日本犬種の中でも人気の高い柴犬は、日本犬らしい忠誠心を持っており、飼いやすいと言われています。おとなしい性格とは言え、ワンちゃんですから吠えることはあります。
人間が言う無駄吠えは吠えてほしくないタイミングで吠えることを言いますが、柴犬のいわゆる無駄吠えを躾けるには、まずは吠えている原因について考える必要があります。
今回は、柴犬の特徴から吠えている原因を考え、効果的なしつけの方法をご紹介します。でも、ワンちゃんには個性があるのでここに記載したようにトレーニングをしても、すぐに効果がでるとは言い切れません!
でも、根気よく教えていくうちに出来るようになります。なると信じて頑張りましょう!!
1.柴犬はこんなワンちゃんです!
(1)天然記念物に登録されています
柴犬は天然記念物に指定された日本犬6犬種の中の1種です。山陰地方の山岳地帯で古くから人間の狩りを手伝う猟犬として活躍していました。
(2)身体的特徴
天然記念物に指定されている日本犬種のなかでも唯一の小型犬である柴犬は、山道を歩くために小型犬のわりにガッチリとした体型をしています。
身体の大きさはメスとオスで少し異なります。
被毛はダブルコートで、カラーは赤・黒・白・胡麻・赤胡麻・白胡麻の6種類です。
柴犬といって皆さんが最初に思い浮かべるのは赤柴ではないでしょうか?柴犬の80%は赤柴です。そのため、黒や白はとっても希少で胡麻になるとさらに希少なカラーと言えます。
ダブルコートなので、換毛期という被毛の生え変わりがありますが、柴犬の場合は生活している地域の環境によって換毛期が変わります。おおよその目安は春と秋の2回です。
白柴のハクちゃん(メス)です。とっても良いお顔ですね。
(3)性格的特徴
柴犬はとても賢く、飼い主に忠実な犬種です。飼い主さん大好きで愛嬌たっぷりなところが
最大の魅力ではないでしょうか?愛嬌のある姿はSNSなどでもたくさん発信されていますね。しかし、飼い主にとても忠実であるがゆえ他人にはとても警戒心が強く、初対面の人にすぐに懐くといったことはあまり見られないのも特徴として挙げられます。
その警戒心の強い性格から、柴犬は番犬としてとても優秀です。また、以外なことに自信満々で怖いもの知らずな一面も持っています。
先住犬が柴犬で新しい家族を迎え入れるという場合など、後輩ワンちゃんに攻撃的になることもあります。人間の赤ちゃんなどでも威嚇したりするというケースもあるので注意してください。
また、柴犬はとても運動量豊富な犬種としても有名です。
(4)オスとメスの性格の違い
一般的にオスは縄張り意識が高い傾向にあり、警戒心の強い子が多いようです。
オスと比較するとメスの方がおとなしい性格のようですが、知らない人には懐かないという部分はオスもメスも同じです。
特にオスの方が活発なことが多いようで、散歩の時間を長めにとってあげないとストレスを感じることがあるということを理解しておいてあげないといけません。
2.柴犬の性格から吠える理由を考えよう
(1)警戒吠え
頭がよく忠実な柴犬はむやみやたらと吠えるということは少ない犬種ですが、吠える理由として考えられるのは「警戒吠え」があげられます。
とても警戒心の強い柴犬は家の横を歩いている見知らぬ歩行者などは『自分の守るべき縄張りに危害を加える可能性がある』と思っているからこそ、威嚇や警戒の意味を込めて吠えているという場合があります。
基本的にはあまり飼い主さん以外に心を開くことが少ないタイプなため、知らない人に近寄られるということは好きではないと思っておきましょう。
(2)要求吠え
いわゆる「無駄吠え」と言われる吠えの中で、多いものが要求吠えです。基本的に忠誠心が高い日本犬種は洋犬と比較すると要求吠えはあまり無いと思います。
要求吠えが多いということは、飼い主さんをリーダーとして認識していない場合が考えられます。吠えるたびに要求に応えていると賢いゆえ、吠えればやってくれると理解してしまいます。
*警戒吠えと要求吠えの違い*
警戒吠えは警戒の対象に対して吠え、強く吠える(低い声や唸り声など)傾向があります。
一方の要求吠えは飼い主さんに要求しているため。飼い主さんを見ている、要求の対象を見ているというケースが多く、声も高めで少しうるさい吠え方に感じる場合が多いです。
3.柴犬に上手に無駄吠えを躾ける方法
