犬のしつけで体罰っていいの?犬が異常行動を起こすのは何故?

犬がいうことを聞かないと、つい叩いてしまいそうになりますが、暴力はしつけにおいて百害あって一利なしです。
何故叩いてはいけないのか、そもそも何故言うことを聞かないのかを解説します。

1.犬のしつけで体罰をしていいの?


・しつけで叩くのはNG。恐怖で従わせても信頼関係は築けない。

犬のしつけ方法は時代によって変わってきています。
昔は動物は叩かなければ分からないと思われ、叩いたり蹴ったりすることで物事を教えるのが普通でした。
かしかに言葉が通じない犬に教えようとしても、なかなか覚えてくれないとき、イライラしてしまいますよね。
そういう時につい手が出てしまうこともあるかもしれません。
しかし、今は叩くことで得られるデメリットの方が大きいということが分かってきました。

(1)叩くメリット


・ダメなことを分からせる
・叩かれるのが嫌で言うことを聞く

叩かれるのがイヤでその行動をやめます。
しかし叩かなくても分からせることはできるので、賢明な判断とは言えません。

(2)叩くデメリット


犬が骨折などのケガをする可能性がある
・飼い主に対し不信感が芽生え反抗的になることもある
・叩かない人を下にみて、わがままになる
・ストレスから問題行動(無駄吠え、排泄をわざと失敗する、噛みつく)が増える

犬も人間同様、体罰を受けると精神的にショックを受けます。
同時に自信を無くし臆病になる可能性もあります。
叱られた行為を抑制する意味では効果がありますが、ストレスを与えることになるので他に問題行動を引き起こすきっかけになる可能性もあるのです。

また、「叩く人が一番偉い。叩いてこない人は自分よりも下」と勘違いして、優しくしてくれる人に対して狂暴になることもあります。
こうして見るだけでも、犬のしつけにおいて、叩くことが賢明な選択とはいえないことが分かります。

2.しつけの仕組みを理解しよう



・「Aをしたら殴ってやめさせる」のではなく、「Bをした方がいいことが起きる。」と覚えさせる。

犬のしつけの目的は、服従させることではなく、ルールを覚えさせて仲良く暮らすことです。

基本的には「ほめて」犬に行動と経験を通じて学習させていくのが有効です。
例えば、ドアチャイムが鳴ったとき、「A.黙ってハウスに入るとおやつが貰える」「B.吠えると貰えない」
『=チャイムがなったらハウスに入ろう!』とワンちゃんは覚えていきます。

また、基本は褒めて育てますが、マイナスの経験である罰を与えることもあります。
例えば飼い主の洗濯ものや下着を噛みちぎってボロボロにしてしまうというクセがあったら、下着に噛みつく瞬間に、犬にとって嫌な音がするアルミ缶の中に小銭を入れた音を近くで鳴らします。
そうすると「下着に噛みつく→嫌なことがおこる→やめる」という行動パターンになります。
しかし罰を与える場合は、タイミングが非常に難しいので、注意が必要です。
少し遅れると、何故怒られたのか分からなくなってしまうからです。


したがって、家でのトレーニング方法としては褒めて楽しく根気よく教えていく方法が一番効率は良いと考えられています。
犬も人の感情を読み取り、飼い主が楽しそうならば犬も楽しくトレーニングができますし、飼い主が褒めてくれれば嬉しくなり、その行動を伸ばそうとしてくれます。
基本は褒めて、しっかりと信頼関係をつくることがしつけには必須なのです。

3.犬が異常行動を起こすのは何故?



・運動量・生活環境にストレスの原因があるかもしれない

犬が同じ動作を異常に繰り返したりすることがあります。
これはストレスや不安からくる常同障害の可能性があります。
可能性として考えられることで「運動不足」「体罰」「孤独感」「拘束」「病気やケガによる痛み」などが考えられます。
生活で犬とのコミュニケーションや運動などが上手くできていないと、犬が過度なストレスを受けて異常行動につながるケースがあるのです。

犬は適度な運動が必要です。
家や同じ場所にずっといるだけでもストレスを感じてしまいます。
大型犬なら1時間以上の散歩が必要になり、小型犬でも30分程度は散歩をしたほうがいいでしょう。
ドッグランに連れていき自由に走り回らせるのも犬のストレス発散には効果的です。

しつけのときや犬が失敗をしても感情的にならない様にすることも大切です。
もし怒ってしまっても何かできることを指示してあげ、褒めてフォローしてあげましょう。
それだけでストレス緩和につながります。
異常行動の措置として薬を処方してくれるケースもありますが、飼い主とのコミュニケーションなどで治るケースがあることを覚えておきましょう。

まとめ

犬のしつけのときは褒めて良いところを伸ばすことが大切です。
犬も飼い主に楽しんでもらうことや喜んでほしいと思って行動します。
気分によってしつけを拒むこともあるかもしれません。
しかし犬の健康を考えると感情的に犬に当たると、健康を害する可能性があるのです。
飼い主であるあなた自身にもストレスなく、愛犬と暮らしていくためにコミュニケーションを大切にして、健康的なペットライフを送りましょう。

 

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