短い足でちょこちょこ動く愛くるしいミニチュアダックスフンドは、猟犬として生み出されたワンちゃんです。
小さな身体ですが、威勢がよく好奇心旺盛で元気いっぱいの子が多い傾向があります。性格的な部分では被毛の種類によって多少の違いがあります。
ミニチュアダックスフンドの性格や特徴を理解して適切なしつけをおこないましょう。
1.ミニチュアダックスフンドはこんなワンちゃんです
(1)ミニチュアダックスフンドの身体的特徴
ミニチュアダックスフンドと呼ばれていますが、実際の犬種は「ダックスフンド」です。
ダックスフンドは身体の大きさで「スタンダード」「ミニチュア」「カニンヘン」の3つのサイズに分かれています。
ミニチュアに分類される子は生後15ヶ月(1歳3ヶ月)を過ぎた段階で、胸囲が30
cmを超え、35
cm以下という決まりがあります。
被毛のタイプはダブルコートで、スムース・ロング・ワイヤーの3種類があります。被毛のカラーは単色やバイカラーなど様々です。
(2)性格的特徴
ダックスフンドの語源でもあるアナグマ(ドイツ語でダックスです)の猟で活躍していたダックスフンドは、猟犬らしい自立心や判断力を持っています。
基本的には陽気で活発、明るくて遊びが大好きな犬種です。被毛の種類によって少しずつ性格に違いがあります。
オスとメスの性格の違いはオスの方が甘えん坊、メスのほうがおとなしい傾向にあります。
【スムースヘアード】
短毛で光沢のあるダックスフンドの原型です。スムースは人懐っこい性格で他のワンちゃんとも仲良くできる子が多いです。
飼い主さんに忠実で、手入れもしやすいため一番飼いやすいタイプです。
【ロングヘアード】
スパニエルが交配されているため、少しウエーブがかった柔らかい被毛が特徴です。
3種類の被毛の中で、最も穏やかな性格をしていますが、やや神経質な部分も持ち合わせています。ロングは甘えん坊な子が多い傾向にあります。
【ワイヤーヘアード】
シュナウザーが交配されています。(シュナ感が強いですね)
被毛は短毛で少し硬めです。シュナウザーの性格が入るので活発ですが、独立心や警戒心が強く、知らない人や他のワンちゃんに吠えたりすることもあります。
2.実践しよう!ミニチュアダックスフンドのしつけポイント
しつけポイント1:リーダーは飼い主さんと認識させよう
ミニチュアダックスフンドのしつけで最も大切なのは、主従関係の確立です。
活発な犬種であるミニチュアダックスは俺様主張が旺盛です。飼い方を間違えれば、言うことを聞かなくなってしまいます。主従関係を理解させるのは全てのしつけの基本です。
「主人が指示を出し、犬が従う、従ったら褒める」というパターンを繰り返し実践することで、自然に覚えてくれます。
信頼関係ができて飼い主の言うことを聞くようになると、犬は仰向けになってお腹をさわらせてくれたり、身体のいろんな場所をなでても嫌がらなくなります。そうなれば、口をあけて丁寧に歯を磨いてやることができ、ブラッシングの際も大人しくしてくれます。
信頼関係を築き、主従関係を理解させるためのトレーニング「ホールドスチール」「タッチング」「マズルコントロール」のやり方は下記をご確認ください。
しつけポイント2:アイコンタクト
しつけの基本はアイコンタクトから始まります。コマンド(指示)はアイコンタクトがしっかりと出来ている状態の方がワンちゃんに伝わりやすいです。アイコンタクトがしっかりと出来るようになると、お散歩中にもワンちゃんがリーダーである飼い主さんを意識することが出来るようになります。
我が家もまだまだ絶賛トレーニング中ですが、根気よくアイコンタクトを習得していきましょう。
飼い主さんの悩みとなる問題行動に無駄吠え・甘噛・ひっぱりぐせ・飛びつくが挙げられます。これらはミニチュアダックスフンドだからということはありません。
ワンちゃんと暮らす飼い主さんであれば、一度は悩んだことがあると思います。
どの行動もワンちゃんにとっては理由があるのです。理由を理解した上で、しっかりとアイコンタクトで指示を出すことでいわゆる「問題行動」は減らすことが出来るようになります。
しかし、言葉の意味を理解できないワンちゃんたちは「ダメ」と言ってもすぐにやらなくなることはありません。飼い主さんが大きな心で根気よく教えていくことで必ず出来るようになります!
