■何故今、犬の室内飼いが増えているの?
むかしの、大家族で広い家に暮らすというライフスタイルから、現代社会ではアパートやマンション、戸建てでも比較的小じんまりした狭い住宅に暮らす形態が多くなりました。それにつれて、日本ではペットとして犬を飼う場合にも、運動量が少ない小型犬や大きくても中型犬が好まれるようになり室内飼いするスタイルが定着してきました。
■犬を外で飼うメリットとは
犬の室内飼いが増加傾向にある昨今ですが、外飼いにもそれなりにメリットがあります。以下にその理由について解説します。①自由に庭を走り回らせることができるので運動不足がなくなる
いつもは室内飼いの小型犬でも散歩は不可欠なため、外に連れ出す必要があります。まして中型犬や大型犬の場合、特に運動能力が高く外を走り回りたい犬種では、外を自由に走り回ることはストレス解消のためにも大切で必要なことです。②抜け毛を気にする必要がない
被毛が抜けてしまうのは、猫でも犬でも生理現象なので仕方がないことです。ですが、室内飼いだと家人がアレルギーに悩まされている場合などには深刻で、外飼いの場合にはその心配がなくなるというメリットがあります。③犬の臭いを気にしなくて済む
臭いに特に敏感でなくても、犬を室内飼いしている家に行くと部屋中に滲みついている犬の臭いが気になる場合があります。外飼いの場合、その心配がありません。④排せつ物の処理が楽
室内飼いの場合、犬の排泄や排尿に配慮する必要があります。特にトイレのしつけは、犬を飼ううえで大きな課題の一つである場合があります。しかし、外飼いの場合、それを気にする必要はありません。■犬を外飼いする前に
犬を外飼いする前に、どのような犬が外飼いに向いていて、外飼いするに当たってはどのような点に注意すべきかについて解説します。① 外飼いに向いている犬種について
外飼いに向いている犬種としては、日本の場合、日本犬として天然記念物に指定されている、柴犬、甲斐犬、紀州犬、北海道犬、秋田犬、四国犬の6犬種があげられます。この6犬種は、古来より猟犬として人間に随伴し山野を走りまわったり、イノシシやシカ、クマなどの狩猟の手伝いに活躍したりしていました。そのため、四季がはっきりしている日本の気候や風土に対する耐久性を備え、身体能力も高いという特性を持っています。
また、いずれの犬種も警戒心が強く飼い主に忠実な性質から、番犬に向いており外飼いに適していると言えます。
② 外飼いする時の注意点
犬を外飼いする時に注意すべき点について、以下に解説します。(1)通行人への配慮
犬をつなぐ場所には配慮が必要です。というのも、犬は通常鎖などでつながれていますが、その気になれば敷地と外部の道路の境界ギリギリのところにまで犬が移動できるケースを見かけることがあります。このケースの場合、道路を通る歩行者が誤って手や脚を敷地内に入れてしまうと、飼われている犬との間でトラブルを起こす危険性があるでしょう。
また、それを承知の上で犬に近付いていたずらをする不審者に、犬が遭遇しないとも限りません。ですから、そのような不測の事態に陥らないためにも、犬はできるだけ敷地内の奥につなぐようにするとよいでしょう。
(2)飲み水の配慮
水はすべての動物にとって不可欠です。ですから、常に新鮮できれいな水が飲める状態になっているかに気を遣ってあげる必要があります。特に、外飼いの場合には、虫が入り込まないかなどもチェックすべきでしょう。夏場は、水を飲む量も増えるのでそれに応じて与える水の量も増やしましょう。また、冬場には水が凍りつくことも考えるので、まめにチェックすることが大切です。
(3)寒さ・暑さへの配慮
外飼いの場合、犬は自然に近い環境に置かれるため、四季の気候に晒されることになります。特に冬場の寒さ、夏場の暑さなどは犬にとっても厳しい環境であるため、できる限り凌ぎやすい工夫をしてやるのは飼い主の義務です。冬場の寒さ対策としては、北風が吹きこまない日当たりがよい場所に犬小屋を設置します。また、夏場の暑さ対策としては、犬小屋を直射日光が差し込まない風通しのよい場所に設置するとよいでしょう。(4)快適な犬小屋を用意する
「(3)の寒さ・暑さへの配慮」にも関連しますが、季節に応じて快適に過ごせる場所が異なるので、その都度、犬小屋を最適な場所に移動するとよいでしょう。また、犬のサイズを考慮して十分な広さを確保してあげましょう。特に最近の日本では、夏場の酷暑は殺人的で犬でも熱中症にかかってしまうことは十分に考えられます。そのため、犬小屋も夏場の暑さに耐えられるような工夫が必要です。(3)でも説明したように、犬小屋自体を風通しが良く日陰になる場所に移すのは無論のこと、地面からの熱が直接犬小屋に伝わらないように犬小屋の床を高くするとよいでしょう。