【獣医師監修】猫の口からよだれ!口臭が強い場合はこんな病気かも?熱中症の場合も

猫は口の中に歯垢や歯石が溜まりやすいため、口内トラブルが多い動物だと言われています。
飼い主が気付きやすいトラブルのサインはよだれです。犬はよだれが出る動物ですが、猫は通常よだれを出すことがありません。ですので、よだれが出ていれば口内に何らかのトラブルが起こっている可能性が高いと言うことです。
よだれは口内トラブル以外の病気のサインになっていることもあります。よだれから分かる病気についてチェックしてみましょう。
 

★1.猫のよだれを放置しない!病気や危険なサインかも

・(1)歯周病や口内炎

よだれを大量に出すと同時に口臭が強くなっていたら、歯周病や口内炎の可能性があります。
歯周病は歯垢や歯石に潜む細菌が原因で起こる炎症のこと。悪化すると歯がぐらついたり最悪抜けてしまう場合もあるので注意が必要です。歯の周りの骨が溶けてしまうこともあります。高齢の猫がかかることが多いですが、若い猫でも体力が落ちていると発症することがあります。
口内炎は舌や歯茎、粘膜に炎症が起こりただれる病気。歯垢や歯石に付着した細菌が原因のこともありますが、内臓の病気が原因で免疫が低下し、細菌に感染して起こすこともあります。
口の中のトラブルの元である歯垢や歯石を溜めないためには、日々の歯磨きが重要です。最近では猫向けの歯ブラシもいろいろと出ているので、歯磨きを毎日の習慣にすることが望ましいと言えるでしょう。
 

・(2)口の中を怪我した

口の中を怪我してよだれが出ている可能性があります。何かの拍子に口の中が傷付きそこが炎症を起こすと、それが刺激になってよだれが出てくるのです。
また歯の隙間に大きなものが挟まった、上顎にトゲのようなものが刺さったなど、口の中に異物があるとそれを洗い流そうとして大量のよだれが出てくることがあります。口の中に何かあると、猫はそれを出そうと口の周りを前足で掻くようなしぐさをすることがあるので、それを見逃さないようにすることが大切です。
 

・(3)風邪

意外にも、よだれが風邪のサインになっていることがあります。
猫も風邪を引くと熱や鼻水が出たり、くしゃみをしたりします。それだけではなく、原因となるウイルスの種類によっては口の中や舌に潰瘍ができ、その痛みからよだれが多くなるのです。口臭がきつくなることもあります。
 

★2.外的な要因の場合

・(1)誤飲

有害物質を誤って飲み込んでしまうと、泡状のよだれが出ます。その他に口の周りが痙攣したり麻痺したりしているように見えたら要注意です。中毒を起こしている可能性があるので、応急処置を取るよりも一刻も早く動物病院に連れて行きましょう。何を飲みこんでしまったのか分かるなら、それを持参することも忘れずに。駆けつける前に病院に連絡しておけば、すぐに診察を始めてもらうことができます。
泡状のよだれは急を要する場合が多いので、すぐに行動することが大切です。
 

・(2)骨折

猫が口を開けたままよだれを流していたら、顎の骨を骨折している可能性があります。痛みのせいで口が閉じられなくなっており、絶えずよだれを流している状態になります。
顎の骨に異常を起こす原因は様々で、高いところから落ちる、交通事故、猫同士の喧嘩などがあります。
骨折は放っておいても治癒することがないので、すぐ病院に連れて行きましょう。そのさい、患部に振動を与えないように注意してあげてください。
 

★3.熱中症の場合も

熱中症が原因でよだれがでることもあります。
熱中症は真夏の暑い日に、閉め切った部屋に閉じ込められることで発症する病気です。暑くてバテている訳ではなく、しっかりとした対処をしなければ最悪死亡することもあります。
猫は暑さに強い動物だと言われていますが、汗腺の数が人間より少ないので、上がりすぎた体温を汗を出すことで下げることが難しいのです。熱中症になると苦しげに喘ぐようになり、開いた口からよだれを垂らすこともあります。目や口腔粘膜の充血、吐き気、下痢、ふらつきなどの症状が出たら要注意です。
熱中症はペルシャなどの短頭種や、太っている猫、子猫や老猫がなりやすいと言われています。これらの猫を飼っている場合は特に注意しましょう。家で留守番をさせるときは窓やドアを閉め切らず風の通り道を作っておくなどの対策が必要です。
愛猫がもし熱中症になったら、とにかく体を冷やしましょう。風通しのいいところに移動させ、冷たいタオルで体を包んで応急処置を行います。その後急いで獣医師に診せるようにしてください。
 

★まとめ

猫は普段よだれを垂らすことがありません。それだけによだれを垂らしていたらすぐに気付き、原因は何かしっかりと探ることが大切です。素早い対応で病気を見つけることができれば、その後の治療も短い期間で済ませることができます。
日頃のケアも大切にしましょう。病気を未然に防ぐとと共に、何か異常があればすぐ気付けるようにすることが不可欠です。 [cta-hospital]
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