しつけのポイント3:社会化期の経験値を増やすことが鍵
ワンちゃんの社会化期は生後3週間
~12,3週と言われています。
この時期に様々な経験をすることが非常に重要ですが、ワクチンの関係で中々お散歩に連れていけないというケースもあります。
ワクチン接種が終わるまでは、抱っこした状態やキャリーなどに入れて、お外につれていくなどしてあげると、キャリーなどに入ることにも抵抗が少なくなると思います。
これは、私の経験ですが・・・
この時期にしっかりとした経験を積ませなかった結果、うちの息子はキャリーに入れば大騒ぎ、お外にいったら大騒ぎというお手上げ状態です。
1歳5ヶ月、未だにトレーニング中です。それでも、ちょっとづつ出来ることが増えています。
3.ミニチュアダックスフンドの気をつけたい病気
ミニチュアダックスフンドは身体の特徴などからかかりやすい病気がいくつかあります。ここでは一例を紹介しますが、ワンちゃんは自分の体調の変化を飼い主さんに伝える事ができません。
日頃からワンちゃんを観察し、ワンちゃんの変化に早く気づいてあげるようにしましょう。
椎間板ヘルニア
脚が短く胴の長いミニチュアダックスフンドはその身体の特徴から椎間板ヘルニアになりやすい傾向があります。
椎間板ヘルニアになると神経の異常によりバランス感覚がおかしくなることがあります。そのため、平らな道でつまずくことが増えるなどの症状が見られます。また、脚に力が入りづらくなり脚をひきずるようになります。重度の椎間板ヘルニアになってしまうと治療が難しくなりますので、異変を感じたらなるべく早めに動物病院へ連れていきましょう。
日常生活でも、太り過ぎないように体重管理をしっかりと行う、高いところから飛び降りるなど腰に負担のかかる動作をさせないように注意するなど飼い主さんがしっかりと予防対策を行いましょう。
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
副腎(腎臓近くにある小さな臓器で主にホルモンを既成している)で既成されるコルチゾールというホルモンの過剰分泌によって発症する病気です。
特にシニア期のワンちゃんに注意が必要な病気のひとつですが、ミニチュアダックスフンドのかかりやすい病気でもあります。
クッシング症候群は下記のような症状があげられます
クッシング症候群は特別な予防策がありません。早期発見が非常に重要になります。ちょっとおかしいなと感じたらすぐに獣医さんに相談しましょう。
外耳炎
たれ耳のワンちゃんは外耳炎になる確率が高いです。外耳炎になると、よく耳を掻いたり頭を振ったりという動作が見られます。
耳のニオイがきつくなるので飼い主さんもすぐに気づくことができると思います。外耳炎の予防は耳を清潔にしておくことが大切です。
まとめ
短い脚に長い胴、シュッとした顔立ちで愛くるしいミニチュアダックスフンドは、陽気で遊びが大好きです。こちらで紹介した性格や特徴はもちろん個体差があり、
ミニチュアダックスフンドだから全てこう!という訳ではありません。トレーニングがすぐに出来る子もいれば、時間がかかる子います。
個体差はその子の個性です。
しかし、全てのワンちゃんが飼い主さんが大好きで飼い主さんと楽しく暮らしたいと思っています。
縁があって一緒に暮らすことになった愛犬の個性を理解し、最後の時まで愛情を注いでいただければと思います。