【ドッグラン特集】トラブルに巻き込まれた場合の対処法

ドッグランは飼い主さんの管理下のもと、ノーリードで自由に愛犬を遊ばせられる場所です。
愛犬と開放感のある特別なコミュニケーションがとれる場所というだけあって、近年注目を集めています。
日本全国にどんどん新しいドッグランができていっているのは、愛犬家からすると楽しい風潮ですよね。
しかし、たくさんのワンちゃんと人が集う場では残念なことにトラブルがつきもの。
今回はドッグランで起こりうるトラブルの対処方法について解説します。

1.ドッグランとは


・飼い主さんの管理の下、ワンちゃんをノーリードで運動させられる場所
・愛犬の運動不足解消、他のワンちゃんとのコミュニケーション、飼い主さん同士の交流の目的でも利用されている。

上の画像のように公園の一角がドッグランとして区切られているものが一般的ですが、中にはプールや遊具が設置されていたり、トリミングサロンやカフェが併設されている室内のドッグランもあります。
近年愛犬の中でドッグラン目当てでの旅行が注目を集めており、全国に有料、無料の施設が点在しています。
愛犬と一緒に遊びに行ける場所が増えることは嬉しいことですね。
しかし一方でトラブル報告も後を絶たず、飼い主さんたちのマナーの向上や、ルールの徹底化が重要視されています。

2.ドッグランでのトラブル事例

 

・ワンちゃんが興奮して噛みつき、死亡させてしまう。

ワンちゃんが興奮して噛みつき、ケガを負わせてしまう。

・ワンちゃん同士のケンカを止めようとして飼い主さんがケガをしてしまう。

・ケガをさせたワンちゃんの飼い主さんが逃げてしまう。連絡先を偽装する。

・子供がワンちゃんを追いかけたり、乱暴をして怯えさせる。

・子供がワンちゃんに噛まれて責任問題になる。

・アレルギーのあるワンちゃんに、他のワンちゃんの飼い主さんが与えてはいけない食べ物をあげてしまう。

・マウンティングや威嚇が発端となり、飼い主さん同士がケンカになる。

・入場する時に誤って、他のワンちゃんをドッグラン外に脱走させてしまう。

・ワンちゃん達がおもちゃやおやつの取り合いをして、ケンカになる。

・ヒート(発情)期間中のメス犬に反応し、複数のオス犬が流血のケンカをする。

上記の様なトラブルが、過去にドッグランで起こっています。
こうした事態を防ぐために今一度、ドッグランの基本的なルールを再確認しましょう。

基本的なドッグランのルールはこちらをご覧ください。
トラブル回避に知っておこう!ドッグランでの基本的な7つのマナー

3.ケンカが起きる前兆を知ろう

ドッグランのトラブルの中で最も多い原因がワンちゃん同士のケンカです。
ケンカを未然に防ぐために「あ、このパターンは危ないかも」というワンちゃんのサインに飼い主さんが気づけるようにしましょう。

(1)吠える・睨みあう・唸る


・他の子にむやみに吠えたり、睨んでくるワンちゃんには近づかないようにしましょう。

・愛犬が他のワンちゃんに威嚇してしまったら、その場を離れ、落ち着かせましょう。

ワンちゃん同士は、態度で恐怖・敵意・服従を表現します。
こうした態度に早々に気づけるようになりましょう。
もしこれからドッグランに入ろうとしている時に、こうしたワンちゃんが柵の中にいたら、少し様子を見るか、入場を諦めるのも安全のためには必要です。

(2)3匹以上の群れをつくる


・多頭飼いの飼い主さん同士が一緒にならないように注意しましょう

2~3匹、またはそれ以上の数のワンちゃんが群れをつくると、トラブルをひき起こす原因になります。
ケンカが始まる前に、極力群れをつくらせな
いように心がけましょう。

(3)他の子のおもちゃやおやつに興味を持つ


・ボール遊びをしているワンちゃんの近くには近寄らないようにしましょう。

ワンちゃんには所有欲があり、たとえ他のワンちゃんのものでも「欲しい」と興味を持ったら奪いに行ってしまうことがあります。
原則ドッグランではボール遊びが禁止されているのですが、まれにその認識がなく遊んでいることがあります。
取り合いのケンカは流血になる可能性もあるので愛犬がそちらに興味がいかないように距離をとりましょう。

(4)マウンティングをする・執拗に追いかける


・色々なワンちゃんにマウンティング(腰振り)したり、追いかけているワンちゃんがいたら、近寄らない。

・もし愛犬が他のワンちゃんにちょっかいを出したら、すぐに引き離しクールダウンさせましょう。

『マウンティングは犬の本能だから、人間が介入するのは間違っている』という主張の人もいます。
たしかにマウンティングをしたり、されたりするパワーバランスが偏っていない様子であれば、遊びのなので問題はないかもしれません。
しかし感染症のリスクや、愛犬に他の子の体液がかかることに気分を害す飼い主さんもいるので、早々に引き離すのが得策です。
また、体格差があった場合、遊んでいるつもりでも爪痕や噛み跡などの、ケガを負わせてしまう可能性もあります。

