★1.犬の拾い食いの背景
・どんなものか確かめている
まず、犬が拾い食いをしてしまう理由の一つとして、好奇心があります。まだ幼い犬だと特に目に映るものすべてが面白く思えてしまい、食べ物かどうかの区別もつかないままに口に含んでしまったり、舐めてしまったりすることがあります。これは石に限らず周囲に存在する様々なものに対して言えることなので、もし絶対に口に入れたら危ないものは家の中でも置いておかないなどの注意が必要です。
また、犬は全般的に嗅覚に優れた生き物ですから、砂利の中に棲む生き物や植物の匂いに惹きつけられて舐めたり食べたりしてしまっている場合もあります。いずれの場合も、犬がもつ本来的な習性ですから、飼い主が注意していて見ていてあげる必要があります。
・幼犬の場合は歯が痒い?
幼い犬の場合はさらに歯が生え変わるなど、口の中がデリケートな時期なので、口の中をむずがゆく感じていることが多いです。そのため、口中の痒さを解消するため口の中に石を入れてかんだりすることもあります。このような場合、犬としては噛むおもちゃやガムを噛んでいるのと同じような感覚でいるので、それを食べて飲み込もうという意図はないことが多いですが、小さな石であった場合などは誤って飲み込んでしまうこともあります。・飼い主の反応を面白がっている場合も
ペットの犬の性格によっては、単純に飼い主の反応を面白がってそういうことをしてしまうケースもあります。犬としては単なるいたずら心ですし、犬が飼い主をからかったりすることは飼い主との信頼関係が出来上がっている証でもあるのですが、それがエスカレートしたり誤飲してしまったりするとやはり危険が伴うので注意が必要です。★2.異食症について
犬の生活の中で、ミネラル不足や環境の変化による過度のストレスを感じるなどのことがあると、普段ならば口にしないようなものを食べてしまう場合があります。このような行為は犬の自衛本能的なものなので、その生活を根本から改善してあげる必要がでてきます。★3.怒鳴るのは逆効果!出せたら褒めよう
もし犬が石を口に含んでしまったとき、思わず叱ったり驚いて怒鳴ったりしてしまうかもしれませんが、そういうことをしてはいけません。突然怒鳴ったりしてしまった場合、犬が驚いて石を飲み込んでしまう危険性があるからです。ですから、そういうときは犬を驚かせないようにそっと近づき、口に含んだものを出すように促したり、優しく石などを口から出すまで待ってあげるとよいです。多くの場合はそれが食べられないものであるとわかると口から出しますし、以後学習して口にしなくなります。
逆に急いで吐き出させてしまうと犬はそれが何なのか納得していないので、再び口に含んでしまったり、妨げられたことがストレスになってしまったりして逆効果でしょう。むしろ、口から出せたときに思いっきり褒めてあげましょう。そうすると、もし以後犬が異物を口に入れてしまっても、吐き出せば褒めてもらえるという記憶から、すぐに吐き出してくれるはずです。
また、もしペットの犬が普段から偏った食事をしていたり、飼い主の都合で急な環境の変化を経験していた場合は拒食症の可能性を考えなければいけません。その場合、ドッグフードを変えてみたり、ストレスの少ないような生活ができるように環境を整えてあげたり、ストレス発散のためのおもちゃを与えてみたりするなどしてあげるのがいいでしょう。
そして万が一、犬が石を飲み込んでしまってどうしようもない場合は、自ら対処しようとせずに、獣医に相談することも重要です。