【獣医師監修】猫が特にかかりやすいのはこの6つの病気!代表的症状と普段からの心掛け

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かわいいねこちゃんと少しでも長く幸せに暮らすためには、ねこちゃんがかかりやすい病気や予防について知っておくと良いですね。症状を知っておくことで飼い主さんが早く気付くことができれば、早期治療につながりますし、普段から病気の予防のためにできることもあります。また、病気になってしまった後の管理なども知っておくと良いこともあります。
今ねこちゃんと暮らしている飼い主さんも、これからねこちゃんの飼い主さんになる人も知っておきたい、6種類の病気について説明していきます。  

★猫カゼ(ウイルス性猫鼻気管炎)

(1)症状

眼や鼻に症状が出やすいのが猫カゼの特徴です。結膜炎や角膜炎、進展して角膜潰瘍を発症するので、目やにが出たり、鼻水が出たりするので顔が汚れたようになります。また、口内炎や舌の炎症など、口の中にも症状が出ることもあります。
感染力が強く、感染した猫が近くにいると、くしゃみなどでうつってしまいます。特に抵抗力の弱い子猫が感染すると命に関わることもある病気です。外で保護した子猫は猫カゼによって大量の目やにが出ていることがよくあります。角膜炎や角膜潰瘍の後遺症によって目が白濁したり、眼球がつぶれてしまうこともあります。  

(2)原因

猫カゼの原因はウイルスや細菌などがあります。ヘルペスウイルス、カリシウイルス、クラミジアが原因で、一つだけが原因ではなく、複数が関係して様々な症状を引き起こしていることが多いです。 

(3)普段からの心掛け

猫カゼになりにくくするには、ワクチンをすることです。動物病院で「3種ワクチン」をすることで、病気になる確率を下げたり、なっても症状を軽くすることができます。生後2か月前後に一回目のワクチンをしますが、ワクチンをする前は他のねこちゃんとの接触や、飼い主さんが外からウイルスを持ち込まないように注意が必要です。特にワクチンを打っていないほかの仔猫や外の猫との接触には注意が必要です。
一度感染すると、神経の中にウイルスが残るのが特徴です。ストレスや免疫力の低下によって再び症状が出たり、ウイルスが体の外に出たりするため、感染していないねこちゃんと同じ空間で飼育することはできません。
猫カゼにかかりにくくするためには、ねこちゃんは完全室内飼いをすることをおすすめします。猫カゼ以外にもねこちゃん同志の接触で感染する病気があるのと、現在の日本の交通環境ではお外では交通事故に遭う確率がとても高いからです。 

★アレルギー性皮膚炎

(1)症状

かゆみや皮膚にぶつぶつができたり、脱毛が起きたりします。顔(特に唇)や背中や尻尾に起こることが多く、ずっと体をかいたり舐めたりすることで、炎症がひどくなることがあります。また、ねこちゃんが体をかゆそうにしていなくても、かさぶたができていることもあります。

(2)原因

アレルギーの原因は非常に多岐にわたり、また発症機序にもまだ解明されていないことも多いです。多くの場合で食物に対するアレルギーと環境アレルゲン(アレルギーの原因)に対して起きるアトピー性皮膚炎は併発しており、このような個体の皮膚は弱く、ばい菌やカビに負けやすいです。そのため、アレルギーのある子は蚊やノミなどの外部寄生虫に対して、より大きく全身的な症状が出やすいことが特徴です。

(3)普段からの心掛け

不純物を含まないフードを選ぶこと、定期駆虫で蚊やノミ、ダニなどの外部寄生虫への感作を減らすことはアレルギー発症予防に効果的です。ねこちゃんが生活する場所を清潔にすることは環境アレルゲンへの感作を減らすために有効です。 
食事によるアレルギーは抗原性が変わりやすく様々な要因と絡み合って症状に結びつくため原因の特定が難しく、食物アレルギーが疑われるときは獣医さんと相談のうえフードを切り替えることが必要になります。食べ物だけで症状になることはほとんどなく、アレルギーを起こさないフードを見つけるには時間がかかることもありますが、人為的に減らせるアレルゲンの重大な要素なので常に気を配ることは大切です。フードの切り替えに関しては獣医師によく相談しましょう。  

★尿石症

(1)症状

おしっこの色が赤い、おしっこがキラキラしているなど、おしっこの状態が変わります。また、トイレに行く回数が増えるのに、おしっこが少ししか出ていない、まったく出ない、トイレ以外の場所でするなどトイレの問題も症状の一つです。 

(2)原因

食事の内容や、肥満、運動不足、体質などが挙げられます。マグネシウムなどミネラルのバランスが崩れることも原因の一つと言われていますが、直接的な発症までのメカニズムは不明です。 