4.ケンカ防止のためにできること


・愛犬から目を離さない

ドッグランは飼い主さん同士の情報交換をする有効な場でもありますが、お話しが盛り上がって愛犬そっちのけになってはいけません。

・できる限り愛犬のそばにいる

愛犬がもし他の子にちょっかいを他の子に出したり、襲われたりした時に、すぐに守ってあげれるように、可能な限りそばにいましょう。

・首輪を着用させる

もし何かあった時に、すぐに愛犬を引き寄せたりリードをつけたりできるように、ドッグラン内では首輪をつけてあげましょう。

・相性の悪いワンちゃんがいたら、退場するという選択

時には、愛犬と相性の悪い子がいたり、ドッグランの雰囲気が悪い日もあるでしょう。
そんな時は、愛犬の安全のために、帰るかしばらく周りを歩いたりし
た後で戻ってくるようにしてみましょう。
「せっかく来たのに」「雰囲気を悪くしている奴が出ていくべきだ!」と意地を張ってしまうと、後で後悔するかもしれません。
安全に代えられるものはないと肝に銘じておきましょう。

5.ケンカが起きてしまった時の対処方法

(1)小型・中型犬同士のケンカの場合

・水をかける

・ケンカをしている間に体で割って入り、足で止める(手は出さない)

・足を愛犬のお腹の下に入れ、持ち上げてひっくり返す

・しっぽをつかんで持ち上げる

小型兼といえど、噛む力は50キロを超すと言われていますので、甘く見てはいけません。
ケンカが起こると、飼い主さんは慌てて愛犬を引き離そうとして手を出し、咬まれてケガをしてしまうことがよくあります。
むやみに手を出すのはやめましょう。
もし、飼い主さんがケガを負ってしまった場合は、たとえ軽症でも、とりあえず病院へ行き、医師の診察を受けてください。
その上で、当事者同士で話し合い解決してください。

この時、念のため狂犬病の注射をしているか確認することをおすすめします。
超小型犬の場合は、噛まれないように注意しながら、持ち上げて引き離してしまってもいいでしょう。

(2)大型犬のケンカの場合

・水をかける

・Tシャツやパーカーなどの布で視界をふさぎ、ひるんだ隙に引き離す。

・両手で後ろ足を持ち上げる。

・モップなどの長い棒をつかって引き離し、別の空間に移動させる

大型犬のケンカを止めさせるために、むやみに間に入るのは危険です。
どんなに普段お利口さんでも興奮してしまったら愛犬も野獣だと思ってください。
多少荒いですが、布や棒などでいちはやく引き離しましょう。
ワンちゃんのケンカは長引くほどヒートアップしてしまいます。

(3)愛犬と遊んでいる時にドッグラン内でケンカが起きた場合

・ケンカが起きたら、愛犬も触発されてケンカに加勢してしまうかもしれません。すぐにリードをつけましょう。

・感情的になってヤジを飛ばしたりせずに、冷静になりましょう。


周りにいる飼い主さんは一旦、冷静になり愛犬の身の安全を確保しましょう。
愛犬がケンカに加勢したい素振りをみせたり、怯えたら、ドッグランから退場しましょう。

6.ケンカの当事者になった時に確認すること


・ケガをさせた飼い主さんには、けがをした人に適切な応急処置をすることが法的に義務付けられています(東京都動物の愛護及び管理に関する条例:第42条1項)。

・ドッグラン内のトラブルは、スペースの管理者を通してではなく、当事者同士(飼い主同市)で話し合いをするのが原則です。

居合わせた目撃者の確認等もふくめて、冷静に状況確認をして、今後のことを話し合いましょう。

やり取りの流れは以下を参考にしてください。

  1. お互いに携帯電話を所持している時は、その場で電話をかけ、番号が間違っていないかどうか確認する。
  2. 目撃者がいる場合は、その方の連絡先も聞いておく。
  3. 携帯電話を所持していない場合は、運転免許証などの身分証明書で、連絡先を確認させてもらう。
  4. 病院へ行く必要がある場合、咬んだ犬の飼い主にも同行してもらい、とりあえず近くの動物病院へ行く。(近隣の動物病院はペットライフで探すと早いです)
  5. 噛んだワンちゃんの飼い主に、1年以内に狂犬病の予防接種を受けさせているかどうか確認する。

7.ドッグラン内のケガはペット保険は適応されないかも


 ・ドッグラン内のケガは、通常のペット保険のプランならば適応されない。

・オプションのペット賠償責任特約に加入しておくことが必要。

 通常のペット保険であれば病気やけがの治療費に対して補償をする保険で、他人にケガをさせたり、他人のペットをケガさせて損害を与えてしまった場合には、保険金は出ません。その場合はオプションのペット賠償責任特約に加入しておくことが必要です。

この特約は月々100円前後で入ることができます。
ペット保険に加入済の飼い主さんも、よくドッグランを利用されている方は、この特約にも加入しているどうか確認することをオススメします。

ただし、保険会社によってはペット賠償責任特約ではドッグラン参加中のトラブルに対して保険金が支払われない場合があるので、各ペット保険会社のHPにて詳細を確認してください。

■主なペット保険会社
アニコム
オリコン満足度ランキング1位!ペット保険なら「PS保険」
ガーデン少額短期保険

■ペット賠償責任特約でドッグラン内の賠償は対象外としている保険会社
あんしんペット保険

ちなみに一社一社保険内容を確認したり資料請求するのがめんどくさいという方は無料のペット保険の資料一括請求サービスを利用すると楽です。
アニコム、PS保険の他にアイペット損害保険やアクサダイレクトいぬのきもち保険など、約10社の保険会社に対して一括で無料で資料請求ができますよ。

まとめ

いかがでしたか。
トラブルの事例ばかり見ていると、少しドッグランが怖い場所に感じるかもしれませんが、ルールを守って利用すれば楽しい場所です。
愛犬の安全のために、最悪のことも考慮し、危険を回避してあげることは飼い主さんの責任でもあります。
「こんなはずじゃなかった」というトラブルにならないために今回の記事を参考にしてみてください。

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