前述したように柴犬はとても飼い主に忠実な性格ですので、本来は主従関係がしっかりしていれば飼い主が『吠えるのをやめなさい』と指示することで、ほとんどの場合すぐに無駄吠えはしなくなるでしょう。何度言っても無駄吠えを辞めない場合は、根本的に主従関係から見直す必要がありますが、大半はその必要はありません。
(1)警戒吠えの対策
警戒吠えの効果的なしつけ方として挙げられるのは、『慣れさせる』ということです。
社会性が乏しいワンちゃんの場合、見るものすべてに警戒して吠えるというケースが考えられます。社会性は生後3ヶ月~4ヶ月の社会化期に慣らしておくという方法が理想的ですが、社会化期を逃してしまった場合でも他人や他の犬がいる場所に積極的に連れ出してあげて、この場面では吠える必要がないということを教えてあげることが効果的です。
そういった場で吠えた場合に、ダメということをしっかりと伝え、口を軽く閉じてあげてください。
そうやって繰り返し教えてあげて吠えなかった時には褒めてあげるということをすれば、飼い主に忠実な柴犬は吠える必要のないときに無駄吠えをするという機会は自然と減ってきます。
成犬の場合には慣れるまでに時間がかかることもありますので、根気よく教えてあげる必要があります。
(2)要求吠え
要求吠えの場合には無視するということが1番です。要求に応えてしまえば治ることはありません。
ここは、飼い主さんが心を鬼にして無視を貫き、おとなしくなってからご飯をあげたり、遊んであげるなど柴犬の喜ぶことをしてあげるようにしましょう。
4.吠えている柴犬をおとなしくするための対処方法
柴犬に限らず、ワンちゃんは吠えのスイッチが入るとなかなか吠えやまないというケースがあります。
とくに、警戒吠えの多いワンちゃんの場合には、対象物に意識がいってしまうので、飼い主さんの声が届かないというケースが多いです(我が家の息子もこのタイプです)
こういったケースの場合には、興奮している状態を静める必要があります。
スイッチが入ったワンちゃんの耳には飼い主さんの声は届きません。
しつけの基本としてコマンドを伝える際にはアイコンタクトが重要ですが、興奮状態となると飼い主さんを見るということが出来なくなります。
そのため、ワンちゃんの顔の前に手を出すハンドサインと「ダメ」というコマンドを合わせて使います。
この際、コマンドしてかける声のトーンは低い声を意識してください。高くて大きな声でコマンドを出すと、同調していると勘違いしてさらに吠えるという事も考えられます。
声とハンドサインでワンちゃんを制したら、すぐにスワレの指示を出し、ワンちゃんのお尻を軽く押して座らせます。
これは、吠えるという行為は4本の脚でしっかりと踏ん張って吠えるため、座らせることによって吠えづらい態勢にするという意味があります。
そして、背中をなでて落ち着かせます。トントンと触ったりせわしなく撫でると逆効果になる可能性がありますのでゆっくりと撫でるということを心がけてください。
その際に、大丈夫だよーと声をかけても良いと思います。
もし、すぐに立ち上がってしまうような場合には、リードを上に引き上げ、お尻を押して座らせます。お尻をしっかりと抑えて立てないようにします。
手を放しても立ち上がらず、吠えるのを止めたら褒めちぎりましょう。
このように、柴犬は忠実であるがゆえ、飼い主の為を思って吠えているケースが多いのです。そのことをきちんと理解した上で、主従関係で上に立つあなたがダメなことだと伝えてあげるのが一番効果的なしつけだと言えます。言うことを聞かないからといって叩いたりしても根本的な解決にはならないことを覚えておいてください。
まとめ
日本犬は番犬として育てられている歴史から飼い主に忠実で警戒心の強い子が多いです。日本犬と洋犬は全然違う性格をしているということを理解しておいてくださいね。
そして、ワンちゃんの問題行動と言われる行為は、同時に飼い主さんの問題行動であることが多いです。しつけの方法やポイントが間違えていると結果としてワンちゃんの問題行動に繋がります。ワンちゃんはコレは良くてコレはダメという分別をつけることが出来ません。ここで吠えてもいいけどここで吠えてはダメというのは難しいことです。
また、吠えるという行為を無くすということは出来ません。ワンちゃんにとって吠えることは人間が話すことと同じです。しつけは吠えることを無くすということではなく、吠える時間を短くするためのトレーニングであると思ってください。
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