【獣医師監修】ドッグランで遊ばない!?愛犬のドッグラン嫌いを克服する方法

1.あなたの愛犬は大丈夫?よくあるドッグランでの悩み

ドッグランで遊べないワンちゃん、理由は?

愛犬をノーリードで自由に遊ばせることができるドッグラン。しかしこのドッグランが苦手なワンちゃんも決して少なくありません。
よくあるのが、「ドッグランだと落ち着いて遊べない」という悩み。連れて行ったはいいものの、他のワンちゃんに怯えたり、ものすごく怖がって入れなかったというケースです。

こういったことは、愛犬が他のワンちゃんに慣れていないサインです。 特にペットショップで売られているような、親離れの早いワンちゃんに見られやすいです。

2.ドッグランが苦手な理由

ワンちゃんの生後12週齢くらいまでを「社会化期」と呼びます。この期間、子犬は兄弟犬と遊んだり親犬からしつけを受けながら、噛む力加減や情緒の保ち方を学んでいきます。

実はこの“社会化期”は非常に重要で、その後の生活に影響を及ぼすと言っても過言ではない期間です。

しかし現在の法律では、子犬は生後45日を過ぎると販売可能となっているため、その重要な時期に兄弟犬や親犬と引き離されてしまうことが多いです。そういう背景もあり、新しい環境に対して警戒心がより強くなっています。そのため、家族や身近な人は大丈夫でも、初めて会う人や他のワンちゃんが苦手になってしまうのです。 




他のワンちゃんと一緒に生活し、上手く社会性が身についている子でも安心はできません。

生後12週齢が過ぎると社会化期が終了し、からだつきが性的に成熟し始める「若年期」という時期を迎えます。性成熟を迎えた以降を「成熟期」と呼び、良いことも悪いことも経験を重ねていき、精神的な矯正と発達をしていくこととなります。

*成犬になってからでも、慣れることはできる

子犬の頃に他のワンちゃんと触れ合う機会がないまま成長してしまうと他のワンちゃんに苦手意識をもってしまい、成犬になってからしつけをし直そうとするのは苦労が多いといわれています。

しかし適切な対応を取れば、時間はかかっても慣れさせることは可能です。 もちろん愛犬の性格やクセにしっかりと気を遣ってあげながら慣らしてあげることが大切です。

最近では、トレーニングをしてくれるワンちゃんの幼稚園や自宅でトレーニングをしてくれるトレーナーさんもいるので、プロに相談するという方法も検討してみてください。

3.愛犬のドッグラン嫌い克服方法について

( 1 )まずは日々の散歩で

いくら他人や他のワンちゃんに慣れさせたい、社会性を身に付けてほしいと思っても、いきなりドッグランに連れて行くのはやめてあげましょう。

まずは普段の生活から徐々に慣らしていってあげることが大切です。 まず日頃の散歩中に出会う方へ挨拶から始めましょう。まず飼い主が挨拶をかわし、次にワンちゃん同士にも挨拶をさせます。

行動が制限されると犬は余計に緊張してしまい、余計に挨拶が上手くいかないということもあります。 リードの扱いには気を配りましょう。

ワンちゃん同士が喧嘩をしてしまって挨拶にならないという場合は、飼い主同士の立ち話に付き合うだけでも効果があります。最初は緊張してじっとしているだけで精一杯、という場合でも、徐々に慣れていけば他にワンちゃんがいる状況でもリラックスできるようになります。 慣れてきたら、いつも同じコースで同じ人やワンちゃんとの交流からランクアップしてみましょう。 いつもと違う散歩コースを選んで、いろんな飼い主やワンちゃんと積極的に交流するようにしていきましょう。

( 2 )ドッグランの雰囲気に慣れよう

他の飼い主やワンちゃんに慣れてきたら、次はドッグランの雰囲気に慣れさせていきます。着いただけで怯えてしまう場合は、いきなり中へ入らず外で過ごしてみましょう。これだけでも十分雰囲気に慣れることができます。初日は短い時間で、徐々に過ごす時間を伸ばしていきましょう。

また、他のワンちゃんが少ない時間帯を狙って連れていくというのもひとつです。

飼い主さんとしても、「もし吠えたらどうしよう」という気持ちがあると思います。この気配をワンちゃんが敏感に感じ取って、逆に吠えてしまうというパターンがあります。他のワンちゃんがいなければ、飼い主さんも気を遣うことなく楽しませてあげられます。

そうすることで、ドッグラン=楽しい場所とワンちゃんが認識してくれるようになります。

( 3 )ドッグランの中に入ってみよう

ドッグランのそばに来ても怖がったり動揺したりすることがなくなったら、いよいよ中の雰囲気に慣れさせます。ドッグラン入場の手順をしっかりと守りましょう。

まずは柵越しに他のワンちゃんと挨拶をさせます。ゲート前で止まったら、先に入っているワンちゃんたちがこちらに来るのを待ちましょう。やってきたらゲート越しに挨拶させます。

こうすることでその日柵の中にいるワンちゃんと愛犬の相性を見極め、不要な喧嘩を防ぐことができます。

万が一、相性の悪いワンちゃんと遭遇しても、柵越しなら怪我をすることはありませんし、トラブルを回避することができます。柵の前に立ってまた怯えはじめてしまったら、また外で雰囲気に慣れさせる段階に戻りましょう。

焦りは禁物です。 挨拶が終わり、他のワンちゃんたちが離れていってからゆっくりと入場します。ここで焦ってリードを離してはいけません。リードを離すのは周囲の状況をしっかりと見極め、愛犬がその環境に慣れることができたかを確認できてからです。

リードを離してからも気を抜くのは厳禁。愛犬に常に目を配り、観察を怠らないようにします。他の犬とトラブルになりそうな気配を察したら、すぐに呼び戻しを行ってください。 最初の入場は数分で出るようにし、その後徐々に遊ぶ時間を伸ばすようにしましょう。こうすることで愛犬への負担を最小限にしながら少しずつ慣れさせていくことができます。

( 4 )マナーを守らない人も多い。注意を


※発情中(生理中)のメスは連れて行かないのがあらぬトラブルを避ける術であり、一般的なマナーです

ドッグランはワンちゃん同士を遊ばせ、犬社会の決まりを学べる施設ですが、中にはマナーを守らない飼い主さんも存在します。多いのが、ドッグランを散歩の代わりに使っている飼い主さん。

フルエネルギーの犬同士がノーリードで遊んでいれば、トラブルが起こるのも当然です。ドッグランに入場する前は必ず散歩を行い、ある程度犬のエネルギーを発散させておくことがマナーです。

こちらがマナーを守っていても、あちらがそうとは限りません。トラブルに巻き込まれて余計にドッグランに恐怖心を抱いてしまわないように、入場したら愛犬から目を離さないようにしましょう。

まとめ

最近では、サービスエリアや公園などドッグランが併設されている場所も多くなっています。せっかくだから 、思いっきり遊ばせてあげたいという親心ですが、ワンちゃんがみんな ドッグランが好きとは限りません。
人間でも家が一番好き、賑やかな場所は苦手という人もいますよね。 ワンちゃんは飼い主さんの近くで一緒に過ごせることが幸せだと思います。 無理のない範囲でいろんなことにチャレンジできたら良いと思います。

日本獣医生命科学大学卒業

現在は世田谷区にある箱崎動物病院にて勤務。ペットとご家族の疑問やトラブルをなんでも解決できるよう、じっくりとお話ができるような診療を心がけています。

 

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