愛犬とふれあいながらマッサージする時の3つのポイント

1.はじめに、マッサージの準備をしよう


犬へのマッサージには疲れや凝りを取り除くことだけでなく、飼い主さんとの絆や信頼関係を深めたり、病気や体調不良の早期発見にも繋がるため、とても重要なケアの1つとして位置づけられています。

愛犬の健康管理としても重要だからといって、いきなりマッサージを始めたりしてはいけません。人間にも同じように、マッサージをする前には心身が共にリラックスしている状態であることが大切です。そして飼い主さん自身も心を落ち着かせていないと、犬は敏感にその様子を感じ取ります。飼い主さんも緊張していたりイライラしている状態でマッサージを始めようとすると、かえってストレスを与えてしまうことにも繋がります。

まず飼い主さんは出来る限り落ち着いた穏やかな声で話しかけることが基本姿勢です。なかなか落ち着かないようであれば、落ち着くまで待つことも大事です。「早く落ちつかせなくては!」と思う必要はありません。どうしても落ち着かないようであればその日は諦めてもかまいません。

とにかく忍耐と継続が飼い主さんには求められます。

次第に落ち着いて触らせるようになってきたら、背中・耳の後ろ・お腹など、愛犬が普段触られると喜ぶ部分をなでたり、たまにはくすぐったりして気分を良くさせるように触っていきます。段々と前足や後ろ足などをなでていくという流れを作ってください。

時間にして数分くらいで辞めて、マッサージを受け入れられる状態に慣れさせましょう。なお、マッサージでしてはいけないこともいくつかあります。

まずは犬がケガをしている場合にマッサージを行うことは禁止です。炎症やケガが治り前にマッサージをしてしまうと逆効果になる恐れがあります。

また食事をした直後は血液が消化のために使われているので、マッサージを行うと消化不良の原因にもなります。

そして激しい運動や散歩の後も控えます。筋肉や神経が興奮している状態なので、マッサージの効果が十分に得られません。呼吸が落ち着いくまで待ってからマッサージに移行します。

当たり前のことですが、熱がある場合にもマッサージやツボ押しなどは禁止です。不快に感じるだけでなく、体力が衰えているのでまずは風邪を治すことに専念しましょう。

 

2.基本のマッサージの種類と時間って?


犬へのマッサージにはいくつも種類があり、基本的なものからプロレベルのものまでレベル別にもわかれています。

飼い主さんでも簡単にできるマッサージは、タッチケア・つぼ押し・リンパマッサージなどが挙げられます。

タッチケアは、ペットに愛情を伝え気持ちを安らげることのできるコミュニケーション方法の1つでもあり、触れることで犬の心身へ良い影響を与えることができます。気持ちが落ち着き、満たされることでストレスを解消し病気予防にも繋がります。毎日数分続けるだけで良く、家の中・公園など場所も選びません。

3.マッサージの基本3種類を覚えよう


つぼ押しは、人間と同様犬にも施すことで血流を良くし、病気予防にも効果が期待できます。また緊張による筋肉のコリをほぐし、ストレスの解消にも繋がります。なお、犬のつぼは人間とほとんど同じところにあり、押した部分の効果も似ているので実践しやすいです。マッサージに使う時間は数分から長くても20分以内には終わるようにしましょう。犬によっては飽きてしまったり苦痛に感じるかもしれません。

リンパマッサージは、リンパの流れを良くすることで老廃物を体外へ排出しやすくしたり、血行を良くすることを目的に行います。

リンパの流れが滞ってしまうと、場所によっては浮腫んだり、便秘・肩こりといった症状が出ます。特に高齢の犬はリンパの流れが悪くなりがちなので、リンパマッサージが効果的といわれます。子犬や成犬にも効果的で、このマッサージを習慣にすることで代謝が良くなり、抵抗力もついて風邪を引きにくくなります。

マッサージの基本:1・撫でよう


マッサージをするときには正しい方法で行う必要があります。マッサージの基本の1つである「撫でる」という動きは別名「ストローク」ともいい、犬に安心感と気持ちよさを与えます。

基本的な動きは手のひらと指全体を使って、最初はゆっくり、次第に強く・早くといった動きになります。およそ1分間に10回から15回までの回数で撫でていきます。毛の流れに沿って背中からお尻側へ、肩から前足、お尻から後ろ足へという流れで撫でていきます。

