■引っ張りっこ
犬は、人間が狩りに連れて行き獲物を追いかけさせたり、狩りで瀕死の状態になった獲物を咥えて持って来させたりするように、動く物に本能的に反応する習性があります。ですから、室内飼いの犬でもおもちゃなどを使って擬似的に野生の本能を呼び覚ますような遊びには、喜んで付き合ってくれるでしょう。たとえば、飼い主が手に持ったぬいぐるみなどのおもちゃを動かす遊び。これは犬におもちゃを咥えさせ引っ張りっこする遊びです。この遊びを通して、同時にしつけを学ばせることができます。手順は以下のようになります。
(1)飼い主は、犬の鼻先で手に持ったおもちゃをゆらゆらと振ってみせます。犬は、その動かされているおもちゃがあたかも生きた獲物であるかのように、興奮し注視するでしょう。
(2)ここで、飼い主は一旦おもちゃを動かすのをやめて、犬の興奮を鎮めさせクールダウンさせます。そして、一声「おすわり」などと命令します。
(3)犬が命令に従ったなら、そのときに初めておもちゃを犬に咥えさせましょう。そして飼い主と犬とでおもちゃの引っ張りっこをして遊びます。犬に勝たせたり、ときに飼い主が勝ったりと、犬に遊びを楽しませてあげてください。
(4)引っ張りっこ遊びは、やっているうちに犬の興奮が高まることがあります。そして、「ウー」などと犬は唸り声を上げたり、左右に首を振っておもちゃを振り回したりするかもしれません。そのようなときには、一旦この遊びを止めて休憩しクールダウンさせます。犬はおもちゃを咥えたままになっているでしょうが、しばらくして犬がおもちゃを離し「おすわり」の姿勢になったのを見計らって、飼い主は一声「よし!」と命令し再び遊びに戻ります。
このように、この引っ張りっこは興奮とクールダウンを繰り返しながら続けるとよいでしょう。
■宝探し
宝探しは引っ張りっこと同様に、犬の本能に働きかける遊びと言えます。おやつやドッグフードが入ったおもちゃを部屋の複数箇所に隠し、それらを見つけさせる遊びです。優れた犬の嗅覚を刺激し、犬にとっても楽しく遊ぶことができることでしょう。その具体的なやり方について、ご紹介します。(1)座布団やタオルなどを床に広げ、おやつやドッグフードなどを入れたおもちゃをその下に隠します。最初のうちは、犬がこの遊びを理解するために犬が見ているその場でおもちゃを隠しましょう。
(2)犬がこの遊びを理解したなら、犬を隣室に閉じ込めおもちゃを所定の場所に隠します。そして、隣室のドアを開け「サーチ」などと命令し、犬に探させます。上手く見つけ出せたら、「よくできたねー」などと頭を撫でてほめてあげるとよいでしょう。