1.犬にもエアコンは必要なの?
結論から述べると、
高温多湿の日本に住んでいる限り、夏の愛犬のためのエアコン温度管理は必要です。
犬というのはもともと北欧の動物なので、寒さに強く、暑さには弱い傾向があります。
犬にとっての適正温度は15~22℃です。
人間が少し暑いなと感じている時、犬にとってはかなり暑い状況だと思っていいでしょう。
夏場の締め切った室内は、時に40度を超える時もあります。
そうなると、エアコンで温度管理するのは必須となってきます。
人間にとって適切なエアコンの温度は28℃とされていますが、犬にとってはちょっと暑く感じられる温度です。
かといって犬に合わせて温度を下げすぎると、今度は人間が風邪をひいいてしまうので、エアコンの設定は27℃以下の設定にし、扇風機などを合わせて使用すると、空気の循環も良くなり双方快適です。
2.どれくらい室内は危険か
上の図は「あなたの犬が熱中症になってしまった時、どんな状況でしたかの」のアンケート結果です。
- 家の中で普通に過ごしている時
- お散歩をしているとき時
- 家の中での留守番をしている時
- 車での移動中
- 家の外でのお留守番
- 外で遊ばせている時
室内で一緒にいると、ついつい油断してお水を飲ませるのを忘れてしまったり、温度管理を怠ってしまうからです。
犬は気温22℃、湿度60%を超えると、熱中症になる可能性があるというのを、夏場は念頭に入れてケアしてあげてください。
3.見逃さないで!熱中症のSOS
- 冷たいフローリングなどの床に寝そべる
- 水をたくさん飲む
- 「ハアハア」「ゼェゼェ」とした荒い息づかいになる
このような状況になったら、すみやかに室内の温度を下げ、お水をたくさん飲ませてあげましょう。
4.犬はどうして体温調節が苦手なの?
犬も汗をかくけれど、人間の汗と違って体温を下げれるような汗ではありません。
人間にも犬にもアポクリン腺とエクリン腺という汗を分泌させる汗腺が2つ存在します。
アポクリン腺は独特の汗臭い臭いを発し、粘り気のある汗を分泌します。
このアポクリン腺は人間の場合は脇の下など数か所にしか存在しません。
しかし、犬にはこれが全身に存在しているのです。
そして、エクリン腺は無臭のサラサラした水分の多い汗を分泌します。
人間はこのエクリン腺が全身にあるため、ここから汗を分泌すると体温を下げられます。
しかし、犬にはこれが肉球など数か所にしかありません。
これでは体温を下げるのに十分な機能とはなりません。
そのため舌を垂らして唾液を蒸発させ、体内にこもった熱を発散させようとします。
このように犬は体温調節をするための機能が未熟であるため、私たち人間の何倍も暑さに弱くなっています。
5.冷房や冷却グッズを上手に使おう
まず、暑さ対策としてエアコンを使って部屋の温度を一定に保っておきましょう。
その際、直射日光が入らないようにするためにカーテンを閉めておくことも大切です。
そして湿度管理も大切なので犬目線の高さの湿度計を用意しましょう。
湿度は60パーセントを切るように調整します。
そして犬の体温上昇を防ぐために、氷を入れた飲水を用意しておきます。
ただし、お腹を壊さないように様子を見てあげることが大切です。
さらに冷却グッズを上手に活用するといいでしょう。
犬の暑さ対策として使える冷却グッズはたくさんあります。
最もお手軽に出来る冷却グッズは凍らせたペットボトルです。
中身はコンビニなどで買った冷凍用のお茶や水などがいいでしょう。
この凍らせたペットボトルをタオルでくるみ、ケージに入れておきます。そして時間が経つとじんわりとタオルが冷たくなるので犬にとってとても気持ち良いものとなります。
また、市販の冷却グッズもたくさん販売されています。
ただし、そのグッズによって特性が異なるのでその犬に合った冷却グッズを使って暑さ対策をしましょう。
(1)ジェルマット
ジェル状の保冷剤が入っていて、これを冷やして使うマットです。
注意しなければならないのが、この保冷剤が破損してしまうと中のジェルが出てきてしまうということです。
噛み癖や物を破いてしまう癖のある犬には向いていません。
もしジェルマットを破いてしまったならばすぐに使用を中止して、異常がないかを確認し、少しでも気になれば病院に連れて行きましょう。
なぜならばジェルを誤飲している可能性があり、そうなれば熱中症以外の重大な病気を引き起こす可能性があるからです。
(2)アルミや石のマット
アルミや石でできたマットには冷却効果があります。
犬がその上に乗ると、体温を下げられるという効果があります。
ただし、このようなマットは硬いので犬によっては嫌がってしまう可能性もあります。
犬の反応を見て嫌がっているようであれば使用するのを中止してあげましょう。
(3)クール素材の洋服やバンダナで暑さ対策
クール素材のものにはいくつか種類があります。
一例としては冷感素材、水で濡らすタイプ、保冷剤が入るタイプなどが挙げられます。
これらの洋服やバンダナは家にいる時だけでなく、散歩など、お出かけする際にもぴったりとなっています。
おすすめのひんやりグッズ詳細はこちらの記事をご参照ください
まとめ
いかがでしたか。
熱中症で動物病院を緊急に受診する犬の死亡率は、約50%と言われています。
きちんと対策をしていれば熱中症にはかかりませんし、もし発症してしまったとしても、初期症状のうち気づいて対処をしてあげれば、大事にはいたりません。
生活の中にも熱中症のリスクが潜んでいることを理解し、愛犬を熱中症から守ってあげましょう。