(3)普段からの心掛け

なるべく早く気付くためには、おしっこの色や特に量、回数を確認するなどトイレのチェックを欠かさないようにします。ねこちゃんはおしっこの問題が多い動物です。トイレが汚れていたり気に入らなかったりすると、おしっこを我慢してしまうこともあり、トイレを清潔にしておしっこを我慢させないようにします。その他には、水を多く飲ませる工夫や、運動不足にならないようにすること、あまりおやつや食べ慣れないものを与えないことも大切です。
ねこちゃんの年齢によってマグネシウムが問題になったり、カルシウムが問題になったりします。ミネラルのバランスをとるために、下部尿路疾患に対応したフードにすることも予防法の一つです。 

★慢性腎不全

(1)症状

水をたくさん飲みおしっこが多くなるのが初期の代表的な症状です。末期の腎不全ではおしっこの量は減ります。他には、体重が減る、食欲がなくなる、口が臭くなるがありますが、初期では飼い主さんが気付きにくいこともあります。 

(2)症状

進行すると、おしっこの老廃物が体の外に出ないことでおきる尿毒症による症状が強く出ます。嘔吐が多くなったり、痩せたり、貧血なども進んでいきます。いよいよ末期では痙攣や昏睡などの神経症状が出るようになります。 

(2)原因

慢性腎不全は、加齢によって腎臓の機能が低下することが主な原因です。そのため、高齢の猫ちゃんで多く起こる病気として知られていますが、特に原因がなく若くてもなる子もたくさんいます。  

(3)普段からの心掛け

慢性腎不全は徐々に進行していくので気付きにくいという特徴があります。慢性腎不全を一番早く見つける方法は、健康そうに見えるときから血液検査を定期的に行うことです。症状に出る時には病状はかなり進行していることが多いです。誕生日や毎年のワクチン接種日などわかりやすい日を決めて、キャットドックの日としましょう。腎不全は今の所完治することがない病気ですが、早く症状に気付くことや、腎臓に負担の少ないご飯を食べさせることで、進行を防ぐことができます。何も症状がなくても大人になったら健康診断を受けるようにしましょう。  

★呼吸器感染症

(1)症状

猫カゼと同じ病気で、鼻水やくしゃみなどの鼻炎のような症状や、結膜炎、舌や口の中の炎症が出ます。原因となるウイルスや細菌によって症状は違いますが、共通している症状は、目の症状と、くしゃみなどの鼻の症状です。 

(2)症状

口の中の症状が悪化すると潰瘍となり、痛みから食事ができなります。
呼吸器感染症は、悪化すると肺炎を引き起こし命に関わることもあります。特に抵抗力の弱い子猫が感染すると危険です。  

(2)原因

原因はカリシウイルス、ヘルペスウイルス、クラミジアなどのウイルスや細菌などが複数関係しています。一度感染すると、症状が回復した後もウイルスは体内に残り、免疫力の低下などで再び症状が出る病気です。  

(3)普段からの心掛け

猫カゼ同様に、ワクチンで発病する確率を下げたり症状を軽くすることができる病気です。一度感染するとウイルスを保持し続け、ストレスなどでウイルスが体の外に出ます。  

★糖尿病

(1)症状

水をたくさん飲みおしっこが多くくさくなる、たくさん食べるようになる、痩せてくるといった症状があらわれます。病気がかなり進行すると、やせ細って元気がなくなり、食欲不振になります。 

(2)原因

原因は遺伝的な要因や、膵臓への刺激、ストレスによる膵臓機能の低下、食事の問題などがあります。猫の糖尿病の病態は複雑で血糖値が高いからと言って糖尿病であり治療が必要と限りません。 

(3)普段からの心掛け

糖尿病の一部のタイプは、予防するには、肥満にならないように食事に気を付けることで防げますし、発病してからも食事の管理だけで維持することができます。ダイエット方法などは獣医さんと相談をして行った方が良いでしょう。急激に運動させたりお食事を減らすと関節や肝臓に負担がかかり別の病気の原因になってしまいます。



以上、ねこちゃんがかかりやすい病気には、ワクチンや駆虫薬で防げるものがあること、色や量、回数などトイレを普段からチェックをすることで早期発見ができる病気もあり、食事の内容や回数に気をつける事で予防できる病気もあります。日頃から、「今は健康な状態」を把握し、「変だな」と思ったら様子を見て良いか診察に連れて行くように心がけましょう。ちょっとした普段の心がけで少しでも長く健康に、ねこちゃんと暮らしていきたいですね。

渋谷区どうぶつ病院ルル元院長。

10年間院長として活躍した豊富や診察経験他民放テレビやインターネット、雑誌や書籍などさまざまな媒体にも出演、寄稿している。

 

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