もう片方の手は頭かわき腹など、ペットが普段触れていて落ち着く場所に軽く添えておきます。

その他に、「円マッサージ」という撫で方も効果的です。人差し指と中指・薬指の3本を使い、今度は筋肉に沿って円を描くように撫でていきます。コツは、指先に少し力を入れながら皮膚から離れないように触っていくことです。次第にリラックスしていくので、筋肉の硬さを感じなくなったら徐々に力を加えていきます。この動きも基本的には片手で行います。なお、肩・足・お尻部分へのマッサージを行う場合には、足首や関節を空いている手で押さえながら行うと身体が固定されて動かしやすいです。

他の動かし方として指2本か3本をそろえて置き、手首を振動させる方法も効果的です。

 

マッサージの基本:2・揉んでみよう


犬への揉むマッサージはパン生地をこねるような動き方をイメージするとやりやすいです。胸やわき腹・背中の皮膚を親指とその他の指で挟んで引っ張ったり持ち上げるような感じでマッサージしていきます。

利き手の指でゆっくりと揉んでいき、反対の手は足や手・関節などに置いて固定します。そこで注意しなければならないポイントですが、爪を立てたり必要以上に強くつねるような触り方にならないように気をつけることです。足やももなどは少し強く揉んでも問題ありませんが、わき腹などの筋肉が少ない部分は痛みを感じやすいので、ペットが痛がっていないかを常に確認しながら行いましょう。力加減が分からない場合には、まず自分のふくらはぎや腕で実践をしてみて加減をしてみると良いです。

マッサージの基本:3・指圧を覚えよう

指圧マッサージを行う場合には、基本的に親指を使います。しかし小型犬の場合には人差し指などを使うようにしましょう。

犬は基本的に横になっている体制で始め、指の腹を使ってつぼを押していきます。押すときのポイントは、犬の身体に対して垂直に力を加えていくということです。このマッサージでも爪を立てないように気をつけます。

リラックス状態の犬が押すことで緊張しないような強さで3秒から5秒ほど押していきます。

犬にとって気持ちよいと感じるツボは、わきの下と後ろ足の付け根です。犬自身が舐めたり掻いたりするのが難しい部分ですが、ここには汗が溜まりやすい部分なので重点的にしてあげると良いです。

またなかなか落ち着かない子には、「液門」と呼ばれるツボを押しましょう。前足の小指と薬指の間にあるくぼみ部分で、この部分を人差し指の腹でクルクルと小さな円を描きながら軽く押していくと次第に落ち着きます。

 

4.症状別のマッサージって?


症状や愛犬にとって必要なマッサージを選ぶことも大切です。例えば、普段から留守番が多くストレスが溜まりやすい子や、緊張をほぐしたい、飼い主さんの傍を離れられないといった子には「攅竹」というツボを押すのがオススメです。眉の上にあるくぼみ部分で、この部分を10秒ほど軽く押してあげると精神の落ち着きに効果が期待できます。その他に「神門」という部分も効果的です。この部分は前足の力をいれると筋が浮かぶところにあります。軽く押したり優しく揉むことでイライラや不安感を解消し、副交感神経の働きを活性化させます。

便秘の時には、尾てい骨の根元をマッサージしてあげてください。人間でいうと、浣腸のような効果があるので、便秘以外にも血便・下痢の改善にも効果があります。このときに、お腹を円を描くように撫でてあげると、飼い主さんの手の暖かさと刺激でお腹の動きも整えられます。

鼻詰まりが気になる時には、両耳の付け根部分にあるくぼみを押すようにしましょう。この部分は眩暈やひきつけにも効果が期待できます。

頭を撫でる延長で触ると嫌がられる心配がありません。

 

5.より効果を高める「アロマ」をプラスしよう


愛犬へのマッサージの効果をさらに上げるために、アロマを使うこともオススメです。ストレスを解消したり、興奮を抑えてリラックスするといった効果が期待できます。

使い方は大きく分けて3つあります。1つは、アロマポッドにお湯と数滴のアロマを垂らして、蒸発するときの香りやアロマの成分でリラックス効果を得るものです。

2つは、アロマオイルと直接塗りこんでいく方法です。そこで気をつける点は、皮膚には直接つけないよう注意し、毛にのみ塗るようにしましょう。犬の皮膚はとてもデリケートなので、皮膚炎やかぶれが起きてしまう場合があります。また塗るアロマオイルは犬が舐めてしまっても健康に被害のない天然の精油を使うようにしてください。購入の際には、スタッフの方にその旨を伝えて選ぶようにしましょう。

3つは、スプレー状にして使う方法です。水道水にアロマオイルを数滴垂らしてよく振って混ぜ、ペットの身体全体に満遍なく拭きかけます。

そのとき、犬が嫌がったりくしゃみをする場合には、においが強すぎていることが多いので、さらに薄めてから使うようにしましょう。

 

 

 

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