょう。

3.病気が原因の抜け毛

抜け毛がついたブラシの画像


(1)どのくらいの量なら皮膚病の可能性あり?

全体的に抜けるのではなく、地肌が見えるほどの束で抜けている場合には、皮膚病や内臓の病気の可能性が考えられます。放置しておくと治るまでに時間がかかったり、ひどく悪化したりするので、抜け方がおかしいと感じるようなら、動物病院へ連れていくようにしてください。

また、どこの毛が抜けているかという事は、病気を特定する上で重要な手掛かりとなります。病院へ連れていく際は、その情報も合わせて先生に診察してもらうようにしてください。  

(2)皮膚に赤みがある場合の抜け毛

皮膚に赤みがある場合、怪我や内出血、炎症などの症状が、現在進行形で発生していることが考えられます。炎症の場合は多くはかゆみを伴いますし、かゆみや痛みを伴うことが多く、かわいそうなので病院で診察と処置を受けてください。  

(3)かゆがる場合の抜け毛

猫がかゆがるのは、外的要因か内的要因により、皮膚が炎症を起こすためです。外的要因として考えられるのは、ダニやノミに対するアレルギー症状、細菌などの感染症、紫外線による炎症などが考えられます。内的要因については、アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎、ストレスなどが考えられます。猫がしきりに体をかくようなら、皮膚の問題ではなく神経に異常がある場合もあります。毛が抜けていない場合でも動物病院へ連れていくようにしてください。

(4)かゆがらない場合の抜け毛

かゆがらない抜け毛の場合はホルモンバランスや内分泌疾患の可能性があります。またよく見ると擦り切れているだけの場合は舐め壊しているだけのこともあります。
一向に生えてこない脱毛箇所がある場合は、かかりつけの先生に相談して見ましょう。 

(5)フケがある

フケは健康な猫でも出るものですが、多すぎる場合は病気の可能性があります。

フケの原因としては、乾燥やストレス、体質、感染症、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などが挙げられます。乾燥やストレスに関しては、保湿剤や加湿器の利用など環境を変化させてあげることで改善できるかもしれません。

病気によるフケの場合は、治療が必要なことが多いので、早めにかかりつけの先生に相談しましょう。

4.抜け毛の場所を確認しましょう

病気による脱毛の場合には、抜けている場所も重要な手がかりとなります。

抜け毛の場所やその他の症状

5.抜け毛の対応策

(1)ブラッシング

ブラッシングされる猫の画像

猫の抜け毛対応策としてブラッシングは基本です。毛の短い猫であれば週 2回程度、毛の長い猫であれば毎日ブラッシングすることをおすすめします。抜け毛は放置しておくと、猫がそれを取ろうとして舐めてしまい、胃の中で毛玉になってしまいます。上手く吐き出せたり、排泄できれば良いのですが、最悪の場合、胃の出口に詰まらせたりして開腹手術をしなければいけなくなったりします。

ブラッシングは嫌がる子もいるのですが、習慣にすることで身体中の「健康な状態」を飼い主さんが肌感覚で捉えられるのもメリットの一つです。いつもより熱い、冷たい、デキモノがあるなどもブラッシングの習慣があると早く気付きますね。忙しい生活で無理のないペースで構わないので習慣にして見てください。  

(2)お風呂に入れる

お風呂に慣れている子限定ですが、お風呂でシャンプーしてあげると、抜け毛を一気に減らせることができます。

ほとんどの猫は水が嫌いなため、入れられ慣れていない子を入れるのは急激な血糖の上昇を伴ったり、怪我や事故などの原因になり、危険なので無理せずに動物病院の猫グルーミングを利用してください。猫が小さいうちからお風呂に入れる習慣をつけてあげると、水を怖がらなくなるのでおすすめです。

(3)栄養バランスを気を付ける

猫の毛が束で抜ける原因の 1つにビタミン欠乏症があります。

栄養バランスは手作りご飯をあげている場合やおやつをたくさんあげている場合に崩れることが多いため、そういった食生活の猫ちゃんは栄養バランスを見直すことで、抜け毛が改善される可能性があります。普段のご飯に市販のフードやサプリメントを混ぜてあげるなどの方法により、栄養バランスを整えてあげてください。  

まとめ

「猫の抜け毛」は飼育していると割と頻繁に見る現象です。あまり神経質になりすぎることはないですが、大きな病気が潜んでいることもあるので、いつまでも治らない「ハゲ」がある場合はかかりつけの病院で診察を受けてください

監修獣医師 塩谷 朋子

渋谷区どうぶつ病院ルル元院長。
10年間院長として活躍した豊富や診察経験他民放テレビやインターネット、雑誌や書籍などさまざまな媒体にも出演、寄稿している。

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