ワンちゃんのしつけについて調べていると必ずでてくる「主従関係」。
主従関係と言われてもピンと来ない、もしくはなんかワンちゃんが可愛そうな気がすると思われる方もいらっしゃいますよね?主従関係って本当に必要なの?と思いますよね。
必要かどうかは賛否両論です。でも、主従関係という言葉ではなく「信頼関係」という言葉で考えると、じつはとても重要なのではないかと思います。
そこで、今回は、主従関係の意味を理解してワンちゃんとより絆を強くするためのテクニックをご紹介します。
1.愛犬との間に主従関係って必要なの?主従関係の意味
(1)なぜ主従関係が重要と言われるか
犬の祖先はオオカミと言われています。
オオカミは群れで生活を行い、群れにはリーダーが存在します。そのリーダーに従って行動をしていると言われています。そのため、オオカミの血を受け継ぐ犬もまたリーダーに従って行動する動物となります。
このリーダーに従うという点から主従関係が重要という流れになっている訳です。そして、人間と生活する犬にとってのリーダーは飼い主さんとなるわけです。
(2)なぜ飼い主さんがリーダーなのか
例えば、人間でも組織や団体のトップやリーダーを任されると、責任など重圧がかかりますよね。この心理はワンちゃんも同じです。自分がリーダーにならば、仲間や家族を守らなければなりません。
そのため、警戒心が強くなり常に周りに意識を集中させます。そうすると、ストレスが溜まってしまうのです。
しかし、飼い主さんがリーダーとなることで、ワンちゃんはリーダーに守ってもらえる安心感の中で生活することが出来ます。
つまり、ワンちゃんが安心して暮らすために飼い主さんがリーダーになる必要があるということです。
(3)主従関係は信頼関係の証
主従関係という表現や服従訓練という表現が引っかかるという飼い主さんも多いと思います。ワンちゃんも大事な家族という位置付けが定着している現代だからこそ、これらの表現がマイナスのイメージとなるのではないでしょうか?
もちろんワンちゃんは家族の一員です。でもそれ以前に人間にとって、とても大切なパートナーです。
主従関係がしっかりと出来ていることでワンちゃんが安心して暮らすことができるのであれば、それは飼い主さんとワンちゃんの信頼関係の証ということではないかと思います。
2.主従関係ができていないとどうなる?
ワンちゃんが自分がリーダーだ!と思っているかの判断は以下のような行動に表れます。
当てはまる場合には飼い主さんはリーダーだと思われていない可能性があります。
3.リーダーに見られないのは飼い主さんに原因がある
ワンちゃんが飼い主さんをリーダーと認識しない原因は、飼い主さんが知らず知らずに「下位者行動」を取っているからです。これは簡単に言えば愛犬の機嫌をとる行動のことです。
具体的には、犬が悪いことをしても怒らなかったり、愛犬が喜ばせるために何もしていなくてもおやつを与えたりすることです。そう、「甘やかしている」状態です。
ワンちゃんは可愛いです。可愛いから甘やかしたくなる気持ちはわかります。しかし、ワンちゃん中心、ワンちゃん優先の生活をすることでワンちゃんは飼い主さんがリーダーだという認識を持ちません。
甘やかすことでワンちゃんの安心できる環境から遠のいている可能性があります。心を鬼にして、主従関係の構築をおこないましょう。
4.主従関係を作る4つのポイント
主従関係を作るためには、飼い主さんが「下位者行動」をやめることにあります。
ポイント1:脱お犬様生活
1つ目は犬中心ではなく飼い主が主導する生活を送ることです。散歩の時間や道順、ご飯の時間などワンちゃんの要求に応じていませんか?
散歩やご飯のタイミングは飼い主さんの都合の良いタイミングで良いのです。
ワンちゃんの生活リズムに飼い主さんが合わせるのではなく、飼い主さんの生活リズムにワンちゃんが合わせるのです。
飼い主さんはちゃんとご飯をくれるという安心感があればワンちゃんは催促せずに待つことができます。お散歩の道順も同様に、飼い主さんが決めてお散歩して下さい。
飼い主さんについていけば安心、楽しいことがあると分かればちゃんと着いてくるようになり、グイグイしなくなりますよ。
ポイント2:過剰な干渉はしない
何をしていても可愛い愛犬、もはや目に入れたって痛くないですよね。可愛すぎて構いたくなる気持ち、よーくわかります。
ワンちゃんも飼い主さんに触られると喜びます。触って触ってと催促することもありますよね。
主従関係がしっかり出来ている関係性ならば、たまには催促にのるというのも OKです。しかし、毎回、催促されて触っていると飼い主さんはリーダーになれません。
また、時にはひとりでくつろぎたいと思うことがワンちゃんにもあるんです。構いすぎず適度な距離感を保つことも関係性の構築には大切なポイントです。
ポイント3:メリハリをつける
叱るときは叱って、褒めるときには褒めるというメリハリをつけることです。良いことをしたときにはきちんと褒めて、悪いことをしたときにはきちんと叱ることです。このメリハリは犬に非常に伝わりやすく、しつけに高い効果を発揮します。
もちろん、叱る時は身体を叩くなどはしないで下さい。低い声で短くダメだということを伝えます。
また、叱る・褒めるはタイミングがとても重要です。叱る際は現行犯、褒める際はかぶせ気味くらいのタイミングがベストです。
トレーニング中に出来ないことがある場合は、根気よく教えますが出来ないままトレーニングを終了させず、出来ることを完璧にやらせて褒めて終了するようにしましょう。
ワンちゃんにとって出来たという成功体験はとても大切です。出来たことで飼い主さんが喜ぶとワンちゃんにとっても嬉しいことに繋がりますよ。
ポイント4:本能欲求を満たす
お散歩中にニオイを嗅いだり、土を掘るなどはワンちゃんの本能です。あまり過剰に止めさせたりせずに発散させてあげることも大切です。
どうしてもダメな場所はしつけを行っていくと覚えていきます。本能欲求がしっかりと満たされている状態のワンちゃんはストレスが低減されるので問題行動が少なくなります。
ニオイを嗅ぐという行為をおうちの中で発散させるには「ノーズワーク」がオススメです。
ワンちゃんのおやつを箱の中に隠して探させるという単純な遊びですが、嗅覚でおやつを探す行為は本能欲求が満たされるのでストレス発散にピッタリです。
雨でもお家で簡単にできるので是非やってみて下さい。飼い主さんとのかくれんぼもオススメの遊びですよ。
まとめ
飼い主さんを信頼しているワンちゃんは、しつけの際のコマンドの伝わり方がとても良いです。それは、常に飼い主さんを意識しているからです。
そして、飼い主さんと一緒にいるときが一番リラックスできる状態だと理解しています。そのため、お顔も穏やかな子が多くなります。主従関係は信頼関係の証です。
人間の世界でいきるワンちゃんを守ることができるのは飼い主さんしかいません。本当の意味でのパートナーになれるように日頃からワンちゃんとの信頼関係を深めていきましょう。