犬のお風呂の温度はぬるめにしよう~イヌはヒトより体温が高い

ワンちゃんをお風呂に入れるとき、飼い主さん自身が使っていたシャワーの温度で洗おうとしていませんか?ワンちゃんは人とは体温が異なるため、飼い主さんが快適と思える温度がワンちゃんにはあっていないことも少なくありません。

快適な温度はワンちゃんのお風呂に対する印象を大きく左右しますので、しっかり設定しておきたいところです。こちらでは、ワンちゃんと人との体温の差、おすすめの設定温度などについてご紹介していきます。

★1.犬の体温は人より2度以上高い


ワンちゃんの体温は、人より大体2度近く高い38~40度程度といわれています。そのため、暑いだろうからとシャワーでぬるめのお湯を使おうとする人もいますが、ワンちゃんは平熱が高い分 気化熱が発生しやすくなっています。

気化熱というのは体に付着した水分が蒸発する際、体温を奪う現象です。ワンちゃんにぬるま 湯をかけて洗うと、水分が蒸発する際にどんどん体温が奪われて、ただでさえぬるま湯で冷えかけていた体にさらなダメージを与えることになります。そのため、基本的には1~2度程度高めの温度設定で汚れを洗い流すようにします。

★2.犬のお風呂の温度は2度下げよう


一方、お風呂に入れるときにはワンちゃんの体温よりも2度近く低くしておきます。シャワーは洗い流すだけなので短時間で済み、体が温まるよりも先に気化熱で冷えてしまいますが、お風呂は長時間お湯に体をつけるため芯まで温まりやすく、高めの温度設定ではのぼせる可能性があるからです。

ちなみに、ワンちゃんは人のように全身に毛穴があって汗をかくわけではなく、肉球だけで体温調節をしています。そのため、高温のお風呂で体を温めても放熱しづらく、体力を奪われてしまいます。

★3.犬のお風呂の温度の注意点

・1 犬のサイズにより最適温度は違う

多頭飼いの場合には、どちらもワンちゃんであっても、その子のサイズによってお風呂の温度を変える必要があります。一般的には小型犬の方が大型犬よりも体温が高い傾向にあるため、小型犬はやや高めの温度、大型犬は低めの温度に設定しておきます。

特に大型犬は温度が高いほどチアノーゼが始まり、血中の酸素が足りなくなってしまいます。高温で長時間のお風呂に入れておくと呼吸困難などに陥り、最悪死に至る場合もありますので、しっかり健康チェックをして、場合によってはシャワーだけで済ませるなど適宜対応しましょう。

・2 犬の毛の長さにより最適温度は違う


同じようなサイズのワンちゃんでも、犬種によって毛の長さや量が全く異なります。毛量が多く、長いワンちゃんは体内の熱を発散しづらくなっていますので、毛の短いワンちゃんよりも温度を低く設定しておきます。毛の長いワンちゃんはドライヤーをかける時間も長くなりがちで、その分体温が高くなってしまう可能性がありますし、ワンちゃんの健康状態を見ながら最適温度を探していきましょう。逆に、ワンちゃんの毛をカットしたり梳いたりした場合には、それまでよりも気化熱が発生しやすくなりますので、体を冷やし過ぎないように注意する必要があります。

・3 冷たい水は絶対使わない


ワンちゃんは毛皮があるので体が冷えにくく、熱いよりも冷たい方が安全だと考える飼い主さんもいます。しかし、そのような考えからワンちゃんに水をかけて洗い流すようなことは避けましょう。ワンちゃんはおなかの部分にはほとんど毛が生えておらず、内臓を冷やしてしまう恐れがあります。また、ワンちゃんの体についた油汚れやシャンプーなどは水では落ちにくく、必要以上に冷たい水をあてる可能性が高く、体力がどんどん奪われてしまいます。

また、同じサイズや毛量であっても、ワンちゃんの年齢や健康状態、肌の状態などによって適切な温度は異なってきます。ワンちゃんの状態を見てから、ある程度温度を変えていきましょう。

★4.お風呂に入れたあとはドライヤーで乾かそう


ワンちゃんを洗い終わったら、まずはしっかりタオルドライをします。ドライヤーを当てすぎると体温が上昇してしまいますし、ワンちゃんの毛並みも悪くなってしまうためです。かといって、自然乾燥にしては体温がどんどん奪われてしまいますので、できるだけ吸水性の良い大判のタオルで強くこすらないようにして全身の水分を取り除きます。その後ドライヤーをかけますが、早く乾かすために熱風を直接当ててはやけどや肌へのダメージが懸念されます。温度はぬるめに設定し、手で直接ドライヤーの風が当たらないように注意しながらぬれた部分がなくなるまでしっかり乾かしましょう。

このように、ワンちゃんのシャンプーのやり方は人とは若干異なっていますので、今後自分で洗ってあげるときに気を付けておきましょう。ワンちゃんが不快に思わないようなシャンプーをすれば、だんだん嫌がって暴れるようなことがなくなり、飼い主さんにとっても肌や健康状態をチェックしやすく、負担が大幅に軽減されます。
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