しかし、猫が外で遊んで帰ってきた後や健康面を考えてお手入れしてあげたいと思うことでしょう。そんなときに役立つようなお手入れのポイントを、項目別にまとめてみました。
★シャンプーを嫌がる猫対策
・無理にはしないで蒸しタオルでも可
猫をシャンプーするときは、人間のように熱いお湯ではなくぬるま湯であることが大切です。手を入れて温かいな、と感じる程度の温度で十分です。目安としては30~35℃程度でしょう。ぬるま湯が準備出来たら後ろ足の方から洗っていきますが、それでも暴れるという場合は無理に洗うのはやめましょう。その代わり、暴れてしまう猫には蒸しタオルで拭いてあげるタオルリフレッシュという方法があります。用意するのは、タオル3枚程度に37℃ほどに温めたお湯です。お湯にタオルを浸し、冷めたら猫の全身を拭いていきます。背中からあごの下、お腹から肛門付近まで、汚れが目立つ部分を中心に丁寧に拭いてあげましょう。
ある程度汚れが取れたら、乾いたタオルで優しく叩くように猫の身体を拭きます。最後にドライヤーで毛を完全に乾かしたら完了です。ドライヤーの音を怖がるという場合は、タオルで大まかな水分を拭き取り、最後にキッチンペーパーで残りの水分を拭き取るという方法もあるので、参考にしてみてください。
・ドライシャンプーを使う
水を嫌がる猫には、「ドライシャンプー」という方法もあります。ドライシャンプーとは、スプレータイプやベビーパウダーなどの粉末シャンプーといった水を使わないシャンプーのことを指します。これらのシャンプーは、猫の全身にふりかけてブラッシングをするなどして使います。水を使わないので水嫌いの猫にはうってつけですが、猫が身体を舐める際に害にならないようシャンプーに使われている原料には十分に気をつける必要があるでしょう。★耳掃除を嫌がる猫対策
基本的に猫の耳掃除は不要です。しかし、体質で耳垢が溜まりやすい猫もいるので、耳を見て耳垢が溜まっていると思ったらその都度耳掃除をしてあげましょう。「でも、耳掃除をしようとしたら嫌がる」というときも多いでしょう。そんなとき、綿棒で耳の奥まで掃除しようとしていませんか。実は、それは猫にとっては大変危険な行為なのです。無理やり奥まで掃除しようとすると、加減がわからず耳の大事な器官を傷つけてしまったり、猫が暴れてケガの原因にもなります。猫の耳掃除は湿らせた化粧用コットンなどで入り口付近の汚れを軽く拭き取る程度で済ませましょう。
どうしても猫が耳掃除を嫌がる場合には、耳掃除の間マッサージをして猫の気を反らすのがおすすめです。一人でやるのはなかなか大変なので、二人で行うとお手入れがしやすくなります。
それでも暴れて自分たちで耳掃除をするのは危険だと思った場合は、獣医さんに頼むのが無難な方法です。無理やり掃除をしようとするのは、耳の中を傷つけてしまう可能性もあるので絶対にやめましょう。猫の健康チェックも兼ねて、プロの手を借りるということも選択肢として考えてみてください。
★ブラッシングを嫌がる猫対策
・全身でなくパーツで
ブラッシングは、猫のお手入れの中でも最もポピュラーな方法です。しかし、ブラッシングをとても嫌がる猫が多いのも事実。そんなときは、無理に全身をブラッシングしようとせず、部分ごとに行うのがおすすめです。部分ごとというのは、胸や腰などポイントごとにブラッシングしてあげるということ。慣れてきたら、ブラッシングする範囲を広げていきましょう。その際、背骨や胸骨など骨付近は猫が嫌がるポイントなので注意が必要です。また、猫の毛はパーツごとに毛の流れが違うので、事前によく調べてきちんと毛並みに沿ってとかしてあげることが大切です。
・飼い主の腰の位置の高さで
ブラッシングをしようとしていきなりブラシを見せると、猫は驚いて暴れるどころか、ブラシに対して恐怖心を抱いてしまうこともあります。そのため、猫をブラッシングする際の飼い主の位置というのも猫を落ち着かせるにはとても重要なポイントになるのです。おすすめなのは、飼い主の腰の位置に猫がくるように台などに乗せて行う方法です。しかし、どの位置に飼い主がいれば安心するのかは猫によって違うので、猫が一番落ち着く場所でブラッシングをしてあげるようにしましょう。
シャンプーや耳掃除、ブラッシングといったお手入れは、あくまでも猫の健康管理の一環で行うものです。猫とコミュニケーションを取りたいからと、頻繁にお手入れをすると逆に猫にとっては強いストレスとなることがあるので、それぞれ適切な頻度で行うことを心がけましょう。
そして、どの方法を使っても猫が嫌がるという場合は、動物病院やトリミングサロンなどに一度相談してみると良いでしょう。