実際、ペットを病院へ連れて行った際に、想定以上の高額請求に驚いた経験がある飼い主さんも多いのではないでしょうか。また、人間と違って全額医療費の負担が必要なペットを飼う上で、どれくらい医療費がかかるのかと不安をかかえている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時に入っていたら安心なのが「ペット保険」です。しかし、日本におけるペット保険の加入率は高くないといわれています。
今回はそんなまだまだ知られていないことも多いペット保険のあれこれについてご紹介します。
■1.ペットの保険加入率があまり高くない理由
日本におけるペット保険の加入率は6%前後だといわれています。その中でも「猫」のペット保険加入率は更に低いそうです。ペット保険の存在は広く認知され始めており、実際、ペット保険に関心のある飼い主さんは多いといわれています。そんな中、なぜ保険加入率は低いのでしょうか。
① 保険料が高い
保険加入率が低い一番の理由として、やはり「保険料の高さ」がネックになっているようです。保険制度が整っている人間と違い、ペットの場合は100%の医療費負担になるため、想像以上に医療費が高額になります。しかし、ペット保険の補償内容が費用対効果を踏まえると「良いのか悪いのか」が不明瞭なことが多いため、加入に二の足を踏んでいる方が多いようです。実際、保険に加入していたものの特定疾患の治療費が補償の対象外だったといったケースもあり、保険を途中で解約してしまうケースもあります。
② 関心はあるが家族の保険が優先
ペットが家族であるという認識が広まっているとはいえ、やはり人間の保険が優先されます。人間の保険制度の方が整っているということもあり、補償内容の充実や保険料を比較した場合、どうしてもペット保険は割高に感じ、後回しにされてしまうのです。ペットを飼ってみたものの、思っていた以上に費用がかかることに後から気付く方もいらっしゃいます。命を飼う以上、そのペットにかかる生涯費用を理解して、医療費まで踏まえて飼う飼わないの判断をしましょう。
■2.保険なしの場合の平均診療料金とは?
ペットの医療費は全額飼い主さんの負担のため高額だという認識はあるものの、実際にいくらかかるのかが不明なのではないでしょうか。現在の日本においては医療費の独占化を防ぐために、各動物病院によって料金を設定することが義務付けられています。そのため同じ診療でも動物病院や獣医師さんによって料金が異なりますが、平均では初診料「1,300円前後」、再診料「700円前後」。尿や糞便検査「800~1,500円前後」。1日の入院費「2,500円前後」。手術となると、局所麻酔料「2,000円前後」、全身麻酔料「10,000円前後」がかかります。また、去勢手術に「12,000円」、避妊手術に「21,000円前後」の費用がかかるといわれています。
これらの費用を合計すると、保険に加入していない場合は月に「3万円前後」、年間で「約3万円~30万円」のペット医療費の負担があります。また、ペットの年齢や診察内容にもよりますが、約3割の方が年間「10万円以上」のペット医療費を支払っているといわれています。医療費に幅がありますが、突然の大きな出費が発生する可能性が高いことが分かります。
■3.こんなペット保険ならお手頃価格
年間の医療費負担が大きい中で、その値段が高いことがペット保険の加入を躊躇させているとお伝えしました。また、ペット保険も多くの企業が参入し、その種類もどんどん増えているため、どういった保険を選択すればいいか迷うところでもあります。そんな中、保険を選ぶ上でおすすめのポイントを以下に紹介します。① インターネット割引がある
同じ保険内容でもインターネットから加入した場合に割引される保険会社があります。補償内容が同じで価格がお得になるため、インターネット割引があるかどうかは要チェックです。② 高額な手術費用に特化した保険
特に高額になるような治療に特化した保険があります。例えば猫の場合「膀胱結石」にかかりやすいといわれていますが、全額負担の場合は手術費用が20万円を超えます。他にも「腫瘍」や「異物誤飲」も多く発生していますが、これらの手術費用も20万円を超えるといわれています。こういった高額になりがちな手術費用に特化した保険があります。動物の種類や年齢によってもかかりやすい病気は異なるため、それぞれに特化した保険を選択することで、いざという時に安心できます。
③ マイクロチップ割引のある保険
保険に加入する際にペットが「マイクロチップ」を装着している場合、保険料が割引になる保険があります。マイクロチップは猫が迷子になった際に大きな役割を果たすため、保険加入は別としても装着をおすすめします。そんなマイクロチップの装着で保険料が割引になる一石二鳥な割引制度も要チェックです。以上の3つ以外にも、ペット保険は「ペットの寿命まで」を考慮して加入する必要があります。年齢があがるにつれて、その医療費もぐんと高額になります。そのため、一時的に安いペット保険ではなく、生涯を通して計算した保険料も比較したうえで検討を進めてください。
人間の保険と同様に継続契約をした場合の「継続割引」や、前年に保険料の負担がなかった場合、次年度の保険料が割引になる「無事故割引」。その他、多頭飼いの方にも安心な「多頭飼い割引」など、割引制度は多数ありますので、ご自身のペットに合った保険を探してみてください。
■まとめ
ペットも家族の一員といわれながら、なかなか加入が普及していないペット保険。ペットも人間と同様に、いつ、どんな病気にかかるかわかりません。病院へ連れていき、思わぬ高額請求に頭を抱えた飼い主さんも多くいらっしゃることと思います。また、ペットを飼う予定の方も、そのペットにかかる医療費や生涯費用というのは気になる点だと思います。
ペットを飼う方が増加していることに合わせ保険会社も増えているため、さまざまな保証制度や価格、その割引制度も選択の幅が広がってきています。
愛するペットの突然の病気や事故の際に安心できるように、また、いざという時に満足のいく診療を受けさせてあげられるように、ぜひご自身のペットに合ったペット保険の加入を検討してみてください。